第6話 星の扉、未来への一歩
LeN:(れに)です。
明後日から平日ですね。
辛いです。誰か休日に変えてくれませんか?
結は目の前に現れた扉をじっと見つめていた。
その扉は、まるで空間そのものが切り裂かれたかのように、空中に浮かんでいる。
暗い鉄の扉に刻まれた無数の紋章は、どこか不気味でありながらも、なぜか引き寄せられるような魅力を放っていた。
結はその扉に向かって足を踏み出す。彼女の心臓は、普段よりも早く鼓動を打っているように感じた。
「ここが、次の試練の場所……?」
思わず呟いた言葉が、静寂を打ち破った。
その声が空間の中で反響し、消えていく。
結は深く息を吸い、もう一度その扉に手を伸ばした。
冷たい感触が指先に伝わり、その冷気がどこか現実的でないように感じられる。まるで、この場所自体が時間を超越しているようだった。
「どうして……こんな場所に?」
自分でもその問いかけが、意味を成しているのかどうか分からなかった。
それでも、今の自分にできることは、この扉を開けることしかない。
結は意を決して、扉を押し開けた。
扉がゆっくりと開くと、目の前にはまるで別の世界が広がっていた。
その空間には無数の星が瞬いており、空全体が幻想的な紫色に染まっている。
星々がまるで生きているかのように輝き、結の心に強く訴えかけてくる。
結はその美しさに圧倒されながらも、足を踏み出す。
歩き続けるうちに、目の前にひときわ大きな浮遊する島が現れる。その島の上には、古びた石の柱が立ち並んでいた。
どこか忘れられた時代の遺物のようなその柱を目の前に、結は立ち止まった。
「試練……」
結は自分に言い聞かせるように呟いた。
それが何を意味するのか、まだ理解できない。
でも、この場所に足を踏み入れることは、逃げられない選択だと分かっていた。
その島の中央に、大きな石の扉が立っている。それはただの扉ではなく、いくつもの複雑な模様が刻まれている。
その模様が結の心の奥底に触れるような感覚を覚えさせ、彼女は自然とその扉に近づいていった。
手を伸ばしたその瞬間、背後から声がした。
「まだ早い。」
結はその声に驚き、振り返った。
そこにはアリエルが立っていた。
いつものように淡い青色の衣をまとい、静かな微笑みを浮かべている。
「どうしてここに?」
「あなたはまだ、この試練を受ける準備ができていない。」
アリエルの言葉に、結は戸惑いを覚えた。
「準備が……できていない?」
アリエルは静かに結の目を見つめ、その言葉を続けた。
「試練には、覚悟が必要です。あなたは今、過去と未来の選択を迫られている。しかし、その選択にはすべてを背負う覚悟が伴います。」
結はその言葉に、胸が締めつけられるような気持ちを感じた。
過去――自分が一度も振り返りたくなかった記憶。それを背負って、進む覚悟が必要だということか。
「覚悟…」
結はその言葉を胸に刻みながら、再び目の前の扉を見つめた。
それが自分にとっての試練だとしたら、どうしても向き合わなくてはならない。
「でも、私は怖い。」
結はその気持ちを抑えることなく口にした。
「過去を受け入れるのは、怖い。」
アリエルは静かに彼女に近づき、その手をやさしく肩に置いた。
「怖いのは当然です。でも、その恐れを乗り越えることが、あなたの成長につながります。過去を受け入れることは、決して楽なことではありません。しかし、それを乗り越えた先に、あなたにしか見えない未来が待っています。」
アリエルの言葉が結の心に響いた。
その言葉を聞いたとき、結は何かが変わるのを感じた。
勇気が湧き上がり、背中を押されるような気がした。
「私は、進まなくちゃいけないんだ。」
結は小さくつぶやいた。
その声に、決意を込めて。
結は再び扉に向かって歩き出した。
その足音が、空間の中で力強く響き渡り、彼女は扉の前に立った。
その瞬間、扉がゆっくりと開き、まるで新しい世界へと誘われるように、結はその先へと一歩を踏み出した。
扉を越えた先に待っているものは、まだ見ぬ未来だった。
でも、その未来を切り開くのは、間違いなく自分自身だと信じていた。
アリエルの声が、結の耳に届いた。
「さあ、あなたの選択が、これからの道を決める。」
結は深く息を吸い込み、足を踏み出した。
その先に何が待っているのか分からないけれど、彼女は確信していた。
どんな試練でも乗り越えていく覚悟ができていることを。
(たぶん)続く
相変わらずアリエル怖いですね。
私は著作権が怖いです。某ダズニーだか、デゾニーだか言うところですよ。あそこ厳しいのでね……あー怖い。