敵国と新たな出会い
〜敵軍〜
「ルーエ・ハンナヴァルトはどこだ」
「分かりません、以前消息不明です」
「ここに来て裏切りやがったか?姫を連れてくる
約束だった筈だが」
「貴様らがルーエを唆したのか?」
ユーマが自軍を連れて敵軍に乗り込んだ。
「エターナル王国のユーマ・リデルか」
「ルーエなら我が国で捕まえた。
牢屋にぶち込まれてもなかなか口を割らない。
貴様ら、何か知ってるか?」
「姫を連れて来たら教えてやらん事も無い」
「やっぱりそうくるか。悪いが姫は渡せない」
負けられない戦いが始まった。
〜エターナル王国〜
「うぅ…痛い」
まだ傷が痛む。私はベッドで横になっている。
敵軍が自分の国に来たら私は何も出来ない。
ユーマが軍を連れて行ったと聞いたが心配だ。
「起きましたか?おはようございます」
「ミスティ教官。おはようございます」
「今日は私がユーマの代わりにルーエさんを
取り調べしましたが、どうやら姫と逢瀬を
重ねていた事が分かりました」
「え?姫と?本当ですか!?」
「はい。姫の日記も許可を得て拝読しましたが
何回も姫の部屋にルーエは足を運んでいたようです。
何より姫がそれを認めていました」
「既に交際関係にあったという事ですか」
「ええ。近い内に私達に伝えようとしていた所に
今回の裏切りが発覚しました。ルーエは本当に
姫の事を想っていたらこんな事はしないのでは
無いでしょうか?」
「そうですね。最初からそういうつもりだったかも
しれませんし」
「姫にはルーエに対しての意見は内密にお願いします。
彼女は傷つきやすいですから」
私は「はい」と言い再びベッドに横たわる。
ミスティが去って暫くした後、ドロシーがやってきた。
「姫、今日もご無事で何よりです」
「エルシー、ミスティさんから何か聞いた?」
「え?ああ、はい。ドロシー姫とルーエが
交際関係にあったと聞きましたけど」
「ルーエの本当の気持ちはどこにあったんだろう
って最近考えるの。まさかあんな事になるなんて」
泣きじゃくるドロシーを前に私は冷静になる。
「まずは落ち着きましょう」と彼女を座らせ
深呼吸させる。
「ありがとうエルシー」
そうドロシーに言われ私は彼女の背中を摩る。
そうしているとミスティが突然現れ
「二人とも急いで逃げて下さい!敵軍がやって来ました!」
と言い私の嫌な予感が的中してしまった。
「姫は教官に預けますね」
「何言ってるんですか!!貴方も私が守ります!」
私は怪我をしている為足手まといになると考えそう
言ったがミスティに連れられ部屋を出た。
「悪いミスティ!結局姫を渡せの一点張りで、
戦ってる兵士達ももう限界だ」
「分かりましたユーマ。治療は私がします」
「悪いな!」とユーマは再び前線に戻って行った。
彼がここまで追い詰められると言う事はかなりの
強敵だ。
グサッ
ふと私の背後から音がした。
私の背後を狙った人物が居た。それは
「ルーエ…!?なんでここに!」
牢屋に閉じ込められた筈のルーエだった。
敵軍が彼を解放したらしい。私は瀕死の重体になった。
手足に力が入らない。何か言おうとしても
意識が遠のいて話せない。
誰かが叫んでいる声がした。恐らくミスティだろう。
ああ、やっぱり私は彼に迷惑をかけてしまったと
思った。
そうして私はそのまま息を引き取った。
〜数日後〜
「エルシー!エルシー!お願い目を覚まして!」
「残念だけど目覚めないよ。俺がこの手で殺したから」
ルーエとドロシー達は敵国ブラッドヘル王国に居た。
結局ドロシーは連れてかれてしまった。
「ルーエ!なんでこんな酷い事が出来るの!」
「私達まで拘束して…どうするつもりですか?」
ドロシー達の訴えを無視しルーエは上官の元へ行く。
「実の妹を手にかけた気分はどうだルーエ」
「………俺は指示に従ったまでです。
これでエターナル王国と母が救えるなら仕方ない事」
「ああ、お望み通りお前の愛する国と母親は守られる」
「我が軍の犠牲者が何人出たと思ってる!?
正気かルーエ・ハンナヴァルト!」
ミスティがルーエに向かって叫ぶ。
「とにかく姫には新しい部屋を用意してあるので
そちらへどうぞ。ルーエ様もご一緒に」
「はい」とルーエは言うとドロシーを連れて行って
しまった。
兵士達は縛られたままだ。
「亡くなった方達の葬儀は出来なさそうですね
ミスティ殿」
「そうですね…私達が下手に動けば何されるか分かりません」
「おいミスティ、エルシーの最期の顔
見届けなくて良いのか?」
そうユーマがミスティに聞いた。
「私にはその資格がありません。
守ると言って守れなかった訳ですから」
ミスティは自分が私を守れなかったと悔いていた。
悲しみに暮れる我が軍。
一方の私はと言うと謎の空間に居た。
「やっほーエルシーちゃん!あたしはノワール!
異空間管理者だよ。こっちはネロ。貴方が
あの世にいけるまでネロが貴方を管理します」
「ネロだ…宜しく頼む」
尖った耳と赤い瞳と真っ黒な服に身を包んだ彼らに
私は囲まれていた。死後の世界にしては暗過ぎる。
「僕はメリル。皆の夢の中の管理者です」
メリルは二人と逆で白い服装をしていた。
三人はどうやら性別が無いらしく無性別だと語った。
「今回で何人目だろうな。こんな悲しい最期を遂げた奴は」
ネロはそう言い謎の機械を弄っている。
そこには私の居た城やミスティ達の様子が写っていた。
私の遺体も見えた。
「うっ」
吐きそうになる私の背中をノワールが摩る。
「よしよし。他にもこの戦いで死んじゃった子達
居るからそろそろここに来るよ」
他の兵士達も次々にやってくる。
皆不思議そうな顔してやってくる。
「ネロは死神の手伝いしてるんだけど、あの世行きが
いっぱいになるとここで待つ事になるんだ」
ノワールは平然とそう言った。私はよく分からないが
周りの様子が少し見れて安心はした。
これから私が語る内容はここから見えた内容になる。
私が本当にあの世にいけるように3人はサポートするらしい。




