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25.vs複数人

 今度は抵抗されても逃げられない様に、男が床で頭を押さえて悶絶している間に部屋の中で見つけたロープを使って椅子にグルグル巻きにして縛りつける。

 正直な所面倒事には関わりたく無かったリオスだったが、あの鉱山跡であそこまでされた上にあのメモの内容で気になるワードがまだあった事を思い出した。

「で、だ。御前達はどうやら、何処かの城に行ってこの暗殺計画を実行しようとしているらしいな?」

「な、何の事だよ……」

 男は目の前であのメモをピラピラとリオスの白い手袋をはめた手に揺らされても目を逸らす。

「まぁ、こんなメモを女の連絡先と一緒においておく奴もどうかしているとしか思えないのだが……まぁ、良い。御前が言わずとも、この部屋の中を色々と探れば何かが出て来るだろう」


 そのリオスの発言に男の顔色が変わる。明らかに動揺している顔だ。

「や、やめろ!」

「だったら素直に騎士団でその全てを白状すれば良いだけの話だろう。それも嫌だと言うのであれば、そこで大人しくしておく事だな」

「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろぉぉぉぉおおおお!!」

(あーうるさい……)

 男の吼える声を首を振ってリオスは聞き流す。そんなリオスが首を振る度に長い銀髪が左右に揺れる。

 しかしこの後、またもや男が驚愕の行動を起こす事になる!!


(相変わらず散らかってるな……)

 もはやこの家の中の散らかり様にも慣れて来た。この家の住人達として活動しているあの茶髪の男を含めた集団には整理整頓と言う概念が無いのだろうかと、リオスは他人事ながらまた呆れた感情を芽生えさせる。

 男の行動には気を配りつつ、他の部屋も探してみれば何か手がかりが他にも見つかるかも知れないと踏んでリオスは他の部屋に行こうと踵を返す。

 ……が。その時男の座っていた椅子がガタンと横に盛大に倒れた。

「……何してる?」

 男の異変に気がついたリオスが声をかけたその瞬間、男は必死に伸ばせるだけ足を伸ばしてそばにあるテーブルの足の陰に隠されていた何かのスイッチを足で踏んだ。

「何だそれは?」

「ふっ、ふははは! さー早く逃げた方が良いぜ? 俺は忠告したからなぁ?」

「は?」

 リオスの問い掛けに突然笑いながらそう言い出した茶髪の男に、思わずきょとんとした表情をリオスは浮かべる。


 そして、きょとんとした表情をしたそんなリオスの元に、バタバタと騒がしく外から複数人の足音が聞こえて来た。

「あーあ、さっさと逃げりゃ良かったのによ!」

 そう茶髪の男が言った瞬間、家の入り口のドアを蹴り破ってさっき窓の外から見かけたあの時の集団が帰って来たでは無いか!!

「何、どうし……って、ああああああっ!?」

「あ、あんたはあの時の!」

「何でここに……ってんなこたどうでも良い!! 俺達のアジトに来て何やってるんだ! おい、とっ捕まえろ!!」

 あの時の紫髪の女に赤髪の女にスキンヘッドの男も居る。

 原理は分からなかったが、さっき茶髪の男が足で何とか押した床のボタンはどうやら地球の銀行とかで設置されている、緊急用の防犯アラームみたいな物だったのかとリオスは納得しながら、向かって来た赤髪の女の短剣をハイキックした左足でバシンと蹴り飛ばした。

 その飛んで行った短剣の行方には目もくれず、続けて右側から飛びかかって来た紫髪の女の腹を前蹴りで蹴ってストップさせる。


 茶髪の男はその間にスキンヘッドの男にロープを解いて貰っていた。

「すまない、助かった」

「大丈夫だ、もうすぐ他の奴等も帰って来るさ」

 しかし、ふとリオスの方を見てみるとすでに女2人が倒されてしまっている。

「く、くっそー!!」

「俺等2人で掛かれば何とでもなる!!」

 茶髪の男はテーブルに置いてあった大型のナイフを、スキンヘッドの男は愛用の斧を持ってリオスに向かった。


(そー来るか)

 リオスはバックステップで一旦後ろに下がり、2人相手には絶対に相手の真ん中に立たない様にしながら対処。家の中であると言う事を利用し、まずはさっきの赤髪の女の時と同じく茶髪の男のナイフを足で弾き飛ばしてそのまま壁に両手を使って男を押さえつける。

 続いて向かって来たスキンヘッドの男が、斧を振り上げて胴ががら空きになった所で茶髪の男を押さえつけたままリオスはスキンヘッドの男の胴を蹴る。

「ぐっ、ぬおお!」

 それでも体勢を立て直して再び向かって来る男の振り下ろしを避け、更に壁に押し付けた男に背をつける形で避けたリオスの顔目掛けて斧の先端でスキンヘッドの男が突こうとしたが、それをギリギリでリオスはかわす。

 すると、その後ろに居た茶髪の男の額にクリーンヒットする形になって茶髪の男がずるずると床に崩れ落ちてしまった。

 仲間を自分の手で倒してしまったその光景に、一瞬スキンヘッドの男の動きが止まったのを見逃さず、リオスは小さくジャンプして空中回転回し蹴りで男の頭をぶっ飛ばして決着をつけたのである。

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