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9、フレイお姉さんの特別な一日。

今回はフレイお姉さん視点を描いております。




私の名前はフレイ・キャランド。

ラフレシアという街のギルドで受付嬢をしています。

ギルド登録が初めての方の受付や魔物の鑑定等行うのが私の仕事です。

実は……魔物オタクと言われていたりします。

魔物が好きなんです。

そんな私の所へ1人の赤い目をした男の子が。


「すみません、登録を。」


いつも通りの対応をする。


「はい。ご登録ですね。えっと……あの……すみませんが……貴方は何歳ですか?」


年齢は必ず聞かなければならない決まりがある。

万外一、子供が冒険者になって死人が出てはいけないからだ。

そして、彼から驚く年齢が出てきた。


「10歳です。」


「じゅ……10歳?!」


思わずそう言ってしまった。

14歳くらいだと思っていたからだ。


「何か問題が?」


「あ、あの……」


まさか、10歳だとは思いもしなくて……オドオドしてしまう。そんな時、冒険者の1人である男性がその子に突っかかった。


「おいおい、チビ助。お前みたいなガキが冒険者なんて出来るわけがねぇだろ。わざわざ、命を危険に晒すようなことするんじゃねぇ。それに、子供がこんな所へ来ていいはずがねぇ!!」


ど、どうしよう……!?喧嘩に?!

あくまで冷静に聞き返す男の子。


「魔物が危険だからダメなのか?」


「それもあるが……ギルドが実力もない奴を登録する事はまずない。大人ならまだしも、チビ助みたいな子供にはな。」


「ふぅん、なら。実力を見せれば良いんだよな。 」


わぁ……迫力がある…………。

こっちが萎縮されるような……。


「……お、おう……」


オドっとした返事をする冒険者さん。

そんな実況中継みたいな事を脳内でしている私に男の子はこう言った。


「ギルドの可愛いお姉さん。」


「へ?!///か、可愛いお姉さん?!って私のことですか……?!?!」


耳を疑った。この方、生まれてきて16年経つけれどそんな事を言われたことが無い私は動揺してしまう。


「他に誰がいるわけ?それより、実力を見せれば俺も冒険者として認めてくれるんだよな?」


そして、サラッと肯定。

何なんですか!この男の子!////

話の本題に入った彼。実力を見せてもらえれば冒険者に登録は可能だ。なので、返事をする。


「は、はいっ……!!」


「分かった。なら、”アレ”を見せる。ただし、ここには入らないから外で出す。いい?」


「え、あ、はい……。あれとはなんでしょう?」


アレって何?何を見せる気なの?


「まぁ、見てみたら分かるよ。じゃあ来てくれる?可愛いお姉さん。」


ま、また可愛いって……!////落ち着け!相手は6歳歳下なんだから!


「ふぇっ!////あ、あ、はいっ……!!」


そうして、男の子と共にギルドの隣にある広場へ。私だけでなく、ギルドの中にいた冒険者と街の外にいた人達も何事だと集まってきていた。

そして、彼は私にこう告げる。


「お姉さん、ここで出すね。」


「は、はい……。」


本当に何を出すんだろう……。

そして、彼が何処からか一瞬にして魔物出した。

私はそれを見て、固まった。

嘘でしょ?!あ、あの魔物の……しかもこんなに大っきいイノキシ……!!!!!

もう興奮だ。このイノキシに出会えた喜びにプルプルと肩が震えている私。


「す、凄いです……!!!」


私はまず第一声はこれだ。ただ、凄いだけでは言い表せれない……この他に最上級の言葉が見つかればいいが、ない。


「こんなに、大きいイノキシを見れるとは!!有り得ません!!このギルドに務めてこんなに立派なものを見たのは初めてです!!恐らく、この魔物の推定ランクはA!!冒険者数人でも苦労するでしょう……!!ただ焼けているせいでとてもいい匂いがしますが、素材には使えませんね……惜しい……。本当に君がこのイノキシを?!」


興奮マックスだ。


「あぁ、勿論。」


彼は、そうだとハッキリ答えた。

嘘を言っているように見えない。そんな彼に街の人達は


「こんなバケモン、こんなちっこい野郎が倒せるわけねぇだろ!!」


「ありえねぇ!」


「どっかから、パクったんだろ!!」


「それか、横取りしたんだ!!」


「それに、コイツどっから取り出したんだ!?」


ちっこいと罵倒しているのはギルドの中にいて彼の年齢を知っている人で。

実際…彼は、10歳に見えない身長の高さだ。

大人ではないけど少年と青年の間くらい。

その後の反論は横取りするだとかそんな罵倒をしだした。よくよく考えれば直ぐに分かる。


「皆さん聞いてください!!パクる、横取り、それは簡単に出来るようなものじゃありません!!冒険者から物を横取りするなどこの子供に出来るはずがありません!!魔物も難易度は高いですが、横取りを実行する方がもっと難易度は高いです!!であるからして、この子が言っていることは事実!!疑いをまだかけるとおっしゃる方は、今!!申し出てください!!」


このイノキシを冒険者が数人で倒したとして、そこへ現れたこの子が横取りするという行為をしたとする?まず、冒険者達が疲弊してるからと言って簡単に隙を与えるハズがない。それに、相手は大人数人だ。全く効率的ではない。

私の考えに街の人達は黙る。


「反論がないということは、認めるという事で宜しいですね!!」


あらぬ疑いを掛けられた彼には本当に申し訳ない……。

私は直ぐ彼に近寄って、


「すみません。街の皆さんがあらぬ疑いを……」


「いや。気にしてない。それより、庇ってくれてありがとうございました。」


急に微笑まれたのでびっくりした。

笑顔が素敵だったのだ。


「いっ……いえッ……!////わ、私は当然の事を言ったまでです……!!///」


「あの……顔が赤いんですが……大丈夫ですか? 」


「ふぇっ?!///あ、赤くありませんから!!だ、大丈夫ですっ……!!お手続き致しますッ……!!」


心配までされて、恥ずかしい……!!

いやいや、相手は歳下!!


「そうですか?なら、良いんですが……。手続きしてくれるんですか!ありがとうございます。すみませんが少し待って貰えますか。」


「あ、はい。」


と返事。


彼は一瞬でイノキシをどこかへやった。

あんな大きなものをどこにしまっているんだろう……。

登録のためにギルドの中へ。


「こちらの書類に記入をお願い致します。」


紙とペンを彼に渡す。


「分かりました。」


そう言って彼はサラサラと綺麗な字で書き込み…

本当に10歳なの……?


「書けました。」


「ありがとうございます。では、確認しますね。」


「お願いします。」


まず最初から、おかしかった。

何故なら、職業が一般人だからだ。

職業は一般人ではない。

なので、ありのままを口にしていた。


「あの!職業に、一般人はないと思います!貴方ほどの実力のある人が!!」


「え。」


キョトンとした顔をする彼。


「えっと……何なら認めて貰えます?」


そう聞かれたので……


「とりあえず……冒険者で!!」


「えっと……じゃあ、それで。」


「はい!!」


それから数分後。


「ギルドに登録完了しました。まずは、最低ランクからのご依頼を受けることになるのですが……。簡単な説明をしますね。最高ランクはSから最低ランクFまであります。ただ、アレンさんはFランクのみ受注可能です。ランクをクリアしていく事に上位のランクも受注可能になります。」


「なるほど。とりあえず、Fランクの依頼はどんなのがあるんですか?」


「採取から狩りまで幅広くあります。こちらが、現在応募中になりますお仕事です。」


「とりあえず、採取からお願いします。」


慎重だなぁ……。


「はい!分かりました!近くの草原にありますので危険はないかと。まぁ、スコッティさんなら危険な魔物が出ても大丈夫だと思いますけどね。」


「いやいや……力を過信しすぎるのは良くないし。あの、お名前聞いても?」


「あ、申し遅れました!ラフレシアのギルド担当、フレイ・キャランドと申します。宜しくお願いします。スコッティさん。」


「スコッティじゃなくて……アレンって呼んでもらってもいいですか?」


「あ、はい。ではアレンさんと呼ばせて頂きますね。」


「お願いします。可愛いフレイお姉さん。」


ま、また……!!///


「か、かわッ……?!///大人をからかわないで下さい!///」


「え、本当に可愛いよ?」


この子は心に毒だ!!///


「も、もういいです…!///さっさと行ってきてください!///」


「じゃ、行ってきます。」



彼はそう言ってギルドを去っていった。

ふぅ……1人で慌てて恥ずかしい……。

歳下の子に翻弄されすぎだわ……。

もっと引き締めていかないと!!

そして、その直後…この街に危機が訪れていることを知ることになるのでした。





次から、アレン視点に戻ります。

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