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男が最弱な異世界。それでも最強を手に入れる。  作者: CHIKAY
Lv.0 tone ~始まりの異世界~
4/62

第3色 神+世界

 薄らと目を開けると、見覚えのない、木造の天井が見える。


 カーテンのない窓からは、眩い光が射し込む。

 今何時だろう...。


『気が付いた??』


 頭の中でトーカの声が聞こえる...。

 夢では、なかったようだ...。


 でも体のダルさは、嘘の様にすっきり取れていた。


『おはよう...俺はどれぐらい寝てた?』


『10時間ぐらいじゃないかしら?』


『そんなものか?』


『恩恵があるからね...。

 普通より回復は、圧倒的に早いわよ。

 疲労なら1日寝れば必ず完治よ!』


『そっか、それは有難いな』


『そうよ、感謝しなさい』


 軽いやり取りをしながら、体を起こし周りを見る。


 服は着替えてある。

 麻の様な生地で、半袖半パンだ。

 リュックと、頂戴したやたらと入る4次元的なバックも、備え付けの丸いテーブルの上にあった。


『此処は、何処なんだ?』


『此処は宿ね《大地の抱擁》って宿らしいわ。

 あれから倒れたアンタを、近くにいた攻略者達が運んでくれたのよ。

 あの助けた女は、結構重症だったらしくて、回復薬は飲ましたけど、治療ギルドにそのまま運ばれたみたいね?

 アンタは、ただの疲労って診断されたから、この宿まで運ばれたって訳ね』


『そうなのか、その人達にお礼を言わないとな...。』


 ガチャ


 話をしていると、突然ドアが開かれ、女性が入ってくる。


「あんた気が付いたのかい?」


 オレンジ色の髪に、グラマラスな体型、だいたい30歳後半だろうか?

 笑顔の似合う若女将そんな感想だ。

 ただ完全に日本人ではない、西洋の顔立ちだ。


「ノックもしないで申し訳ないね。

 まだ起きて来ないと思っていたよ...体は大丈夫かい?」


「はい!ありがとうございます!

 すいません、起きたばっかりでご挨拶が遅れてしまいました。」


「ご丁寧に有難よ。

 お腹が空いたんじゃないかい?

 あんたの変わった服は、後で部屋に置いておくから、そのまま降りておいで」


「ありごとうございます。

 お腹はかなり空いているみたいです。

 すぐに伺います。」


「了解したよ。

 あんた肉は、大丈夫だよね?沢山用意しとくよ」


「はい、大丈夫です。直ぐに伺います」


 女将さんは、そう言って扉をしめる。


『日本人じゃないよね...。』


『...当てり前じゃないっ!』


『此処どこ...?』


『...あっ!!

 まだ詳しく...話してなかったわね?』


 下に行かないといけないので、軽く身だしなみを整えて、トーカを持つ。

 多少離れても右手を通して話せるらしいが、食事の時にトーカから話してくれるらしい。


 角部屋の奥の部屋だったらしく、煉瓦造りの2階で、横に広い造りみたいで、床は木造で暖かさを感じる。

 階建を降りると木製のフロントがあり、今は誰もいない。


 いい香りがする...。


 そちらに足を運ぶと...。

 ザ酒場の雰囲気、樽を利用したテーブル、カウンター奥にある木樽には、酒が沢山入っているのだろう。

 今は酔っ払いは、いないが夜は酒場なのは、理解出来た。


「此処に座りなっ!」


 女将さんに声をかけられる。

 角にあるテーブルには、沢山の料理が準備されていた。


 本当に美味しそうだ、香りでわかる。


 席に着くと、女将さんが木のコップに入った水を、持ってきてくれた。


「お金は貰ってるから、安心して飲み食いしな」


 笑顔で答えてくれる。

 不安が、顔に出ていてたのだろうか??


 グゥ...


 お腹がなる...昨日から何も食べてなかったのを今頃思いだした。


 ナイフとホークを握り...生唾を飲む...。


 少し大きめのミディアムレアの大きめの肉に、少しニンニクの効いた香りの良いソース、ジャガイモ、ニンジン、ブロッコリーがソテーされていた...。

 パンは焼きたてだろうか?

 全粒粉のようなパンは湯気がでて、小麦粉の香りが食欲をそそる...。

 スープもあり具材は、玉ねぎとトマトだろうか...野菜の旨みが滲みでていた...。


 気が付くと食べ終わっていた...。


 旨すぎたぁ...『じゃないわよ!!』


『ごめん!食事に夢中で、話出来なかったよ』


『...昨日は、頑張ったもんね』


 食後の余韻はさて置き、話をした...。


 絶神(ぜっしん)の世界ベルターナ、神が神々を管理する世界。

 絶神は、ベルターナを創造し、4つの大陸、6つの迷宮、2つの神殿を創った。

 試練を乗り越え、人格者を神に至らせる為に...。


 ダンジョンは《ヨビコミ》により、力の強い人各者や、神器に至る可能性のある物を、この世界に召喚する。


 トーカも400年前にダンジョンに召喚されたらしい・・・。


 100年前に、神器となったトーカは、神器の学校みたいな場所が第2大陸にあるみたいで、そこを卒業して、学校から仕事を斡旋され、今の経緯に至るらしい...。

 間違いなく、派遣会社だな...。


 今俺達がいるのが第1大陸、緑と水の大陸クルヤタナと言う所で、そのダンジョン付近の街「ノルト」始まりの街と言う別名もあるそうだ。

 攻略者養成学校や、階層の低いダンジョンがあるからだとか。


 また日本に戻る方法は、わからないみたいだ。

 トーカは、第2大陸しか知らないし、日本に居たのは一時的で、地域を封印して、ヨビコミを消す作業をしていたらしい...それを姉が邪魔したそうだ...。

 本体に似せた依代(よりしろ)の様なもので、実質こちらの世界から出てはいなかったそうだ・・・。


 先ずは姉の手掛りを探し、そして帰還する。


 日本に未練はないが、残した妹は気掛かりだし、早くしないとアイツは、こっちに来てしまう恐れもある、早くしなければ...。


 そう頭の中で対話していると女将さんが話にきてくれた。


「凄い食べっぷりだったね、あんた」


「はいっ!本当に美味しくってビックリしました。」


「ありがとよ!

 所で、あんたコレからどうするんだい?《ヨビコミ》された召喚者は、稀でねぇ...サラが困ってたよ」


「...稀...ですか?後そのサラさんって方は?」


「詳しい事は、私もわからないんだけどね?

 後サラは、アンタを此処まで連れて来たやつでね、ダンジョン管理長だよ」


「ダンジョンの管理ですか?

 その方にお礼をいいたいので、居所を教えて頂けますか?

 その時にコレからの事も一緒に相談したいと思いますので」


「そうかい、サラはダンジョンギルドに居てるから、受付に伝えたら、大丈夫だよ。

 それに、本日の宿泊費は、もう貰ってるからね、あんまり遅くなると食べれないならね。

 場所は...」


 女将さんに詳しい場所を教えて貰った。

 塔の根本にあるらしい...。


 なんやねんそれ...。


 部屋にある日本の服は、目立つかもしれないので、バックにドロップアイテムと武器だけ入れて、部屋を出た。


 トーカの長さに困っていたら、長さをある程度調節出来るらしい...。

 今は小太刀位の大きさだ。


 戦闘時にも長さは、調節出来るみたいだが、神技を使う時は、普段の大太刀に戻るらしい...。

 使い方によっては、なかなか使える武器だと思う。

 流石神器...。


 でも先に言えよ...流石トーカだわ...。



 街中は、煉瓦造りや木造建築がほとんどで、文明の発達は見られない。

 昔観た映画の中の1シーンを思い出す。

 中世ヨーロッパみたいな街の造りだ...。


 道は固く踏み固められたのだろうか?

 雑草などは、生えていないが、緑と水と言うぐらいだからか周りに緑は多くあるような気がする。


 さっきから少しだけ見えていたが、あれが塔

 なのだろう...。

 道なりに真っ直ぐ歩くだけなので間違うはずもない。

 段々と賑やかになってきた、色んな食べ物の良い香りと、西洋のなどの武器なども売った店が多くある。

 人々も様々だ、武器屋にいるのは、女の子のドワーフだろうか...。

 小さくて可愛い...。

 えっ!?マジっすか...目麗しいエルフなんかもいる...本当にマジか...。

 獣の耳や尻尾は本物なのか...ここは、天国か...違う、神の国だった...。


『...おい...顔っ!顔っ!!』


 はっ!ヤバイ、ヤバイ...夢が膨らみ過ぎて、顔が崩れてしまった...あははっ!


『まだニヤけてるからっ!』


 そんなこんなで、異世界にやって来た事に密かに?興奮っ!しながら歩いて居たら、15分ぐらいだろうか塔に到着した。


 10階建てぐらいだろうか...。

 円柱で均一の取れたバランスで、高さもある。

 斜めになってない、ピサの斜塔のような外形だ。

 ただ横にデカイ、これがダンジョン...神秘的だ・・・。

 根本の部分に増設されたであろう、看板の文字は読めないが、二階建てのセメントの様な材質の建物の中に入る。


 第一の印象は、イメージしていたよりは清潔で、そして事務的だった...。


 制服姿の美人の事務員、カウンターの様な個別で仕切られた受付、列に並んだ冒険者、掲示板だろうか?

 貼られた紙は、羊皮紙では、ないと思うが紙自体は、そんなに製紙されていない、文字はわからないが真剣に見ている冒険者達を見れば、重要性が見て取れた。

 酒場はない...弱そうな僕を見て、注意する人もいない...と思う。


 受付の列の意味は、わからないが比較的少ない所の最後尾に並ぶ。

 10分程で順番が回って来た。


 受付の女性は...。

 綺麗な銀色のロングの髪に、赤色の瞳がとても神秘的な清楚系、可憐な、見た瞬間に時間が止まる様な綺麗なお姉さんだった。


「すいません、初めましてユキと申しますが、昨日ダンジョンからヨビコミされまして...。

 冒険者の方に、宿屋まで運んで貰ったものですが...サラさんにお礼を言いたいので、お取次お願い出来ますでしょうか?」


「あなたが、噂の召喚者でしたか...確かにいい香りが...しますね...。」


「えっ...。」


「いえ...こちらの話ですので...。

 私この度担当させて頂きます...マーカラと申します。

 宜しくお願い致します...少々お待ち下さい...。」


 するとゆっくりと綺麗な動作で裏手に回っていく...足音が殆どしない...。

 特別な訓練でも受けているのだろうか・・・。


 目線を感じる...。


 ゆっくりと目線の感じる所を見る。


 後ろを見ると皆視線を逸らした...。


『...トーカなんだと思う?』


『さぁー』


 トーカも心当たりはないらし、美しい人との会話に対する嫉妬では...ないと思うのだけど...。


 敵意などでは、ないと思う...。


 起きてから、ここまで来るまでも、似たような目線を、感じた...。


 微かに感じる違和感...。


「...ユキさん」


「うっわぁーっ!!」


 心臓が止まる...と思う程ビックリした。

 足音も気配さえ全くなかった...。

 なんなんだ、この人は...。


「ユキさん...すいません...驚かすつもりは無かったのですが...ギルド長がお呼びです。」


 イキナリでビッグしたが悪い人では、ないみたいだ...。


「有難うございます。マーカラさん」


 薄らと笑ってくれているようだ...。

 マーカラさんに連れられて、ギルド内の奥の階段を上がり突き当りの部屋に向かう。


 コンコン


「マーカラです...お連れ致しました。」


「おう!入ってくれ!」


 マーカラさんに扉を開けて貰い中に入る。


「初めまして。昨日は有難うございました。

 ご挨拶が、遅れました。ユキと申します。」


 目の前には、ミディアムの青い髪、頭部に角?らしい物が2本生えた、笑顔が素晴らしく似合う、活発系美少女がいた。


 ただ、後日段だが美女の笑顔には、裏がある...。


 それが教訓になる...そんな話

ここまで読んで下さり有難う御座います。

ご意見、ご感想、誤字脱字など、何でも大歓迎です。

宜しくお願い致します。

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