配信124回目:しんたいりくのごはん
「お待たせいたしました」
そうこうしている間に料理が運ばれてきた。早すぎる。さすがゲームだ。
出てきたのは、ステーキに馬刺しに……、いもむしを焼いたものみたいなやつ。最後のやつはなに? 嫌がらせなの?
「アリス?」
「いや、さすがにリアルだと頼めないから……。ゲームならまずくても、食べなかったら勝手に消えるし……」
「なるほど」
確かに、リアルでチャレンジして、食べられなかったらお店の人もいい顔はしないだろうからね。好奇心は大事だ。とても素晴らしい。
でもさすがに芋虫そのまま分かる見た目なのは、どうかと思う。いや本当に。
『言いたいことは分かるが、かといってゲームでも食べたくねえよw』
『れんちゃんですらちょっと微妙な顔してるぞw』
『まさかこの配信で昆虫食を見ることになるとは思わなかった……』
本当にね。いや本当にね……!
でもこれは、バーチャル。そう、ただのゲーム。つまり実際に食べるわけでもないし、きっと大丈夫……!
「あ、ラッキー!」
「わう」
私たちがその虫料理に固まってる間に、ラッキーがれんちゃんの頭から飛び降りてぱくりと一匹食べてしまった。むっちゃむっちゃと食べてる。そして、一鳴き。
「わう!」
「おいしかったの?」
「わう!」
「そうなんだ!」
そしてれんちゃんもぱくっと一口。美味しそうに食べてる。
うん……。うん。いや、すごいね。本当に。
『ミレイお前それでも姉か?』
『れんちゃんのために真っ先に食べたラッキーを見習って?』
『つまりお前はラッキー以下だ!』
「ぐは……!」
そ、そうだよ……! 私が真っ先に食べないといけなかったのに……! まさかラッキーに負けるなんて……! いくられんちゃんといつも一緒にいるモンスだからって、こんなところで負けたくなかった……!
「うう……くそう……」
『やーいやーい、ミレイののろまー!』
『わんこに負ける姉がいると聞いて!』
『ガキかお前らwww』
「もうやめて! ミレイちゃんのライフはゼロだよ! 多分!」
いや、いいんだよアリス……。私が、間違ってた……! だから今! ここで! 汚名返上する!
「ふん!」
というわけで、食べてみた。
うん……。これは、見た目は悪いけど、意外とクリーミー……。
「あれ、結構美味しいじゃん」
「そうなの!?」
「ん……。見た目は悪いけど美味しいというのは、よく聞くね」
うん。食べてみると悪くない。ぶっちゃけ目隠しされてたら普通に食べられるよこれ。
「まあ今後自分で注文するかと言われると絶対しないけどね!」
「ですよね」
『そりゃそうだw』
『ていうか注文したアリスが食ってないのでは?』
「どうして余計なこと言うの……、はっ!」
「…………」
とりあえずアリスとルルにも食わせておいた。ルルはもちろん道連れで。一人だけ食べないとか許されないと思うので。
その後は普通の食事。どれもシンプルで分かりやすいものばかりだけど、だからこそどれもとても美味しく感じられた。虫の後だしね……。
残りの料理も美味しく完食して、改めて外に行くことに。いよいよ外だ。
そうしてキャンプ地を囲う柵の外に出てみれば、広がっていたのは大量のテントでした。
「いや、なにこれ」
「テント多すぎるね……」
「ん……。これはひどい」
視界いっぱいテントだらけだよ。多分みんなが拠点の代わりにしてるんだと思うけど、それにしても多い。多すぎる。
「テントいっぱい!」
でもれんちゃんはなんだか嬉しそうだ。ラッキーと一緒にはしゃいでる。
『たくさんのテントにはしゃぐれんちゃんがかわいい』
『無邪気でええなあ』
『俺も若返りたい』
『無茶言うなw』
子供って……純粋だよね……。
「れんちゃん。あとで私たちもテントをたてよっか」
「たてるー!」
「でもとりあえず、動物さんを探そう」
「うん!」
というわけで、まずは動物さん探しだ。野生動物がたくさんいるらしいから、いろんな動物と会いたいね。
日本の野生動物はわりと危険だけど、ここはゲーム、危険はないから安心だ。もっとも、見つけたら襲ってくる動物もいるらしいけど。れんちゃんなら大丈夫、かな?
大量にあるテントの地帯を抜けて、広い草原にたどり着いた。
「おー……」
本当に広い。地平線まで見えるほどに。そして遠くにぽつぽつと動物の姿も見える。
「地平線なんて初めて見たよ……」
「うん。ゲームだけどね」
『ゲームだけどな』
『リアルっぽいけどバーチャルなんだぜ……』
「分かってるから言わなくていいよ」
ちょっとそれっぽい雰囲気を味わいたいだけだ。
「それで、近くの動物はなに?」
「馬。移動手段にもなる」
「ほう」
ルルの案内に従って、馬にいる方に向かう。すると草原の一角に、たくさんの馬が集まってるエリアがあった。集まってるだけじゃなくて、馬がどこかから走ってきて集団に混じったり、逆にどこかへと走り去っていく馬もいる。
なるほど、移動手段。あの馬たちは各地を順番に回ってるのかも。
「お馬さんだー!」
れんちゃんが早速突撃しにいった。
壁|w・)お馬さんリターンズ!






