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ある日の会話 ♯朱音、春心

なろう版限定エピソードです。

「春心ぉ、海外ってどれくらい金貯めたら行けっかな」


「用事によると思うけど……なに、朱音ちゃんって海外に興味あるの?」


「ちょっとはな。旅行もいいし、短期留学とかもいいんじゃねえかなって」


「お~、スケールでかいね~」


「でもな、全っ然英語が喋れねえんだよ」


「朱音ちゃん、勉強苦手だもんね~」


「おい」


「あはは、ごめんごめん。でも朱音ちゃんって、座学とかじゃなくて、実戦的な英会話だったらむしろ得意な感じするけどなあ」


「そうか?」


「ほら、なんかほとんど英語喋れないのに、世界中を旅してる人とかいるじゃん。なぜかジェスチャーとノリだけでなんとかなっちゃうみたいな」


「そんなやついるか?」


「いるいる! いるよ! よく見る旅動画の人、日本語以外喋れないのに海外ばっか行ってるもん! この前なんかスイスに行ってたよ!」


「お前、最近動画サイトに入り浸ってるよな。どうしたらその動画に行きつくんだよ」


「え~、そうかな~。旅動画、結構みんな見てると思うけど。面白いよ?」


「まあ面白いとは思うけどな、お前この前、坊さんが寺の中を紹介する動画見てただろ。それはさすがになんなんだよ。暇なのか」


「いいじゃん別に! お寺の中気になるじゃん! それより、朱音ちゃんってどれくらい英語喋れんの?」


「露骨に話戻してきたな」


「だって話すごいずれそうだったし……」


「まあいいけど」


「でさ、朱音ちゃんって実際どのレベルなの?」


「いや、マジで喋れねえぜ。私が喋れる英語って『Apple pain.』しかねえかんな」


「アップルペイン!? とは!? なにそれ!? 林檎痛み!? なにそれ!?」


「造語だよ」


「造語!? もうそれ、破じゃん!」


「ハジャンってなんだよ(笑)」


「“守破離”で言うとこの破だよ、破! え、なに? 英語喋れない人が、造語で海外に乗り込もうとしてたの!? もうそれ、破だよ! 破しかやってない人だよ! 破の人だよ!」


「元気いいな~。元気げんき基三もとぞうかっての」


「いやいやいや、造語しか喋れないパターンって初めて聞いたもん。それ日本で言ったら、『袋人ふくろじん』っていう謎の単語しか喋れない外国人が、日本に来るようなもんだって。みんな怖がるって」


「そうか~?」


「そうだって! こわ~……。え、待って、朱音ちゃんさ、言ってもほんのちょっとは喋れるでしょ? ディスイズアペンくらいはさ」


「さすがにそれはわかるっつーの」


「あ、よかった~。造語だけの人じゃなかった~」


「ん~、でもなんか実践的じゃないっつーかよ……日常でディスイズアペンなんて言う場面、あるか?」


「アップルペインよりはあるわ!」


「お~、元気だな。元気げんき基三もとぞうじゃねえか」


「あのね、ディスイズアペンを軽く見ちゃだめなの。こういうのはね、簡単な文法の積み重ねで喋れるようになっていくんだから。たぶん」


「たぶんかよ」


「だって私も喋れないし……。でも造語を作るよりは絶対マシなこと言ってるからね、私。とにかく、簡単な英語をバカにしちゃいけないんだよ」


「簡単な英語なあ」


「朱音ちゃんさ、ディスイズアペンの他になんか知ってる文法ある?」


「『I can speak Japanese.(私は日本語を話すことができます)』とか?」


「そうそう! そういう簡単なやつ! 他にはなにかいける?」


「『Dimension guys.(次元男たち)』」


「破だ!」


「どんなツッコミだ」


「だって破だもん! ディメンジョンガイズだもん!」


「『Dimension guys.(次元男たち)』」


「次元男たち! なんなのそれ!」


「ディメンジョンガイズはな、世界の平和を守るヒーロー団体だよ。お前もしかして知んねえのか?」


「え、実際にそういうアニメとかあるの?」


「いや、私のオリジナルだけど」


「じゃあもう造語じゃん! 造語はもういいって! 母国語以外で造語作る人、普通いないから!」


「『Food fighter Dean.』」


「そしてフードファイターディーン! 誰!?」


「ディメンジョンガイズのリーダーだ」


「あ、リーダーなんだ。……フードファイターが?」


「そうだよ。フードファイターがリーダーだよ」


「破だ!」


「出た、“破だ”」


「だって大食い系のキャラがヒーローのリーダーやってるのって、あんまり見ないよ? だいたい四番手くらいにいるじゃん。なのに、ディメンジョンガイズではフードファイターがリーダーをやってる。これって革新的だよね。もうそれは完全に破の設定だよ。いや、場合によっては、“離”に近い破かもね」


「なに言ってんだお前」


「ちなみにディーンって、一回の食事でどれくらいたくさん食べられるの?」


「茶碗二杯」


「破だ! それしきでフードファイターを名乗るなんて!」


「『tooth.』」


「歯だ! え、くだらなっ!」


「…………」


「『破だ』と『歯だ』でかけてるんでしょ? 急にくだらなっ!」


「…………」


「あれ、黙っちゃった」


「…………」


「どうしたの?」


「…………」


「なんか言ってよ」


「『Food fighter Dean.』」


「ディーンなんだ! ここでディーンなんだ!」


「ここで、ってどういう意味だよ」


「いや、ここはleaf(葉)とか言ってさ、『葉だ!』っていう、『破だ』とかけるくだりをもう一回やる流れなのかなって思ってたの。そしたらディーンが来たもんだからびっくりして。あ~、ここでディーンなんだ。ここでか~。へ~、勉強になる~」


「お前なんか今日ほんと元気いいよな。元気げんき基三もとぞうじゃん」


「で、元気基三ね、問題の! さっきからちょこちょこ出てきてる、問題の人物ね! 誰なの?」 


袋人ふくろじん


「袋人だ!」


「もう完全な袋人」


「完全なんだ! え、袋人ってどういう人のことを言うの?」


「え? えー…………あの、袋人はな、せ、世界で最初に『袋叩き』をやった人だ」


「こわ~」


「悪い人だったんだよ、元気基三は。で、そんな日頃の悪事がたたって、あの、あれだ、なんだ、オ、オリン……そう、オリンポスの神々の怒りを買っちまって、なんかこう、世界樹的なやつの下の方に埋められたんだよ」


「元気基三、何圏の人なの?」


「それよりいくぜ♪ YOYOチェケラーチェケラーYOYO♪」


「オッケーオッケオーッケーオッケー♪」


「チェケラーチェケラー神隠し♪ HO!」


「粉ミルクって、なんなんだ、YO!」


「街の♪ ドアの♪ PUSHとPULLを♪ いつも♪ 逆に♪ 間違える♪」


「YO!」


「…………ふ」


「…………ふふっ」


「ははっ、おいなんだよいまの」


「いやいや、朱音ちゃんが急にやりだしたんじゃん」


「お前も秒で乗ってくんなよ。びびったわ」


「ふふっ、て言うかさ、ふふふっ、朱音ちゃん、ドアの押し引きいつも間違えてんの?」


「あとエレベーターの開くと閉じるもよく間違える」


「二択が苦手なんだ(笑)」


「なんかいつも逆を押しちまうんだよな」


「あ、でもちょっとわかるかも。いつも間違えちゃう二択ってあるよね」


「そうなんだよな~」


「前回間違えたことを踏まえてさ、裏をかきに行った結果、それが原因で間違えるみたいなさ」


「そうそうwwww それなwwww」


「あの現象不思議だよね~」


「な~」


「…………」


「…………」


「……そういえば、なんの話してたんだっけ?」


「あー……? なんかフードファイターの話してたよな」


「あ、そっか! フードファイターの話だ!」

※補足だワン!フードファイターは和製英語なんだワン!

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― 新着の感想 ―
[良い点] なろう版限定エピソード、拝読しました。 朱音のボケと、春心ちゃんのツッコミ、どちらも天才的すぎて笑いが止まりませんでした。というか、読者側からすると、春心ちゃんのツッコミにも、ツッコミを…
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