第14話 仲間の犠牲は付き物だ
…おかしい、 なんでこんなに……、まぶしいんだ…?
「おーい、大丈夫かーい?レンく~ん」
「な、なぁいくらなんでもまぶしすぎないか?それに…なんだ…この、包まれるように…心地の良い感覚は?」
イオは少し笑って言う
「まぶしいのはね、‘‘太陽‘‘だよ。それと君を包んでいるのは‘‘風‘‘さ。
ふぅ~やっぱり風は気持ちいねぇー!!」
「……これが…第一層」
視界に広がったのは、下層とは別世界だった。
清らかな水脈が街路を走り、大理石のように白く磨かれた建造物が立ち並ぶ。
レンたちは今、かつて豊かな水流を制御していたであろう遺構が今も残る巨大な水門のそばにいた
「……リリィ……」
レンは震える手を胸にあてる。
さっきまで隣にいた仲間の姿は、もうここにはない。
胸の奥で《アクア・リヴァーサー》がかすかに脈打ち、水の心臓の声が共鳴した。
——選ばれし子よ。流れを絶やすな。犠牲を無駄にするな。
「……わかってる」
レンはかすかに答えた。
「よく頑張ったね、レン君……でもここから先は、もっと厄介になるよ。奉水院の目は常に第一層に張り巡らされてる。リリィの犠牲も、今ここで無駄にしたら本当に終わりだ」
レンは頷く。
「急ごう!まずは、情報が必要だ」
イオが歩き出す
「は?急ぐったってどこにだよ?」
「この都市の情報がまとまっている場所、大図書館。そこに行けば必ず手掛かりはある」
「でも……監視の目をどうやってかいくぐるのさ?
イオは不敵な笑みを浮かべ
「……レン君、私が風の民だってこと忘れてなぁい?こっからが私の本領発揮!!」




