第7色 攻略+再死亡フラグ+転機
「こちらが...今回同行して頂く
ランクEの...冒険者《裁きの牙》の方々です」
「この度お世話になります。
召喚者のコンドウ=ユキと申します。
宜しくお願いします」
なかなか物騒なチーム名とツッコミは、置いておいて、自己紹介をする。
「...宜しくお願いします。
この度同行致します《裁きの牙》リーダーの、マガミ=クレスと申します」
笑顔が、優しくエクボがチャームポイントだろうか?後ろで揺れる尻尾が犬を思わせる。
銀髪金眼の身長は160cmぐらい?ロングの長いストレートヘアに同じ色のピンっと立った耳...チャイナドレスの様なスリットが効いたセクシーすぎる衣装の上から、簡単な急所を守れるプロテクターを装備していた。
武器は、持っていないが右手にはゴツめの拳を守れる篭手と脚もロングブーツに金属が付属していた。
戦闘スタイルは、拳闘士だろうか?
「...私は、姉のセンリ=サクヤ
...で妹のセンリ=アオイ...。」
「宜しくにゃ~!!」
お姉さんのサクヤさんには、嫌われているのだろうか...妹さんは、まさかの語尾「にゃ」なのか...お姉さんの方が少し身長が低い様だ。
赤い綺麗な髪はポニーテールで、赤色の着物で着崩した、うなじがとってもセクシーだ...。
少し柔らかく見える目元は、ツンツンしてる気配とは、裏腹に柔らかい印象だ。
妹さんは、お団子に簪と少し違う。
目元がキリッとして、黒の着物が良く似合う。
足元は少し短めに着られていてミニスカみたいな作りだ。
クロのニーハイ...。素晴らしいです。
二人ともサラシをガッチリ巻いてるのは、残念だがその上からでも実っているのが、バッチリわかります...。
優しそうなタレ目だが、口調は厳しめの姉...。
切れ目だが、甘えた感じの猫語尾の妹...。
迷い難し...。
セクシな猫耳、尻尾は、高級感の漂う猫そのままだった...。
妹さんとクレスさんの身長は、だいたい同じだろうか?妹さんは、下駄を履いてるので、少し高く見える。
二人とも機動力重視なのか、着物の上からは、何も付けてない、篭手は装備していた。
年齢は、どうだろうか...。
2人は俺より上で、妹さんは、確実に俺より下のはずだ。
お姉さんは刃先の長い一本槍、妹さんは刀を使用するらしい...。
なるほど、三人三様で、スタイルを見て学べと言う事か...。
スタイル...流石は、異世界クオリティ...3人とも、スタイル良すぎでしょ...。
初対面から脳内歓喜してフリーズしていたら、怪しまれる...。
冷静になれ、俺!!
「宜しくお願いします。
武芸は、嗜む程度なので、勉強させて頂きます」
「はい、今回が初めと伺っております。
無理のない様に初めは、見ていて下さいね」
「では、ユキさん...。
帰りは、またお迎えに参りますので...お気をつけて下さい...。」
うん?...普通に帰れると思うが、頷いておく。
「では、ユキさん参りましょうか」
門にあるクリスタルにブレスレットを掲げる...すると淡くブレスレットが光って、門がひらいた...。
前回とは、違い塔の中らしい造りで、全面が少し大きめの石のブロックを積み上げた様な造りになっており、所々に人工的な松明が焚かれていた。
松明は、1階から3階のフロアに人工的に設置されているもので、夜目が効く種族や魔法で明かりを付ける者には必要ないが、新人攻略者の生存率を上げる為ギルドの処置だそうだ...。
聞く話によると、ダンジョンパーティでリーダーではない者は、ギルド職訓練校を卒業する必要はないらしい。
眷属と言う扱いになるのだとか、眷属になるには、マテリアルリングから少し小さめのリングが分離するのだそうで、それを分け与える。
装着すると、マテリアルリングの劣化版の様な効果が、あるらしい。
実際に《裁きの牙》リーダーだけマテリアルリングを装着していて、2人のデザインは、少し違う。
デメリットは、リーダーがいないと自分で神格をあげれない事と、解除すると討伐記録がなくなるらしい...。
苦労して神格を上げたのにゼロになるのは、痛すぎる...。
当時お金が無かった為に、猫姉妹は取らなかったそうだ。
今はお金も貯まり、来期から入校する流れだとか...同級生じゃん!?
そういった理由で現在《裁きの牙》はこの第一ダンジョンをクリアした後も、次のダンジョンに移らず、2人が卒業してから拠点を移すらしい。
3人は対等...だからだそうだ...。
なるほど...この世界のシステムは、ややこしいな...。
なかなかクレスさんと友好を気付けている...かもしれない...。
尻尾がフリフリしてます...。
...でもクレスさんだけしか話せていない...。
2人からは、警戒?されている...。
あと5分ほどだろうか?18:00になると数が急激に増えるらしい...。
今は朝から狩られて減っている状態だが、時間になれば急にあらわれるそうだ。
前衛からクリスさん、アオイさん、俺、サクヤさんで、周りを見渡せるフロアまで来た今は、俺を包む様に展開していた。
ゴォォォン
「おぉーっ!?」
急に鐘の音が聞こえた。
「ユキさんこれからモンスターが発生します。所詮Gクラスですが、たまに死ぬ方もいるので、注意して下さい。」
マジか...俺は今、人を一人分担いでる状態ですけど、大丈夫ですか...。
無言で頷く。
バキィ...バキバギィ...
周りの床や、壁からバケモノが発生しだした...。
卵の殻を破る様に、壁から破れでる姿は、雛鳥の様に愛らしくもなく、瞳は敵意に満ちていた...。
緑と灰色の小人を産み落としていく...。
小人達は、多種多様で武器を持つ物も入れば、犬の様に屈んで威圧を出していた...。
20...30は、いるだろうか...。
...多すぎません...?
「なかなかの数が居ますね...こんな物ですか?」
「...いえ...そんな事は、ありません...。
ゴブリンは、普段から見られる階層適性のモンスターですが...。
ここまで多くはありません。
犬型のモンスターは、コボルトと呼ばれまして...Fランクに相当します。
ユキさんには戦闘に参加せずに、様子見をお願いしたかったのですが、自衛...最悪カバーに入って貰わないといけないかも...しれません」
マジか...完全俺の体質ですよね...今は恩恵か...。
俺が守らないと彼女達を、誰が守るって言うんだ...。
「構いません!
僕自身は、自分で守るので、いつも通りにして下さい」
「そんな訳には「クレス!私達が足を引っ張ってしまっては、守れるモノも守れないわよ」」
サクヤさんがクレスさんに叱咤する。
「私が、中衛なり全員をカバーするわ...。
ユキ...それでいいわよね?」
「はい!構いません...お手数お掛けします。」
皆の姉の様な人だな...心強い...。
多く発生している所は、クレス、アオイが、俺は1番少ない所を担当する。
って言っても10匹以上は、いるよ...。
さっきよりかなり増えてやがる...。
囲まれる前にある程度減らさないと...。
クレス、アオイは流石と言うべきか数を減らしていた。
アオイは、八相の構えで、切り込んでいる。
多くの敵に対して戦い慣れているのを感じる...。
踏み込みであったり、振り抜き座間に、視界を広く持っているのか?
次の展開が流れる様にスムーズだ...。
クレスは、功夫だろうか...。
構え、足運び、体捌き、全てが滑だ...内蔵破壊だろか?掌底を背中に叩き混んだり、腹に入れ込み絶命させていた...。
「ユキ!...集中っ!!」
おっといけない、いけない...。
魔力を体に包んでるのかな?
アオイは少し赤く、クレスは、淡い緑の光が漏れていた...。
意識を集中して、身体に魔力を行き渡させる...。
鉛を背負った重かった体は、少し楽になり動き安くなっていた...。
なるほど...これは使えるな...。
次々と一撃で屠っていく...。
本当に素晴らしい切れ味だ...流石神剣...。
『ふんっ!当たり前よ!狩りなさい!!』
体捌き、体重移動、踏み込み込んだ時に視界を広く保ち、次の敵を屠る...。
サクヤさんは、周りに常に目配せをし、援護している、薙刀だろうか?特殊な槍捌きで、圧倒しカバーしている。
突く事も、払う事も、振り下ろし斬る事も、出来るのか...。
やはり三者三様で、勉強になるな...。
全体で60匹程屠った所で攻撃が止んだ...。
「終わりましたね...。
お疲れ様でした...なかなかの数でしたね...。
ダンジョンでは、この様なモンスタハウスと呼ばれるフロアが多々あります。
これが初心者攻略者の死亡する最も多い原因にもあげられます。
...ですが今回は、特別多かったですね...。
これ以上、全く発生しない訳ではないので、早急にドロップを集めて、少し休憩しましょうか...」
クレスの提案に頷く...。
何とか生き延びれた...。
素晴らしい切れ味のトーカにお礼をいい魔石を拾う。
...昔、裏山の猪や熊に重りを付けた状態で逃げ回ったな...。
思い出のお陰でなんとか異世界生き残っています。
姉さん...あの時は、殺意しかなかったが...今は感謝しています...。
でもサラが鬼なら姉さんは、魔王だな...。
思い出を思い出しながら拾っていくが...俺が倒した所には、他と比べてドロップアイテムが、多くある様な気がする。
ナイフ、棍棒、木の弓、矢、錆びた剣、錆びた槍、バックラー、バックが一杯になりそうだ...。
集め終わると、壁側に背を向けて集まる...。
見渡せて、背後を取られにくので、ダンジョンでは常識らしい。
「ユキ...あんたなかなかやるじゃないか!
見直したよ...人族の奴にしては、なかなかの身のこなしに、武器捌きだね...。
少しだけ認めてやるよ!」
「ユキ~にゃかにゃかやるにゃ~」
サクヤさんに褒められた不意に、アオイちゃんが胡座をかいた足の上に乗ってくる...。
えっ!?
キタァーーーー!!
体の柔らかな感触が、脳を一撃で痺れさせる。
童貞男には、甘美するぎる、会心の一撃...。
...神様有難うございます。
心から感謝します...もう死んでもいいです...。
心で泣きながら叫んでいると『死ねばいいのに...』っとトーカの声が聞こえた...。
どこも触れないので、手をワナワナしている...。
「アオイが懐くのは、凄く珍しいですね...。
頭を撫でると喜びますよ...。」
クレスさんに言われるままに、ゆっくりと撫でる...。
「にゃ~...」
.........キタァーーーーーっ!!
もう死んでもえぇ...。
可愛いすぎるんやぁーっ!!
なんやこの生き物は...。
『死ね...』っとドスの聞いた声で意識を戻し、たわいも無い話で盛り上がった。
初めのダンジョンアタックにしては、良い稼ぎを得たので3時間は、経ってないがダンジョンから出る事に...。
上がった階層は、リングに記憶されて次回からは、どの階層に出るか、選べるそうだ...。
だからの3時間だけの攻略なのだろう...。
ホールに戻ると、まだマーカラさんは、居ない様だ...。
ギルドは、24時間営業の定休日なしらしい...働きすぎだろ!!
今は、19:30を回った頃だった。
4人で換金する為に、換金所にいく。
1階フロアにあり、ブロックに包まれた部屋の様な見た目だ。
窓口があり、顔が見えないぐらいの小窓があった。
換金所は、値段が一定らしい、高く売りたい場合は、街に出て商人に声をかけるそうだ...。
夕方見た商人達もそういった兼ね合いがあるのだろう...。
上位ランカーにもなると、目に掛けられ贔屓にする商人、商会が出来るそうだ...。
...まっ今の俺には関係ないけどね!
今回は、俺の有利になるように、窓口での換金になった。
魔石G40個F25個ドロップアイテム系19個
Gクラス、20,000
Fクラス、25,000
ドロップアイテム、10,500
となった、これを四等分して、今日は解散となった。
等分にする事を反対していたが、なかなかの働きだった事や、2人から信頼を得れた事で、一の月まで臨時パーティメンバーになることになった。
このダンジョンは、最大階層が10階層らしい...。
当面の目標は、10階層にいるフロアボスを撃破する事らしい...。
それで、神格が上がるのだ...簡単すぎやしないだろうか??
まぁーいきなり中ボスが出る様なアンラッキー体質な、俺なりの意見だが...。
今回は、なかなか良い稼ぎでは、ないだろうか?
宿屋も、初めに長期の連泊料金を払えば、少し安くなるらしいので、目標金額は、夢ではなくなった。
今現在の所持金が120,175ターナ...。
マジックバックがあるから、今は大丈夫だが...。
誰でも開けれる事と、どうしてもカバンを預ける事が多くなると思う...。
マーカラさんに銀行みたいな施設があるか、また聞いてみよう...。
今で20:00そろそろマーカラさんが来る頃かな??
あっ!「マーカラさん!!」
「すいません!お待たせ...しました」
小走りで、来てくれるマーカラさん...。
可愛い~マジ癒されるわ~
体は、究極の疲労蓄積のハズだが、吹っ飛ばしてくれたマーカラさんに感謝しながら、声を掛ける。
「...どうかされましたか?」
「ギルド長に、ギルド社員寮に案内するように言われておりまして...。」
「なんだって!?」
「はい!すみません...」
イキナリ大きな声でマーカラさんを怯えさせてしまった...。
宿屋の金額を抑えれると...少し興奮する。
宿泊費+食事代、装備代、普段着、生活用品...。
それを考えると渡りに船である。
「マーカラさんすいません!あまりの興奮で大きな声を上げてしまって...。
まだ詳細は、聞いていませんが、お願いしたいと思います」
「...はい、私もビックリ...してしまって...動転してしまいました...。
移動しながら説明しますね...」
ギルドから5分ぐらいの、日当たり良好、1DKお風呂共同、トイレ共同の社員寮らしい...。
人族と他族は、世間一般に良く思っていない人達(貴族)もいるとの事で...。
今向かっているのは、人族では...なく、他族寮らしい...。
なんでやねん!
ギルド長の考えらしいが、他種族との交流を重きに置いて、生活して欲しいからだそうだ...。
そして召喚者は、人族であって、貴族の考えに含まれないとの事だ。
ギルド内では皆、分け隔てなく接しているのだとか...。
種族の偏見や、凝り固まった、間違った常識、難しい問題ではある...。
イキナリ変化するわけでは、ないが特にこの大陸では、あるらしい...。
そう考えていると...。
「ユキさん...こちらです...」
煉瓦作りの3階建てで、良い雰囲気があって、現代の若者であれば、必ず食いつくであろう。
ヨーロッパ調のデザイナーズマンションだ...。
異世界で、寮だけど...。
「では...どうぞお入り下さい...。
ユキさんは、1階の管理室になるそうです。
おばあちゃんが...管理さんが引退されたので、臨時での扱いになるそうです...。」
なるほどだな...それが奴の目的か...。
これぐらいなら、お安いご要望でございます。
「案内有難うございます。
本当に助かりました...。
マーカラさんご自宅まで送りますよ?」
「...私は...2階になります...。」
.........えっ.........??
「...どう言う事ですか...?」
「ここ女子寮なので...。」
............。
.........。
...。
きたああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーっ!!
俺時代が来たでぇ!俺の時代やぁー!!
『...アンタ本当に死ねばいいのに...』
冷酷な口調のトーカさんのツッコミも、祝福しか感じられません...。
異世界ハーレーの始まりやぁー!!
...甘い話には、裏がある...。
...そんな、お話...。
ここまで読んで下さり有難う御座います。
ご意見、ご感想、誤字脱字など、何でも大歓迎です。
宜しくお願い致します。