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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦火に咲く華

作者: 背徳のアザゼル

この村の周囲にはとても美しい花を咲かせるラテと言う名の植物が多く自生している


美しいがとても繊細で一度でも根や茎に傷が付くと花を咲かせる事無く枯れてしまう。しかも花を咲かせるのは種から発芽から最低でも二年後以降なので村人達は少し離れた場所でたまに水や液肥をやりながらその美しい花を愛でていた


その年。隣国との戦争はこんな田舎の村までをも巻き込み村の周囲には多数の地雷が埋められ沢山の人が命を落とし 負傷した


村を出ようにも何処に地雷が埋まっているかがわからず悪戯に犠牲者を増やしていた


ある日、遺体に抱きつき涙する家族の元へ友人がラテの花を持って来てくれた


亡くなった彼も当然ラテの花を愛していた。天に送るのに相応しい供物だろう・・・・


そうか。今はラテの花が咲く時期か・・・


村の外を埋め尽くすラテの花園を見た村民達はこの中で死ねるなら本物かもな、と思った


まあ、出来ればラテの花に損害を出したくないので少しはなれた場所をラテと花を見ながら歩いて脱出を試みるかな?と思っていた村人だがラテの花園の中に花を咲かせて居ない場所を数ヶ所見つけた


花を踏まずにそこへ行こうとすると丁度人が歩く場所にも小さな花の無い場所がありそこを歩いてそこを調べる。そして慎重に掘ってみるとそこには地雷が埋められていた




ラテの花はとても繊細で茎や根を傷つけると二度と花を咲かせる事は無い


花が咲くまでに最低二年かかるので綺麗な花が咲いている場所は二年間以上踏まれたり土を掘り返されてはいない


戦争は一年以内に始まった・・・



『ごめん・・・ごめんね・・・』

『絶対に生きて・・・生きるから』

『帰ってくるから・・・ごめんなさい』


村人は涙を流しながらラテの花園を踏みつけながら歩みを続けたのだった


生きる為に。命を繋ぐために・・・


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