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配信七十五回目:釣り あんど もふもふ


 れんちゃんのホームの、池。ちょっとだけ広くなった池に、新しい住人が加わった。ラッコたちにまざって、アザラシたち。なんだろう、この癒やし空間。

 さて。今日は新しい家族のアザラシと遊ぼう!

 ……家族どれだけいるんだ、という突っ込みは受け付けない。正直私も把握してない。多分れんちゃんなら覚えてそうだけど。




『お、配信はじまた』

『ミレイがまたいないんだが』

『てか誰もいない』

『ラッコとアザラシは大量にいるけどw』

『信じられるか? こいつら全部テイムモンスなんだぜ』


『こんなに大量にテイムできるわけwww』

『なってるんだよなあ』

『あ、れんちゃんいた!』

『小さいラッコと小さいアザラシを抱きしめてご満悦なれんちゃん』

『かわいい』

『とても、かわいい』


「うえへへへ……」


『気持ち悪い笑い声だけが聞こえてきたんだが』


 気持ち悪いとは失礼な。


「今日はまったり配信です。私はのんびり日光浴してるので、アザラシあんどラッコと遊ぶれんちゃんをのんびり見守りやがってください」


『お口わるわる』

『何もやる気なし?』


「んー……。釣りでもしてみる?」


『まさかのw』


 私はもふもふれんちゃんが見れれば満足だからね。釣りでもしながら見守ろう。

 池の側に行って、インベントリから椅子を取り出す。キャンプとかで使う折りたたみの椅子だ。これ好きなんだよね。なんか、アウトドアで遊んでる気がして。


 椅子に座って、一息。……なんか、れんちゃんがすごくこっちを見てる。アザラシのお手々を握ってふるふるしてる。手を振ってくれてる。振り返しておこう。

 れんちゃんが笑顔になりました。


「お手々を握ってふりふりしてくるの、かわいいよね」


『わかる』

『コンビニでバイトしてたら、お母さんが小さい子の手を握って振ってくるけど、ちょっと和む』

『お前のバイト先いいなあ』


 コンビニバイトってお店でかなり差があるらしいね。私は、今のところやるつもりはないけど。れんちゃんとの時間が減っちゃうもの。

 エサを取り付けて、竿を振る。うん、いい感じに飛んだ。


『すっげえ手慣れてる感』

『俺分かる。ミレイの趣味に釣りがあるな!』


「え。スキルの自動モーションだけど」


『草』

『これは恥ずかしいwww』

『十秒前の自分を殴り殺したい……』


 スキルさえあれば、ある程度は自動でやってくれるからね。もともと趣味にしてる人はスキルに頼らないらしいけど。


「ちなみにホームの池って何か釣れるの?」


『ファトスと同じものが釣れるぞ』

『ファトスの池でやりたくない、一人でのんびりやりたいって人にはオススメ』

『まあ水関係のモンスをテイムしないといけない上に自動拡張入れてないと出てこないけどな!』

『地味に厳しいw』


 課金者の特権ってやつだね。これぐらいの優遇はされてもいいと思うけど。

 のんびりと釣り糸を眺めて、れんちゃんを見て。それを交互にしていたら、なんだかれんちゃんがちょっとずつ近づいてきてるのが分かった。


「あれ……?」


『お気づきになりましたか』

『少しずつ、ミレイの視線が外れた瞬間に近づいてきてるぞ』

『ちらちらミレイの様子を窺うれんちゃんかわええ』


 ふむう。なら試しに、見ないようにしてみよう。

 れんちゃんから視線を外して、釣りに集中。何かしてくるのかな……?

 うん。うん。なんか、もふもふが足の上に乗ってきた。


「れんちゃん、何やってるの……?」

「ラッコさん! かわいい?」

「うん。かわいいけど」


 つぶらな瞳で小さなラッコが見つめてくる。なにこれかわいい。

 少しの間ラッコと見つめ合ってたら、れんちゃんがラッコを下ろしてしまった。そして次はアザラシ。


「アザラシもかわいいよね。もふもふ……」


 アザラシを撫でてあげると、気持ち良さそうに目を細めてくれる。本当に、かわいい。

 そしてまた、れんちゃんの手によってアザラシも下ろされた。次は何を……。

 れんちゃんが。乗ってきた。


「よいしょ……。えへへ……」

「…………」


『まずい! ミレイの意識が!』

『衛生兵! 衛生兵!』

『いっそ一度殺した方がまともになるのでは?』

『なるほど』

『なるほどじゃないが』


 はっ! あぶないあぶない、幸せ過ぎて意識が飛びかけたよ。


「れんちゃん、どうしたの?」

「んー……。ひとりじめ!」

「う、うん」


 なにこのかわいい子。誰の子だ。私の妹だ。どうだ私の妹はかわいいだろう。


「うえへへへ……」


『今日はよくうへるな……』

『ある意味平常運転です』

『でもくっそ羨ましい』

『まさに姉の特権だな。それはともかく羨ましい』


 ふふん。私の妹はかわいいのだ!

 れんちゃんは私の膝の上で足をぷらぷらさせてたけど、アザラシを手招きして抱き上げた。その後私にもたれかかってくる。やばいどうしようすごく幸せ。


「とりあえずぎゅー」

「んー?」


 不思議そうにしてたけど、れんちゃんは受け入れてくれた。さすが私の女神。

 うん。うん。今日はすごくいい日です。ここが私の理想郷……。

 その後はのんびりと、終わりの時間まで釣りをしながられんちゃんを抱きしめてました。至福。




『二時間近く釣り糸を垂らして釣果がゼロの件について』

『こんなことってあるの?』

『釣りの才能は壊滅的ってことだな!』

『今度から釣りをしてるミレイを見かけても側でやらないようにしよう』

『いや、むしろミレイの側ならその分が釣れるのでは!?』

『お前天才か!? ミレイ一緒に釣りしようぜ!』

『いやむしろ俺と!』

『いやいや私と!』


「うるさいよ……!」

 少し気にしてるんだからほっとけバカ!


壁|w・)のんびり回。……あれ? いつものんびり回では?

レビューをいただきました! ありがとうございます……!


Q.きぐるみの性能は?

A.きぐるみは性能よりスピードと着心地重視なので、防具としての性能は控えめです。

 普段着&防寒着は頭おかしい性能です。



面白い、続きが読みたい、と思っていただけたのなら、ブックマーク登録や、下の☆でポイント評価をいただけると嬉しいです。

書く意欲に繋がりますので、是非是非お願いします。

ではでは!

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― 新着の感想 ―
[一言] 着ぐるみの性能は 暖かい(笑) もふもふしてる(笑) 動きづらいww
[良い点] れんちゃんがとにかくかわいい(*´ω`*) [一言] ミレイ、どうせれんちゃんが膝に乗った瞬間から釣りざおの事なんて忘れてれんちゃん成分補充ばっかしてたんだろ? お見通しだぞ? あと俺ら…
[良い点] ホッコリする(*≧∀≦*) [一言] れんちゃんかわいいやったー\(*≧∀≦*)/
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