不思議な遊び
「おねえちゃん」
「ん?」
「はい!」
渡されたのは、この……。なんだこのぬいぐるみ!?
「え、なにこれ。何の動物……いや動物なのかこれ……?」
『なんだその謎生物』
『ゆるキャラってやつやな。多分』
『なんだろう……えっと……、なんだそれ……』
なんだろう。スライムっぽいような、そうでもないような。有名なゲームのスライムみたいな感じじゃなくて、アメーバみたいなスライムだ。それのぬいぐるみ。いや本当になにこれ。
れんちゃんが持ったのは、わんこのぬいぐるみだ。それを頭に載せて満足そうにしてる。
「かわいいけど……かわいいけど……! 私はどうすればいいんだ……!」
『ばかやろう、れんちゃんの姉ならそれぐらい察してやれよ!』
『それはともかくれんちゃんはかわいいなあ』
『何も気にせず見れる視聴者で良かったよ』
「私は視聴者さんと違ってれんちゃんをぎゅっとできるけどね」
『前言撤回、殺意がわきました』
「怖いよ」
とりあえず、仮称アメーバのぬいぐるみを頭に載せてみる。これは……なかなかのぴったりフィット。アメーバさんは帽子だった?
『違うぞ』
『いや待て、ミレイなら正しいのでは?』
『ミレイは頭アメーバだからな!』
「うるさいよ」
ていうかバカにされてるかどうかも分かりにくいからやめてほしい。褒められてないことは確実だけど。
「おねえちゃん、これ!」
「うん……?」
次に渡されたのは、イルカのぬいぐるみだ。これも頭に載せればいいのかな?
れんちゃんを見ると、猫のぬいぐるみを頭の犬の上に載せていた。無駄に器用。いやれんちゃんがやることに無駄なんてないから何言ってるんだ私は。
ともかく。私も載せよう。よいしょ。
「これでいい?」
れんちゃんに聞いてみると、にこにこと笑っていた。まあ、うん。良しとしよう。
れんちゃんは満足したみたいで、ぬいぐるみをゆっくり頭から下ろしていってる。下ろしながら、わんこのぬいぐるみを抱きしめてもふもふして、そのわんこぬいぐるみのお腹に顔をうずめた。もふもふを堪能してるみたい。
「もふもふ……」
れんちゃんはとっても幸せそう。これが本当のわんこだったら、わんこの匂いを嗅いだりなんてこともあるかもだけど、ぬいぐるみだからね。
「ひらめいた。リアルなわんこの匂いのあるぬいぐるみを作ればれんちゃんも喜ぶのでは……?」
『おいばかやめろ』
『決して良い香りってわけじゃないからな?』
『犬から始まり、ぬいぐるみの動物の全てに香りをつけていくわけですね』
『病室がすさまじいことになるぞw』
想像して吐き気がしそうになった。いや、絶対にやばいことになると思う。れんちゃんでも微妙な顔をするかも。何よりさすがに病院側に本気で怒られそうだからやめておこう。
「ところでれんちゃんがぬいぐるみを抱えてころころしているのですが」
『かわいい』
『ころころれんちゃん』
ころころれんちゃんは私にぶつかると、上目遣いで見てきて、ふにゃっと笑った。なんだこのかわいい生き物。好き。
「ふへ……うえへへへ……」
「うわあ……」
『笑顔から一瞬で引かれてて草』
『露骨に距離を取られてるw』
『ミレイ気付けれんちゃんが素に戻ってるぞ』
おっと……。せっかくれんちゃんが甘えてきてくれたのに、台無しになっちゃうところだった。
「ほらほら、おいでれんちゃん。もふもふしよう?」
「…………。おねえちゃんがわたしをもふもふ?」
「うん!」
『全力で肯定するなw』
『そこは嘘でも違うと言えよw』
「私がれんちゃんに嘘なんてつけるわけないだろうが!」
『なんでそこだけ真面目なんだよw』
れんちゃんがかわいいからだよ!
れんちゃんはむう、と頬を膨らませていたけど、近づいてだっこさせてくれた。れんちゃんを抱きしめて、ゆっくりと撫でてあげる。私がいなくても看護師さんが手入れしてくれてるみたいで、れんちゃんの髪はいつもふわふわだ。
「おねえちゃん」
「ん?」
「今日はお泊まり?」
「明日も学校だからね……。週末は泊まるね」
「うん!」
『お泊まりじゃないって分かった時のしょんぼりからの週末お泊まりの笑顔で死にそう』
『れんちゃんがとっても嬉しそうで俺も嬉しいです』
『あああれんちゃんかわいいよおおおくんかくんかしたいよおおお!』
『まずいぞ錯乱兵だ! ほっとこう』
『ついに衛生兵を呼ぶことすらなくなったかw』
今日はなんだか甘えんぼモードになってるね。もぞもぞ動いて、私の太ももの上に頭をのせてきた。すりすりしてきてる。ちょっとくすぐったいけど、やりたいようにさせてあげよう。
「れんちゃん、もしかしてちょっと眠い?」
「んーん」
「ほんとかな?」
「んー!」
私の太ももに顔を押しつけてふがふが言ってる。何を言ってるのかさすがに分からないけど、かわいいので問題なしです。なでなでしてあげよう。なでなで。
『なんだこの幸せ空間』
『れんちゃんにも甘えたい時ぐらいあるよね』
『むしろ毎日甘えてほしい、ずっと見ていられる』
『むしろ俺が甘えさせてあげたい』
『何言ってんだお前』
『ちょっと……頭を冷やそうか……』
「そして死ね」
『さーせんwww』
れんちゃんを甘やかすのはお姉ちゃんの特権なのです。
ん? あれ、れんちゃん本当に寝ちゃってる。すやすや寝息を立ててる。それもまたかわいい。
「れんちゃんが寝ちゃったので、配信はここまで。次はまた明日だよ」
『そんな!』
『れんちゃんの寝息配信お願いします!』
「仕方ないなあ……」
れんちゃんが起きるまでなら、いいかな。
れんちゃんの頭を撫でながら、私ものんびりするとしよう。
明日はアップデートの初日だし、何しようかな。計画だけしておこう。
壁|w・)れんちゃんが何をしたかったのか、それは私にも分からない……。
更新が遅れてしまい、申し訳ありません。
リアルがとても忙しく、どうしても時間が取れなくて……、なんてこともなく。
単純に忘れていました。なんなら先週更新できるはずでした。ごめんなさい。
来週は年末年始で忙しいので、次回更新は新年5日となります。忘れていなければ……。
それでは皆様、良いお年を。






