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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信四十回目:おしおき

 声のした方を見ると、さわやかイケメンお兄さんがいた。いや、でも、うん。不快な笑顔だ。私の直感が言ってる。ろくでもないやつだ。ただの直感、されど直感。こういった嫌な予感は従った方がいい。


「なんですか? すみませんけどちょっと急いでいるんです」

「いや、案内人もなしに入ろうとしてたからさ! 注意してあげようかなって!」


『なんだ? いい人か?』

『微妙だなあ』

『なんか嫌いだなこいつ』


「ははは、ひどいな」


 笑うイケメンさん。私もこいつ、なんか嫌い。先入観だけど。


「案内人はこっちだよ。俺が案内してあげるよ」

「結構です」

「まあまあ、そう言わずに。俺といた方が楽しいからさ」

「そんなことないです」

「ほんとに楽しいって! ほら、来いよ!」

「うざいなあ」


『声に出てるぞw』

『うざいけどな。間違い無く』

『なんだよこいつ』


 イケメンさんが顔を険しくする。私の方がいらいらしてるよ。さっさとどこかに行ってよ。

 案内人さんを見ると、こちらに気付いて何かを言おうとして、


「だめ!」


 れんちゃんが、割って入ってきた。


「あっち行って!」

「は? なんだよお前……。いや、ちっちゃいな。NPCか?」


『あ、こいつミレイたちを知らないのか』

『まあ別に全員が見てるわけでもないしな』


 イケメンさんはコメントに気付かない。


「NPCはどいてろ。邪魔だ」


 そう言って、突き飛ばそうとしたから私が割って入ろうとして。

 びしりと。なんか、上空から変なひび割れの音が。


「あ」

「あ?」

『あ』

『ああ……』


 うん。その、なんだ。忘れてたわけじゃない。忘れてたわけじゃないけど、いや、あはは……。

 上を見る。空を見る。空がひび割れて、ぱっくり割れて、とても見覚えのある真っ白もふもふドラゴンがこちらを見下ろしてた。

 うん。そうだね。今のって害意になるよね。いや、うん。


 きちゃったよ、始祖龍……。


「あ! レジェ!」


 れんちゃんだけが大喜びだ。私から見るとあの登場の仕方はホラーでしかないんだけど。


「え、なに、あれ……」


 イケメンさんが呟いた直後、ちっちゃい雷がイケメンさんに落ちて、イケメンさんは消滅した。ただのHP全損だね。多分どこかの街で復活してるでしょう。

 やることはやったとばかりに始祖龍さんは割れ目にもぐって帰ってしまいました。割れ目もちゃんと修復して。


「うん。れんちゃんを守るために出てきたのは分かるけど……。どう見てもホラーでした」


『わかる』

『それな』

『普通に怖いわあれw』


 いきなりだったからね。いやあ、うん。驚いた。

 ホームの外でレジェに会えてうきうきのれんちゃんを促して、ディアにのってもらう。あとはゲームマスターさんに任せてすたこらさっさと森に逃げましょう。

 私もシロを召喚して、さっさと森の中に入っていった。




 ちなみにだけど。その時の始祖龍がいろんな角度から撮影されてて、お祭り騒ぎになってた。始祖龍人気が上がってストーリーを進める人が増えたって山下さんは喜んでいたので、良しとしましょう。

 あの登場の仕方だけはどうにかしてほしいけども。




「おー……」

「わあ……」


 すごく大きな木がいくつも並ぶ、そんな場所。日の光は木々の枝葉に遮られて、あまり届かない。流れる川の水は澄んでいて、口に含めばそれだけで疲れを癒やしてくれそう……。


「いや、そんな風景はどうでもいいけど。フクロウはどこかな?」


『草』

『知ってたw』

『花よりもふもふ』


「うるさいよ」


 フクロウが目的だから仕方ないじゃないか。

 直接歩くととても歩きにくいかもしれないけど、シロとディアは危なげなく進んでいく。大きな倒木や川も、軽く一跳びだ。すごい。


「あれ? そう言えばれんちゃんが静か……」


 れんちゃんならこの光景にも興奮しそうなのに。

 そう思ってれんちゃんの方を見てみると、興奮はしていた。頭の上のラッキーを持ち上げて、なんだかはしゃいでる。すごいすごいと楽しそうだ。


「まあ私でもちょっと感動するからね、この風景」


『わかる』

『原生林ってすごいよな』

『言葉にできないけど、なんかこう、心にくる』


 一部わからないってコメントもあったけど、この景色が嫌いって人は少ないみたいだ。リアルで行きたいかどうかはやっぱり別だろうけど。私なら来たくない。すごく不便そう。


「おねえちゃん! おっきな木がある!」

「んー? どれも大きいと思うけど……」


 不思議に思いながられんちゃんの指差す方を見てみると、なるほど確かに、他よりも大きな木があった。この森の木は外の木と比べるとどれもが太くて高いけど、その木はそれらと比べても一回りも二回りも大きい。不思議なことに、その木の根元は日の光が降り注ぐ広場になってる。なんだかぽかぽかしてあったかそうだ。

 フクロウを探すこと以外に特に目的はないし、行ってみようかな。


壁|w・)あっさりおしおきでした。いや、どはでにやると周囲の関係ない人が巻き込まれるから……。

ちなみに一応コメントは見えてますし配信しているとイケメンさんは分かっていますが、どうせ数いる無名の配信者だろうと思ってます。

次回はフクロウさん。


感想返信を再開していますが、したりしなかったりします。

返信がなくても怒らないでください、とこっそりお願いしておきます。

特に週末は夜勤に入ってたりしますので、多分できない、です。



面白い、続きが読みたい、と思っていただけたのなら、ブックマーク登録や、下の☆でポイント評価をいただけると嬉しいです。

書く意欲に繋がりますので、是非是非お願いします。

ではでは!

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― 新着の感想 ―
[一言] たぶんレジェのイナズマで最初の町にリスポーンしたあと視聴者コメントさんが路地裏で[お話]してるはず あと幼女に手を出したからフレさんも集まらず引退か後悔しながらソロやってるはず。 もしかした…
[一言] レジェさんの登場、ヤプール的で吹いた。
[一言] 元ラスボスだし、登場や攻撃に威厳は大事。
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