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リオの店  作者: コココ
1/5

リオのママと仲間達

今夜リオの店で

# リオの店


ままぁー寂しいんだよ~


あらっまた来たわ(店の若い女の子)


はいはい ママに任せて


マ マ登場~❣ニコッ


ままぁ~虚しいんだよー


カウンターのママの手を取る


その手にママはもう一方の手を重ねる


男は更に手を重ね、二人はしばし手を取り合う


ママは、潤んだ瞳で、男は甘えた眼差しで見つ


め合う


少し離れたところでは、店の女の子達が、何か


関係ない事を、楽しそうに話している


店内には何か温かいものが漂う



# 日記


男はしばらく飲んでから、少し席をづらし、


一人になってせっせと何か書いている


あらっお勉強? 何書いてるの?


うん…日記だよ


ふーん



# 独白


いつも朝見かける、うら若き謎の訳ありげな清


掃美女も、いつの間にか大きなお腹で仕事をし


ていて、もはや僕の淡い夢もズタズタですさ


家の彼女の腰に手を回せば、余計な肉がついて


、おい、少し太ったんじゃないかと言えば、す


かさず、あらっあなたのこのこめかみのところ


、出来てるの何、もしかしてそれシミ? とああ


言えばこう言う


なんだかなぁ…


ロマンが無いんだよロマンが…


あらっ漫画みたいな顔して、よく言うわ可笑し

いわよ


そんな事言ってないで、さっさと稼いで来て、


とっとと出勤して下さいな


チキショウ…


どっかにどっかに夢が、どっかにロマンが…


と、俺の魂の彷徨いに、何かを勘付かれたか、


夫に先立たれた風のえらく歳を重ねた、派手目


の女性がこちらを見ている


危ない危ない


危うくロックオンされるところだった


さっ早くかえろ……


くだらないわこの文章…


そうか


そうよ、なんの益もないわよ


人生にも、世の中にも


こんな事しか考えられないのね


きついよ


お前は何考えてるんだよ


私は、いいのよ


あなたの事よ


さぁ明日も仕事があるんだから、早くお風呂入


って寝たら


お前に言われなくても寝るよ


疲れてるんだから


じゃな



# 店の外へ


ここまで書いて筆を置いた


グラスの氷がカタッと小さい音をたてた


さっき、一億円入っていると店の女の子に冗談


を言って渡した鞄をうけとり、ママにバイバイ


して、男はドアへ向かった


外へ出ると、思わぬ満天の星が綺麗だった



# サトミちゃん


いつものようにママがカウンターで常連客と、


優しく明るく手を取り合っている横で、口元が


人気のサトミちゃんが、最近来て下さるように


なった男のお客様に、何やら怒っている


いきなり、サトミちゃんが、相手の頬を平手で


叩いた


「あっ!!」


ママは慌てて


「サトミちゃんどうしたの!」


「申し訳ございません」


「サトミちゃん」


「だって………」


サトミちゃんは、半泣きしている


男性の頬は、赤くなっている



# 店模様


新しいお客様がいらしたかと思ったら、地下喫


茶イチロウの店のイチロウくんだった


[あららっイチロウどうしたのぅ?]


「あっはい


出前のご注文頂きまして…」


[あっ こっちこっち…僕ナポリタンね…


はいママには大盛り焼きそば!プレゼント!]


[あらぁ!ありがとう❣]


横ではサトミちゃんが、さっきの男性客の頬を


氷水で冷やしていた


[大丈夫?ごめんなさいね…いたい…?…]


[うん…大丈夫だよ…」


男性客は心なしか甘えて見える



# リオの店


[わっ焼きそば 豚肉たくさん入ってる❣


紅ショウガも 嬉しいわ❣]


[あらっ サトミちゃんとあのお客さん、またケ


ンカしてる]


[ナニするんだよ!]


[これこれサトミちゃん やめなさい!]


[申し訳ございません お客様 サトミちゃん膨れて


ないで][もうほんとにすみません]


[ママちょっと口紅なおしてくるわ…]


[ごめんなさいね お客様…]


「ほんとこの店賑やかだな…]



# リオの店の夜は更けて


[おまたせー❣ ママまた綺麗になって


登場~~~]


[今夜は日記は書かないの?]


「毎日、同じ事でかくことないんだょ」


[あらっいい事じゃない 平和で安定してるのよ


いい事だわー]


「そんな事ないよ!!…」


[あらっ…何泣いてるの!…]


サトミちゃんは


……痛かった~? 痛かったでしょ⤵


ごめんなさい⤵


手の甲に優しく絆創膏を貼ってあげてる


「そうでもないよ…」


仲良さそうに頭を寄せ合っている


[やれやれ…どういう事あの二人…]


[あっお客さん泣かないで…もう…そんなに泣


かないの!…]



# 男のおみやげ


帰り道

星屑をたくさん拾い集めて

帰ろ

そして

君におみやげにしよう

待っていてね

僕の帰りを

そして

笑顔で受け取ってね

僕の思いを


# バイバイ


「ママ、今日は、詩をかいてみたよ」


[あら、なかなか可愛らしくて素敵よ❣



[今夜も満天の星空だから、たくさん集めて帰


ってね]


「また明日❣]



# ママの思い出

今日の演奏良かっただろう


[ええ…]


あんまり良くなかったか?


[いえ…とても素敵だった


でも、あなたはそんな事言わないと思うけど、


お前に何がわかるよって言われそうで]


前の男にだいぶいじめられたんだな


でも、そいつ、拗ねてたのかも知れないよ


[どうしたらよかったの?]


どうしようもないさ


別れる運命だったんだよ


お陰で逢えた


広い肩で視界が遮られ、


そのまま、すっぽり包まれた


サラサラ


えっ!!これ、ママの思い出なの⁉



# リオのママ


「そうよ」


# サングラス


あらっ


カウンターにサングラス


ママ、お客様の忘れものよ


さっきのお客様ね


サングラスってそこにあるだけで雰囲気あるわ



あらん レイバンのアビエーター


また来て下さるわね


明日もリオの店で

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