リオのママと仲間達
今夜リオの店で
# リオの店
ままぁー寂しいんだよ~
あらっまた来たわ(店の若い女の子)
はいはい ママに任せて
マ マ登場~❣ニコッ
ままぁ~虚しいんだよー
カウンターのママの手を取る
その手にママはもう一方の手を重ねる
男は更に手を重ね、二人はしばし手を取り合う
ママは、潤んだ瞳で、男は甘えた眼差しで見つ
め合う
少し離れたところでは、店の女の子達が、何か
関係ない事を、楽しそうに話している
店内には何か温かいものが漂う
# 日記
男はしばらく飲んでから、少し席をづらし、
一人になってせっせと何か書いている
あらっお勉強? 何書いてるの?
うん…日記だよ
ふーん
# 独白
いつも朝見かける、うら若き謎の訳ありげな清
掃美女も、いつの間にか大きなお腹で仕事をし
ていて、もはや僕の淡い夢もズタズタですさ
家の彼女の腰に手を回せば、余計な肉がついて
、おい、少し太ったんじゃないかと言えば、す
かさず、あらっあなたのこのこめかみのところ
、出来てるの何、もしかしてそれシミ? とああ
言えばこう言う
なんだかなぁ…
ロマンが無いんだよロマンが…
あらっ漫画みたいな顔して、よく言うわ可笑し
わ
いわよ
そんな事言ってないで、さっさと稼いで来て、
とっとと出勤して下さいな
チキショウ…
どっかにどっかに夢が、どっかにロマンが…
と、俺の魂の彷徨いに、何かを勘付かれたか、
夫に先立たれた風のえらく歳を重ねた、派手目
の女性がこちらを見ている
危ない危ない
危うくロックオンされるところだった
さっ早くかえろ……
くだらないわこの文章…
そうか
そうよ、なんの益もないわよ
人生にも、世の中にも
こんな事しか考えられないのね
きついよ
お前は何考えてるんだよ
私は、いいのよ
あなたの事よ
さぁ明日も仕事があるんだから、早くお風呂入
って寝たら
お前に言われなくても寝るよ
疲れてるんだから
じゃな
# 店の外へ
ここまで書いて筆を置いた
グラスの氷がカタッと小さい音をたてた
さっき、一億円入っていると店の女の子に冗談
を言って渡した鞄をうけとり、ママにバイバイ
して、男はドアへ向かった
外へ出ると、思わぬ満天の星が綺麗だった
# サトミちゃん
いつものようにママがカウンターで常連客と、
優しく明るく手を取り合っている横で、口元が
人気のサトミちゃんが、最近来て下さるように
なった男のお客様に、何やら怒っている
いきなり、サトミちゃんが、相手の頬を平手で
叩いた
「あっ!!」
ママは慌てて
「サトミちゃんどうしたの!」
「申し訳ございません」
「サトミちゃん」
「だって………」
サトミちゃんは、半泣きしている
男性の頬は、赤くなっている
# 店模様
新しいお客様がいらしたかと思ったら、地下喫
茶イチロウの店のイチロウくんだった
[あららっイチロウどうしたのぅ?]
「あっはい
出前のご注文頂きまして…」
[あっ こっちこっち…僕ナポリタンね…
はいママには大盛り焼きそば!プレゼント!]
[あらぁ!ありがとう❣]
横ではサトミちゃんが、さっきの男性客の頬を
氷水で冷やしていた
[大丈夫?ごめんなさいね…いたい…?…]
[うん…大丈夫だよ…」
男性客は心なしか甘えて見える
# リオの店
[わっ焼きそば 豚肉たくさん入ってる❣
紅ショウガも 嬉しいわ❣]
[あらっ サトミちゃんとあのお客さん、またケ
ンカしてる]
[ナニするんだよ!]
[これこれサトミちゃん やめなさい!]
[申し訳ございません お客様 サトミちゃん膨れて
ないで][もうほんとにすみません]
[ママちょっと口紅なおしてくるわ…]
[ごめんなさいね お客様…]
「ほんとこの店賑やかだな…]
# リオの店の夜は更けて
[おまたせー❣ ママまた綺麗になって
登場~~~]
[今夜は日記は書かないの?]
「毎日、同じ事でかくことないんだょ」
[あらっいい事じゃない 平和で安定してるのよ
いい事だわー]
「そんな事ないよ!!…」
[あらっ…何泣いてるの!…]
サトミちゃんは
……痛かった~? 痛かったでしょ⤵
ごめんなさい⤵
手の甲に優しく絆創膏を貼ってあげてる
「そうでもないよ…」
仲良さそうに頭を寄せ合っている
[やれやれ…どういう事あの二人…]
[あっお客さん泣かないで…もう…そんなに泣
かないの!…]
# 男のおみやげ
帰り道
星屑をたくさん拾い集めて
帰ろ
そして
君におみやげにしよう
待っていてね
僕の帰りを
そして
笑顔で受け取ってね
僕の思いを
# バイバイ
「ママ、今日は、詩をかいてみたよ」
[あら、なかなか可愛らしくて素敵よ❣
]
[今夜も満天の星空だから、たくさん集めて帰
ってね]
「また明日❣]
# ママの思い出
今日の演奏良かっただろう
[ええ…]
あんまり良くなかったか?
[いえ…とても素敵だった
でも、あなたはそんな事言わないと思うけど、
お前に何がわかるよって言われそうで]
前の男にだいぶいじめられたんだな
でも、そいつ、拗ねてたのかも知れないよ
[どうしたらよかったの?]
どうしようもないさ
別れる運命だったんだよ
お陰で逢えた
広い肩で視界が遮られ、
そのまま、すっぽり包まれた
サラサラ
えっ!!これ、ママの思い出なの⁉
# リオのママ
「そうよ」
# サングラス
あらっ
カウンターにサングラス
ママ、お客様の忘れものよ
さっきのお客様ね
サングラスってそこにあるだけで雰囲気あるわ
ね
あらん レイバンのアビエーター
また来て下さるわね
明日もリオの店で