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男が最弱な異世界。それでも最強を手に入れる。  作者: CHIKAY
Lv.0 tone ~始まりの異世界~
9/62

第8色 生活+魔力+桃源郷

 管理人の朝は、日の出前から始まる...。



 昨日マーカラさんとのハッピーイベントが起こった後...管理人部屋に入ると...。



 そこには、鬼が居た...。



「...おかえり。

 朝飯は、6人分...。

 6時から昨日のランニングを始めろ...。

 それまでに起きて、作り置き出来る物を準備しておけ...。

 晩飯の準備は、ダンジョンに入る前にしておいてくれ。

 自身の風呂とトイレは、管理室のを使え。

 2階の浴槽とトイレは、絶対に使うなよ...。

 女子寮の室内には、絶対に立ち入り禁止...。

 3階の角部屋のリビングのみだけ立ち入りを許可する...。

 毎日の掃除、共同使用物の洗濯、飯の管理が主な仕事だ...。

 5日に1回休みをやろう...だが朝の訓練はやれ...。

 以上だ...。


 もし寮内の女子に性的接触や卑猥な行動をしてみろ...潰してから...斬る...。」


 ...何処をですか...。


 あかん、ハーレムイベントを満喫する前に、死んでしまうかもしれない...。

 信用して貰っての抜擢(ばってき)だろうし、答えるのが男だろう。


「...宜しくお願いします...。」


「よし、では明日から頼む...。

 ランニングする時に、この石を握りながら走れ...。

 では、オヤスミ」


 黒色の石を渡された...。

 考えるより、明日の朝からのことが心配だ...。

 直ぐ考えを切り替え...風呂に入って、寝よう...。




「つっめったぁーーー!!」


 異世界水風呂かよ...。


 タイル貼りの浴槽には、銭湯の様な雰囲気は、味わえるが、お湯を使う事がないのか、温める設備がなかった。

 女子の方もそうだろうか?


 なんとかして、熱々の風呂に入ってやる。


 あれから、直ぐ就寝してから、3:00前に起きる。

 1日を計算して動いていかないと追いつかない。

 これを考えての事だったら、流石の鬼軍曹だ。

 トレーニングが6時間、昼休憩が1時間、勉強が4時間、空き時間30分から1時間、ダンジョン攻略が3時間...。


 朝に出来る事をしないとダメだ...。


 調理器具などは、1通り揃っている。

 もちろん冷蔵庫などは、ない。

 保存の効くベーコン、野菜、黒パンが主な調理食材だ...。

 今日は、少し短縮してポトフ、軽いサラダ、細かく切った黒パンで行こう。

 少し多めに作って、昼飯も済ましてしまおう...。


 ...甘かった...。まさかの薪だとか...。


 火種は、すぐ見付ける事が出来た。

 火がつくと、裏の井戸で水を汲んでくる。

 火の通りにくいものを先に切り入れ込む、短縮の為に隠し包丁も入れる《火にかけた鍋》とは、良く言った物だ...。


 異世界だが、野菜は...同じなのか...。

 大きく荒く切ったベーコン、ニンジン、タマネギ、カブ、セロリみたいな物をじっくり煮込み、塩コショウ、マスタードらしき物で整える...。


 絶対に、生活魔法を覚えてやる...。


『なんでよ...。』


 朝からツッコミ有難うございます、トーカさん。

 風呂に、家事...覚えるしかないでしょ??


 今が4:30...少し時間がかかったな。

 外も少し明るくなっていた。


 明日からは、もっと短縮出来るとして...。

 掃除は、1時間ぐらいしかないかな...。

 さっき味見ついでに朝食は、頂いていた。


 目まぐるしい朝だな...。


 玄関、階段、廊下をダッシュで掃除開始する...。


 二階に登ると...トイレなのか...物音が聞こえる...。

 近付き過ぎると初対面で、変態と思われるかもしれない...。

 少し距離を置くと...。


 ガチャ


「...えっ!?」


「...あっ...ユキさん?

 おはようございます...」


 銀髪金眼のクレスさんが可愛いパジャマ姿で、頭の寝癖を直していた。


「なんでクレスさんが?」


「あれ...聞いてませんか?

 《裁きの牙》のメンバー3人は、ギルド職員なんですよ?」


「えっ!?そうなんですか??」


「ふふっそうなんですよ。

 私は受付で、サクヤ、アオイは、ドロップアイテムなどを管理していますね」


 なんて事だ...気が付いたら...此処は天国...。

 ...多分ギル長も住んでるよな?

 あと一人は、誰だ??


 ピピピピ


 時計のアラームが鳴る、5:30になっていた。


「ヤバイっ!クレスさんもう起きますか?」


「はい、7時に出勤になるので、もう起きますよ?どうかされましたか?」


「はい!ポトフを作っているので、火をかけたままにしています。

 煮込み料理なので...。

 クレスさんの食べる前に火を消して頂ければ、ありがたいです...。

 それにパンを入れてくださぁーーい」


 話しながら、階段を降りていく...。


「...ポトフ?」




 意識を保ちたがら、魔力を纏う事をキープしながら走り混んでいる、人1人分の重さが半分ぐらいになるのだ、やるしかないでしょ。


 初めは、半周も保てなかったが、今は半周ずつインターバルしながら走っている。


 もうすぐ3時間だ...恩恵のお陰なのか、昨日の疲れがまったくなく快調だった...。


 昨日と同じくサラが入口に待っていた...。


「おはよう...朝飯...あれは、ポトフと言うらしいな。

 あれは、美味かった...また作ってくれ」


「了解です」


 胃袋を、掴めと言いますからね...。

 うちの最強姉妹のワガママぷりは、凄いんですから...。


 下のフロアに移動して、昨日と同じ場所に腰を下ろす。


「石を貸してみろ」


 手に握っていた、石を渡す。

 サラは、手に取ると、何かを呟きながら、松明の灯り火に、光を当てる様に眺めていた。


「...魔力を使いながら、走っているようだな...。

 でもまだまだだな...体内魔力の底上げを徹底してやっていくからな...。

 昨日やった事を1分で燃焼するイメージでやってみろ」


 えっ!?


「初めっ!!」


 クソっ!鬼ぃーーっ!!




 バシャ


「はい、終了だ」


 1時間ぐらいだろうか?

 昨日よりは、短縮出来た...。

 今で10:00になろうとしていた。


「よしっ!ユキ、私の手を握るんだ...。」


 胡座をかいて、俺の前にサラが座る...。

 言われるままに、手を握る...。

 見た目は、10代ぐらいだろうか...。

 多分年上だろう...一体何歳なのだろうか...。

 だが聞いたら、一秒後には、消滅しているかも...しれない。


 両手の指の部分を優しく握る。


「今から私が魔力を軽く流す、体内にではなく、指先に留めるぐらいだな...。

 また目を瞑りながら、感じてみろ...」


 目を瞑る...。

 魔力に触れる事は、初めてかもしれない...。

 自分の中の魔力が、陽だまりの中の暖かい感じだった...。


 これは...少し冷たい...流れる水に手を入れる様な感覚...。

 昨日水風呂に入ったばかりだ。

 気絶した時にも感じていた...。

 特にわかりやすい...。

 川の水、井戸の水、台所の水......水には多く触れているから、理解し易い...これが、サラの魔力...。


「...目を開けてみろ...」


 開くと、そこには、水の様な淡い水色の魔力を纏ったサラがいた...。


「どうだ?出来そうか...?」


 ゆっくりと、頷く...。


 水を思い出せ、川、海、井戸、水道から出る水...冷たく、爽やか、洗い流す...。


 白色の魔力が段々と淡く水色に変わっていく...。


 意識が飛びそうになり、止める...。


「上出来だ...。

 自分の性質以外の魔力は、消費が激しい...。

 だがユキの魔力は、白...何色にも染まり易い...。

 他の属性に比べると圧倒的に消費は少ないはずだ。


 私の属性は、水魔力だ。

 私はトリプルだから三属性が使える。

 他には、光と風だな...。

 反対属性の、火、土、闇は、まったく使えない。

 この訓練をやり続けて、今日は終了だ。」


 気絶する魔力ギリギリまで、水魔力に変換して、休憩する、コレを繰り返して今日の訓練は、終了した。


「ユキ、食堂にいくぞ?」


「あっ!仕込みついでに、寮で食べても良いですか?」


「なんだと?ポトフを作るのか?」


「違います...。

 お昼は、別の物を作ろうと思っています。

 晩御飯の仕込みとお風呂掃除等を済まそうと思いまして...。大丈夫ですか?」


「私のも作るのなら、許可しようっ!」


「はは、わかりました。作りますね!」


 今は、11:45ぐらいだ...まだ少し時間がある...。

 急いで支度をしなければ...。


 寮まで小走りで帰る、朝パンを焼く香りがしたので、間違いないと思ったが、パン屋だ...。

 そこで、天然酵母と、全粒粉主体のパン、乾燥ロングパスタを購入した。


 資源が豊富なのか、食材もクオリティが高い...腕がなる、と言う所だ...。

 マーカラさんに、マーケット事情と、大体の街の構造、店の種類を教わろう...。

 黒パンなんて食べれたもんじゃない...スープに付けたら、水分が消し飛んでいた。

 今日は、間に合わせの酵母だが、衛生面をしっかり管理して、天然酵母を作ろうと思う。


 台所に着くと、サラは既に座っていた。

 火種も付いており、直ぐ調理出来る状態だ...。

 お昼は、ベーコンとハーブのペペロンチーノと、ポトフの残りと野菜の付け合せだ。

 もくもくと美味しそうに、サラはご飯を食べてくれている。

 天然酵母でパンを毎日作れたら、皆のお弁当に、サンドウィッチもいいかもしれない...。

 パンの仕込みを終えると、サラに生活魔法の必要性と、家事のクオリティアップを伝えると、2つ返事で了承してくれた。


 時間が全然足りない...。

 今は、12:50になっていた。

 資料室に着くとマーカラさんが既に準備してくれていた。


 マーカラさんにポトフのお礼を言われ(静かな物言いで大絶賛)ランチをサラと2人で食べた事を伝えると、羨ましがっていたので、ランチに誘った。

 多分あの3人娘も食べるだろう...。

 サラには、了承を取っているので皆で食べる事になるだろう...。


 勉強の内容は、共通語の読み書きと、種族の特徴の違いなどだった。

 魔力の性質や特徴なども今朝の内容を深く学んだ...。


 魔力の性質を変え、言葉=イメージ出来るキーワード=呪文、内魔力の消費

 この3つの工程らしい。


 新しい情報だが《魔導書(グリモワール)》と呼ばれる物が、あるそうで...。


 神の力、絶神の魔典から引用される特別な魔法があるらしく。

 15歳になるとルーナマナ神殿に巡礼をして、特別な儀式をし、適正のある者だけが付与される。

 この世界の人族は、15歳が成人とされ、この巡礼が成人式を兼ねているのだとか...。

 種族によって成人の時期は変わるが、付与されるのは種族は関係ない。

 魂の器の中に魔導書が渡されるのだとか...。

 レア度が、1~5段階あり、付与される確率は、だいたい100人に一人。

 神格が上がれば付与される可能性も増えるかもしれないらしい...。

 勿論男性は、殆ど付与されないんだとか...。

 この寮では、サラしかいないそうだ。

 やはり鬼軍曹は、最強の師匠でした。

 師匠と呼ばして貰おう。


 魔導書には大変興味があるので、師匠にお願いして、休みの日に連れて行ってもらおう...。


 16:50になった、寮に走って帰り、仕込みを終わらせる、発行させていたパン生地を速攻でコネてオーブンに入れる、石窯でピザも焼ける大きな作りだ...。

 裏庭にある石窯オーブンは、軽い火種を作り置き温めていたので、直ぐに使える。


 焼いてる間に風呂と3階の掃除を終わらそう...。


 2階の風呂場は、誰も居ない、皆職場で確認したからだ...。

 タワシを持って、袖を捲る、焼きあがるまでの10~20分が勝負だ...。


 ガラガラ


 引き戸を開けると、中には2つの桃があった...。


 ...違う違う...。

 青い髪に、頭に付いている青い角は、何処かで...。

 ロングヘアの髪で下半身は、際どく隠れていたので、素晴らしい滑らかな肢体は、見えにくかったので、ギリギリセーフかもしれない...。


 いや...多分潰されて、切られるだろう...。


 そんな妄想をしていると...。


「...あれ...サラが言ってた管理人さん?

 ごめん!今水浴びしてたから、掃除は後でも良いかな?

 ...汗かいて気持ち悪かったから、ごめんね!

 美味しそうな、香りだねー?

 今朝のポトフだっけ?美味しかったよぉー!

 また、晩御飯楽しみにしてるね」


 すると美少女は、叫び声もあげずに、何もなかった様に水浴びをしようとしていた...。


「...失礼しましたっ!!」


 急いで階段を、降りた...。


 ...怒ってないのか...?

 切らなくて良いのか?

 性別が女子に転換されないのか...。


 目に残る桃源郷より、頭に映る地獄絵図への恐怖が、縮こまさせる...。


 ラスト一人は、彼女だったのであろう...。


 土下座しよう...。


 焼きたてのパンと、即興の野菜のソテー(炒め)を作り、謝罪する事を胸に寮を、後にした。



 ...あっ...名前聞くの忘れてた...。


タイトルなど少し見やすい様に編集致しました。

少し誤字や改行なども修正しております。


ここまで読んで下さり有難う御座います。

ご意見、ご感想、誤字脱字など、何でも大歓迎です。

宜しくお願い致します。

明日も0時に投稿致します。

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