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第9話 謎の出会い

レンたちは脱出も目指し水道管へ戻ってきた




水道管に静けさが戻ったのも、ほんの束の間だった。




どこか遠くで、金属を引き裂くような不快な音が響いた。


それに続いて、重たい蒸気の唸り――ミストリアクターの駆動音だ。







レン(身構え)




「来たか……あの装甲兵の音だ。


 教団の兵、ここまで追ってきたんだ」




リリィは目を閉じ、しばらく集中するように息を止めた。


やがて、彼女の唇がわずかに震え




「一人じゃない。三人……それに、


 ……何か、獣みたいな気配も……」





扉の向こうから、蒸気がじわりと漏れてくる。


レンは装備アクアリヴァースの蒸気弁をひねり、水圧を高めた。




シューーーッ……!




膨張する圧力と共に、装甲の関節部に水が巡る。







壁が破られ、二体のミストリアクター兵が現れる。


彼らの背後から這い出してきたのは、腐水で変異した獣型モンスター《クラックル》。


皮膚の下に水泡が脈打ち、怒りと毒気を孕んだその体はまるで“水そのものの憎しみ”。





レン(歯を食いしばり)




「……っ! ここで止めないと、リリィを危険に晒す……!」




アクアリヴァーサーの力を手に入れたことによりレンは水圧を利用した技


水圧開放プレス・バーンを放つ


水を噴き出し、蒸気と圧力で敵を弾き飛ばす。


だが、死水獣はレンの攻撃を吸収するように身体を膨らませ、さらなる猛攻を仕掛けてくる。






そのとき――




カンッ!




乾いた音と共に、死水獣の肩から水が噴き出した。


直後、屋根の上から何かが滑り落ち、鋼の足音と共に現れた。




???(女の声)




「蒸気と水を混ぜるなんて、よくもまあ器用な装備だな。


 おかげで熱源がよく見える」




そこに現れたのは、茶色いロングコートに身を包んだ女性スナイパー。


肩には小型のドローンのような照準機を載せ、手には蒸気式ライフルを構えている。





レン(驚きながらも)




「誰だ……?」




謎の女性は片目を細めて微笑する




「“風の都市”の気流観測員……まあ、今は亡命中だけどね。


 名前はイオ。あんたら、上に行く気だろ? そのつもりなら――少しだけ手を貸してやるよ」



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