番外編:甘える妹と甘やかす姉
壁|w・)確かに私は連続更新は終了だと言った。
だが! しかし! 番外編を投稿しないとは言ってない!(どやぁ!
というわけで、番外編です。イメージは配信十五回目前後ぐらい?
んー……。どうしたものかな……。
れんちゃんのホームでシロをもふもふしつつれんちゃんを待っていたら、ログインしてきたれんちゃんに唐突に抱きつかれた。その後は何故か離れてくれない。ぎゅっと、私にしがみついてる。
「れんちゃん?」
「ん」
「ふむう……」
多分、怖い夢でも見たんだろうね。以前からだいたい一週間に一回ぐらい、こういうことがある。お見舞いに行ったら急に抱きついてきて離れなくなるのだ。
そうなるともう何を言っても意味がなくて、いつも病院に泊まることになる。本当はだめらしいけど、その時ばかりは特例で許してもらってる。
最近はゲームが楽しかったのかそんなことはなかったんだけど、今日は久しぶりにそんな日らしい。れんちゃん曰く、甘えたい日、なのだそうだ。
ゆっくりれんちゃんの頭を撫でる。だいじょうぶ、だいじょうぶ、怖くない怖くない……。
ちなみに、最近は甘える相手が私になったせいか、お母さんがちょっとだけ拗ねてる。再婚する前はれんちゃんの甘える相手もお母さんだけしかいなくて、やっぱり仕事にも影響が出ていたらしい。
今は負担が減って仕事もやりやすくなった、と言ってたんだけど、それはそれとしてやっぱり甘えてもらえる頻度が減ったのは寂しいんだって。複雑な心境だね。
私はれんちゃんを甘やかせるだけなので特に問題はない。ずっと病室で一人だと寂しいだろうからね。甘えたい時ぐらいたっくさん甘やかせてあげるのだ。
「おねえちゃん」
「ん? どうしたのれんちゃん」
「ぎゅー」
「はいはい。ぎゅー」
ぎゅーっと、抱きしめる。落ち着くまではこのままかな。
なでなでぎゅーっとしていたら、少しだけ落ち着いてくれたらしい。シロに背もたれになってもらい、その場で座ってれんちゃんをごろんとさせる。私の膝を枕にして、何が楽しいのかぐりぐり頭をこすりつけてきた。
「れんちゃん、くすぐったいよ」
「んー」
「仕方ないなあ……」
まったく、かわいい妹だね!
とりあえず、顎をこしょこしょくすぐってみる。れんちゃんはくすぐったそうにしつつも、もっとしてとばかりにすり寄せてくる。かわいいなあ。こうしてると、本当に猫みたいだ。
お腹の上に移動していたラッキーを持ち上げて、れんちゃんの顔の上へ。
「んむ」
「ふむ……。ラッキーが座りにくそうだね」
ほらラッキー、足を伸ばして。そうそう。
万歳のような体勢のラッキーをれんちゃんの顔にかぶせた。
「んむう!?」
さすがに驚いたみたいだけど、一応息はできるのか大人しい。そして、聞こえた声。
「もふもふ……。幸せ……」
それでいいのかれんちゃん……。
私の膝枕で眠るれんちゃんと、その顔に被さるラッキー。シュールな絵面だ。
ふむ……。とりあえず、れんちゃんは落ち着いてきたみたいだ。よかったよかった。
「はいわしゃわしゃー」
「わひゃ!」
れんちゃんのお腹をわしゃわしゃっと勢いよく撫でると、れんちゃんが飛び起きた。むう、と恨みがましいような視線を向けられるけど、今までの経験でれんちゃんが怒ってないのは分かるのだ。
なので。
「追加のわしゃわしゃー」
「うひぇ!」
変な声を上げて抵抗するれんちゃん。お腹を撫で回す私。……あれ、これ通報されない? 大丈夫?
「んー! やー!」
「おっと」
れんちゃんがうつぶせになった。もうだめらしい。残念。
でも私から離れることはしなくて、なおも頭を私にこすりつけてくる。猫というか、犬というか、なんだろう。かわいいからいっか!
そうして自己完結していると、ふとれんちゃんが顔を上げた。
「えへへ。おねえちゃん」
「ん?」
「うしろ」
いたずらっぽく笑うれんちゃんもかわいいなあ。そう思いながら振り返ると、
『なにこの距離感近すぎる姉妹』
『てえてえ』
『なんだこの……なんだこの……。なんだこれ』
お前がなんだよ。いや待って、もしかしなくても配信中ですかこれ!?
「え、れんちゃん、いつの間に……?」
「さいしょから!」
なんと。
「えへへ。いたずらしちゃった」
「そっかー。いたずらしちゃったかー」
私がれんちゃんの喉元をこちょこちょすると、気持ち良さそうに目を細める。猫だね。
それにしても、れんちゃんは気付いてるのかな。
「れんちゃんを自慢したい私にとっては一切困ったことにならないんだけどね」
「んー?」
「むしろもっと見るがいい! 私の妹はかわいいでしょ!」
『全面的に同意する』
『かわいいが過ぎる』
『甘えるれんちゃんも甘やかすミレイもかわいかったよ』
あら。私までかわいいとか。なるほど。
「私までかわいいとか、お目々節穴ですか? 頭大丈夫?」
『辛辣ぅ!』
『褒めたら正気を疑われるのかw』
『いやでも、言うとは思ってたw』
あっはっは。私のことも理解してきたみたいだね。
でもそんな私の言葉は、れんちゃんには不満だったみたい。頬を膨らませて、じっと私を見つめてきた。不満ですアピールらしい。ぷすぷすしておこう。
「おねえちゃん?」
「あ、ごめん。やりたくなっちゃった」
『わかる』
『わかるが、時と場合を考えろw』
ごめんね、と頭を撫でてあげたら、れんちゃんが言う。
「おねえちゃん、かわいいもん」
「そうだねありがとうでもれんちゃんの方がかわいいなあ!」
「わぷ」
嬉しいこと言ってくれちゃって! もう大好き! 抱きしめる!
「わたしもお姉ちゃんのことすきー」
なんと、抱きしめ返してくれた。嬉しすぎる。
んー……。いたずら、とは言ってたけど、甘えたかったのは事実かもしれないね。
よしよし、今日はしっかりと甘やかせてあげよう。
『俺たちは、何を見せられているんだ……?』
『てえてえ』
『ミレイが慣れてるから、たまにあることなんだろうな』
『そうだよな、れんちゃんまだ七歳か八歳だもんな……』
『仲良し姉妹は見ていて幸せになれる』
『でもこれ、配信切らなくていいのか……?』
『本人たちが気にしてないならいいんじゃないかな』
『むしろ切らないでくださいお願いします』
壁|w・)1万ポイントが嬉しすぎて勢いで書きました。
誰かが、もっと仲良くしてる姉妹が見たい、と言ってたのでやってみた。
というわけで、1万ポイント突破です。
お読みいただいている皆様に感謝を。本当にありがとうございます。
山もなければ谷もない、幼女がもふもふをもふもふしているだけのお話ではありますが、今後ともお付き合いくださればと思います。
本編は朝6時更新です。
本編と番外編の違いが分からない?
大丈夫だ、私も分からない。
誤字脱字の報告、感想などいただければ嬉しいです。
ではでは。






