なんたらかんたら when I was s chaild
子供だった頃、冬の空を氷山と言った。
子供だった頃、ピラミッドの上で寝っ転がって「煮干ごっこ」と名付けて寝た。
子供だった頃、私はママ役、あなたもママ役。「じゃあ、俺らはみんな赤ちゃん役!」と言って、ままごとをした。
子供だった頃、歌う度に吹き荒ぶ秋風に妖精がいると信じた。
子供だった頃、クリスマスの夜に起きたらサンタが見え喜んだ。
子供だった頃、林は森に見え、森の中には神がいた。
私は、永遠に子供でありたかった。
なにも知りたくなかった。
子供だった頃、空が青いのも夢の仕組みも有象無象の有無すら知らなかった。
子供だった頃、大人になるのは素晴らしいことだと思った。
大人に近づいた今、夢は夢であり、幻想は幻想だと馬鹿にされ、輝いていた世界は数式や科学で埋め尽くされ、何も無くなった。
子供だった頃、大人に近づいた今を知らないでいて欲しい。
大人に近づいた今、子供だった頃を羨まないで欲しい。
子供だった頃と変わらず太陽は上り、空は青く、夢を見るのは自由なのだから、大人に近づいた今の私は上を向くことを忘れないで欲しい