配信124回目:おっきいテント!
前回で船は堪能したので、今回はさくっと新大陸に移動した。あっという間に移動して、ここは新大陸。とても近い新大陸だね。
「これが……あーるてぃーえーだ……!」
『いやみんな同じだから』
『実装すぐ来たわけじゃないからRTAとは絶対に言えないんだよなあ』
『やーい、のろまー』
「配信切っていい?」
『すみませんでしたあ!』
さすがにあまり言われると、ちょっといらっとしちゃうよ。
さて。ここは新大陸の港町。いや、港町っていうほど発展はしてない。桟橋があって、テントがたくさん並んでるだけ。いくつか木造の家はあるから、そのうち発展していくのかも。
でもとりあえず、今はまだまだ村というか、キャンプ地っていう感じだ。
「おねえちゃん、テントいっぱい!」
「テントいっぱいだね」
「入っていい?」
「ちょっと待ってね……。ルル」
だめとは思えないけど、変なイベントが始まったらちょっと困る。ルルに振り返って聞いてみると、すぐに教えてくれた。
「どのテントも入れるけど、NPCがいたりするだけだからあまり楽しくはない。あそこの、大きいテントは現地の素材で作った料理を提供してるから、そこなら楽しいかも」
「へえ。NPCの店?」
「そう。プレイヤーがここにテントをたてることはできない。さすがに紛らわしいからだと思う」
「なるほど」
それはそうだね。プレイヤーが自由にテントをたてられたら、かなりカオスな空間になりそうだ。今でも結構ごちゃごちゃしてるのに。
『ちなみにそのキャンプ地、柵で覆われてるんだけど、その外ならテントをたてられるぞ』
『あとで出てみるといい、カオスだからw』
それは、すごく気になる。あとでれんちゃんと一緒に行ってみよう。
とりあえず、大きいテントに向かう。現地の素材で作った料理……。どんなものが出てくるのか楽しみだ。
テントの中に入ると、テーブルが三つほど並んでいた。地面にシートを敷いてないから、そのまま入っていいんだと思う。
「おねえちゃん! おっきいテント!」
「おっきいね。走り回ったらだめだよ?」
「はーい!」
れんちゃんは周りをきょろきょろとしてる。大きいテントなんて、このゲームでも見たことがないからね。新鮮なのかも。
お客は私たちだけじゃなくて、あと二グループ。三つのテーブルのうち、二つはすでに埋まっていた。
「あれ、もしかしてれんちゃん……?」
「うわ、本当だ! そろそろ来るかもとは思ってたけど、まさか本当に直接見れるなんて……!」
「かわいい……」
プレイヤーさんたちは視聴者さんでもあるのかな? れんちゃんを見てにやにやしてる。気持ちは分かる。
『え? あいつら視聴者なん?』
『なんだそれめちゃくちゃ羨ましいんだけど』
『俺もれんちゃんと会いてえなあ』
そのうち、ギルドとかにまた顔を出してもいいかもね。
四人で空いてるテーブルにつくと、すぐに店員さんがメニューを持ってきてくれた。NPCらしいけど、自然な動作だから本当に分かりにくいと思う。
さてさて。何があるかな……。
「えー……。謎の豚の丸焼き。その辺を歩いてる牛のステーキ。野生の馬の馬刺し。エスカルゴのなんとかかんとか……。いや、うん。おい」
「言いたいことは分かるよミレイちゃん……」
「つっこみどころ満載」
「いくらなんでも適当すぎるでしょ……」
確かに現地で調達した素材っていうのはとても分かりやすいけど、どうしてそれを料理名に反映させたのか、これが分からない。
『運営の遊び心です (失笑)』
『運営もろくに考えてなかったんじゃないかなあ』
『わいるどだろお?』
「迷走しすぎじゃない……?」
遊びすぎとも言う。いや本当に。
豚の丸焼きとか牛のステーキとかストレートに書いてるかられんちゃんは頼みにくい……なんてことは、もちろんなくて。
さすがに目の前で解体とか豚の丸焼きとかされたられんちゃんもショックを受けそうだけど、料理されたものなら特に気にしないのがれんちゃんだ。
「じゃくにくきゅうしょく、だもんねれんちゃん」
「じゃくにくきょうしょくだよ?」
「裏切られた……!?」
『草』
『なに? どういうこと?』
『説明しよう! れんちゃんは一度、じゃくにくきゅうしょくと言っちゃったのだ!』
『過去の間違いをからかおうとするからだよ』
それは、うん。ごめんなさい。れんちゃんも日々成長してるんだね。
れんちゃんはとてもいい子。なでなで。
「いや、それで何を食べるの?」
「ぶっちゃけなんでもいい」
「まあ別に料理を食べに新大陸に来たわけじゃないからね……」
そう。私たちはもふもふをもふもふしに来たのです。料理は二の次だね。せっかくなので寄っただけで。
というわけで、注文はアリスとルルにお任せ。二人が注文してる間に、私はれんちゃんといちゃいちゃします。
「れんちゃーん」
「もふもふ……」
「いつの間にかラッキーをもふもふしてる……」
頭のラッキーを腕に抱いて、もふもふし始めてる。れんちゃんのお手入れでラッキーはとってもふわふわだから、もふもふもきっと気持ちいいはず。
「れんちゃん、お姉ちゃんとも遊んでほしいな?」
「んぅ……。もふもふする?」
ずい、と差し出されるラッキー。受け取ってもふもふしてみる。とってもふわふわだ。気持ちいい。
いやでも、私はれんちゃんと遊びたいんだけどなあ!?
壁|w・)おっきいテントにちょっと興奮気味のれんちゃんでした。






