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配信六十六回目:こんにゃあ


 気分良く鼻歌を歌いながら、れんはケサランパサランたちが住む大穴に歩いてきました。少し後ろではお姉ちゃんとアリスさんが何かお話ししています。お姉ちゃんとアリスさんは仲良しさんです。お話しも、リアルのことかもしれません。


「ケサランパサランと遊ぶ真っ白毛玉なれんちゃん。どう?」

「いいよ。すごくいいよアリス。見たい!」


 少し歩くと、大穴にたどり着きました。見た目だとちょっと分かりにくいですが、しっかりと見ると何となく境目があるのが分かります。その大穴に手を入れると、何匹かのケサランパサランがふわふわとれんの周囲に集まってきました。


「わわ……。えへへ。こんにちは」


 ケサランパサランをちょんちょんとつついて挨拶します。ケサランパサランは喋ることはありませんが、上下にふわっと動いて返事をしてくれました。

 頭の上のラッキーを地面に下ろします。するとラッキーは、漂ってきたケサランパサランたちを前足でちょんちょん叩き始めました。ラッキーがちょんとたたくと、ケサランパサランがぽとっと落ちてしまいます。でもすぐに浮かび上がると、またラッキーの方へと寄っていきます。その繰り返しです。


 そうして遊ぶ二匹がとってもかわいくて、それを見てるだけでれんはにこにこ嬉しくなります。みんな仲良しさんが一番なのです。

 ではでは。れんも遊ぶことにします。


「入っていい?」


 ケサランパサランたちに問いかけると、ゆらゆらとケサランパサランたちが揺れました。肯定、のはずです。むしろ今のところだめという返事を見たことがないのですが。


「おねえちゃん! いってくるね!」

「はーい。配信してるねー」

「気をつけてね、れんちゃん」


 手を振ってくれるお姉ちゃんたちに手を振り返して、れんは穴に向き直りました。


「とお!」


 ケサランパサランの穴に飛び込みます。全身に感じるもふもふ。一瞬沈んだかと思うと、れんの体はゆっくりと浮き上がります。ケサランパサランたちが支えてくれているのでしょう。レジェに抱きついた時とはまた違ったもふもふです。もふもふふわふわです。もふわもふわなのです。つまりもふわー。

 仰向けになって、ふわふわ漂います。とっても気持ちいいのです。

 れんがふんにゃり笑っていると、光球が側まで飛んできました。れんの追尾に設定されたみたいです。文字の流れる板も一緒でした。


「こんにゃあ」


 へんにゃり笑いながら挨拶します。なんだか変な声になりました。


『こんにゃあ』

『こんにゃあwww』

『れんちゃんがとろけてるw』


 ふんわりふわふわ。お空の上にいるみたいです。


『おや? ラッキーはいないの?』

『れんちゃんの頭はもふもふに包まれちゃってるけど』

「ラッキーはあっち」


 お姉ちゃんたちの方を指差します。光球もそちらを向いたのでれんもそっちを見ました。

 ラッキーはお姉ちゃんに抱かれていました。相変わらずケサランパサランをぺしぺしやってます。ケサランパサランもやっぱりラッキーに向かっています。ラッキーと遊ぶケサランパサランの数が増えた気がします。やっぱり楽しいのでしょう。


『ラッキーはあれなにやってんだw』

『おもちゃで遊ぶ子犬だな』

『信じられるか? あの子犬、狼なんだぜ』

『わりとマジで忘れてたわwww』


 そうなのです。ラッキーは狼さんなのです。あおーん。


「あおーん」


『れんちゃん何やってんのw』

『ラッキーも吠えてるしw』


 ラッキーのかわいい鳴き声が聞こえます。かわいいです。ラッキーが恋しくなってきました。そろそろ戻ろうかな?

 れんがそう考え始めていると、足音のようなたくさんの音が聞こえてきました。何でしょう。


『ミレイたちの方から何か来てない?』

『来てますねえ』

『どう見てもウルフたちです』


「んー……。みんな来ちゃったの?」


『そうみたいだぞ』


 そうらしいです。どうしたのでしょう。でも、みんなが来ちゃったのなら、れんも戻ることにします。

 ケサランパサランたちに戻りたいと伝えると、ふわりとれんの体がさらに浮き上がりました。なんと、空を飛んでいます。地面が少し離れた場所にあります。たくさんのケサランパサランたちが支えてくれているようでした。


「わあ……」


 ちょっとびっくりです。うつぶせになって、きょろきょろと見回します。お姉ちゃんたちの方を見ると、お姉ちゃんもアリスさんもまん丸なお目々をしていました。手を振ると、お姉ちゃんが苦笑いで手を振り返してくれました。


『ケサランパサランって空飛べるの!?』

『落ち着け、普段から飛んで……、いやあれは漂ってるだけか……?』

『まさか飛行手段になるとはおもわんかったw』

『さすがに高度は低いみたいだけど』


 高さは、ディアに乗っている時と同じぐらいでしょうか。そう思っていると、ディアがお姉ちゃんの側にいました。尻尾をぶんぶんと振っていて、とってもかわいいです。遊んであげたいと思っちゃいます。今日はお出かけの用事もないので、ディアたちとも遊びましょう。

 ふわふわと移動してお姉ちゃんの前へ。


「ただいまー」


 お姉ちゃんに両手を差し出します。お姉ちゃんは笑いながら、れんを抱き上げてくれました。


「おかえり、れんちゃん。楽しかった?」

「もふもふでふわふわでにゃあ! だった!」

「あははー。そっかそっか」


 お姉ちゃんは笑いながら、れんの頭を撫でてくれました。とても気持ちいいのです。


   ・・・・・


壁|w・)こんにゃあ。



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[良い点] こんにゃあ(*‘ω‘ *) [一言] >「ケサランパサランと遊ぶ真っ白毛玉なれんちゃん。どう?」 >「いいよ。すごくいいよアリス。見たい!」 見たい! 見たい!! 見たい!!! 大事な…
[良い点] もふもふでふわふわでにゃあ! だった! [一言] こんにゃあ!
[一言] こんにゃあ!
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