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57.駆け上がれ、駆け上がれ、駆け上がれ、グレリス

 階段へ向かったグレリスは迷い無くその階段を駆け上がるが、そんな彼にいきり立って向かって来た男を階段の下へと突き飛ばし、続けて階段の上にいた男を前蹴りで撃退。

 次に横から向かって来た男にサイドキックを食らわせ、今しがた前蹴りで撃退した男を前回し蹴りで側頭部を蹴ってノックアウトさせる。

 そのままの勢いで、近くの棚の最上段に置いてあった薬品らしき粉が入ったビンや小箱を、再び繰り出した前回し蹴りで蹴り飛ばして自分に向かって来た別の男にぶつける。

「のやろっ!!」

 視界の外から放たれた女のパンチをグレリスは感覚だけでギリギリ回避し、両手で女の身体を突き飛ばして後ろ回し蹴りで側頭部からノックアウト。

 今度は後ろから作業用に保管されていた空のワインボトルを振り被って向かって来た男に、ボトルが振り被られる前にその腕ごと身体を壁際に押し込む。


「らっ、らっ、らっ!!」

 3発程脇腹目掛けて自分のガタイの良さを活かした強烈な膝蹴りを入れ、続けて頭突きを食らわせて男がふらついた所にそばの棚の小箱を口に突っ込む。

「おりゃあ!!」

 掛け声と共に顔面を蹴り飛ばし、男の顔が粉まみれになってノックアウト。

 どうやら中身は何かの粉だった様だ。

「ふおっ!!」

 息を吐いて器械体操の経験から培った宙返りから左足を伸ばし、そばにおいてある長テーブルの上から奇襲をかけようとしていた女の右ひざの関節目掛けて左膝をヒットさせ、女をテーブルから落とす。

「ふんぬ!」

「うぐ!?」

 しかしその女に気を取られていた隙に、後ろから別の男がグレリスを羽交い絞めにする。

 このままではまずいので、グレリスは自身の柔らかい股関節の右足を思いっ切り振り上げる。

 その右足は後ろの男の顔面にクリーンヒットして男の力が緩んだので、その男の髪の毛を右手で掴んでテーブル目掛けて背中から投げつける。

 人間の頭は重いので、丁度半回転して男の身体はテーブルの角に叩きつけられた。


「このおおおおおお!!」

 威勢の良い掛け声と一緒に、そこそこガタイの良い女が篭手をつけて殴り掛かって来た。

 グレリスは一瞬反応が遅れて殴られてしまうが、アドレナリン全開でグレリスも殴り返す。

「おりゃ!」

「この!」

「うぐぅ!」

「らぁ!」

「とっ!」

「くっ……!!」

 女、グレリス、女、グレリス、女の順で殴り、更に女が左のボディブローを繰り出して来ようとするも、グレリスはそれを腕でガードして女のボディにパンチのラッシュ。

「ぐえ!」

 更に勢いをつけてジャンプからの飛び込みパンチで女をふらつかせ、女の身体を掴んで壁に向かって力任せに投げ捨てる。


 そこから今度は椅子を振り被って向かって来た男に、先手必勝とばかりにグレリスは前蹴りを食らわせ、男が怯んで前かがみになった男の頭目掛けて全力のかかと落とし。

「らっだっよっとっやっはっ!!」

 後ろから向かって来た別の男のパンチのラッシュをブロックし、かがんで回避して一気に男の懐に飛び込んだグレリスは男の首を掴む。

「だっ! らっ! やだぁはっ!!」

 自分でも良く分からない掛け声と共に男の頭を全力で3回テーブルに叩きつけ、3回目に男の頭が跳ね返って来た所で男の上着の襟首を掴んで振りほどき、振りほどいた方とは逆方向に回転して前回し蹴りで男の頭を蹴って倒す。

「ぐぐ……!」

 さっきかかと落としを食らわせた男が復活して来そうだったので、反射的にグレリスはテーブルの上のトレイを手に取って男に向かって投げつける……と言うよりも叩き付けた。

 とどめに男の胸を前蹴りで全力で蹴ってから、別の方から小さいハンマーを片手に向かって来た女の姿を視界に捉えて、グレリスは緊急回避でテーブルの下を転がってテーブルを挟んで女と反対方向へ。


 ゴロッと転がって立ち上がったグレリスは息つく暇も無く、テーブルの上の作業資料の本を手にとって女の顔面にフリスビーの如く逆手で振りぬいて投げつける。

「くおら!」

 投げつけた勢いのまま今度はテーブルの「上」をゴロッと転がり、転がる勢いで右足を雑誌がヒットして前かがみになる女の顔面へ入れてダウンさせる。

「……!」

 テーブルの端からロングソードを構えて向かって来る、最初に階段の下に突き落としたあの男が視界に入ったのでグレリスは跳ね起きで素早く立ち上がり、男にダッシュで向かう。

「うらあ!」

「ふおお!!」


 ブンッと振り払われたロングソードをかがんで回避し、そのまま男にタックルして男の腰をがっちり両手でホールドして男の後ろへ回り込み、全力で男を持ち上げて後ろに重力の赴くままに背中から倒れ込む。

「らーーーーーーーーーーーーーーーーぁぁああああああ!!」

 物凄い音と共にテーブルに背中から叩きつけられた男とグレリスだったが、グレリスは素早くマウントポジションを取って男の顔面を右の往復パンチで殴りつけ、男の力が抜けた所で力任せに男を立たせる。

 更にもう1発おまけで男の顔面に右のパンチを入れ、男の足を今度は持ち上げて地面に引き倒し、咄嗟の事に反応出来ない男のその顔面を右足でテーブルごと踏み抜いた。

「ぐぶぇ!!」

 テーブルに穴が開く程の衝撃で男を完全にノックアウトさせ、エネルギー生成工場の部屋の中がオールクリアになったと判断して、グレリスは更に上を目指して部屋の奥の階段へと走り出すのであった。

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