第6話 学長の闇
元黒の、一見まともに見える指摘に学長はため息を1つつき、言う。
「あのね、いいことを教えてあげるよ。」
「はい?」
「うちの一族、つい10年ほど前に私が長になるまで男しか術を習得することが禁止されてたんだわ。だから、だーれもいないんよねぇ。」
「10年もあれば1人くらいいるのでは・・・?」
「私が長になるまでは男は全員術師、女は次代の男を産むための存在、っていう古臭い習慣が横行してたからねぇ・・・先代が戦死して、私が10歳で長になった後も長老共はそのままにしようとしたが、私がぶっとばして変えたのさ。ま、結局男性の大半は家族と一緒に他の古臭い考えを改めれない一族に移籍してしまったし、フリーの女性は皆社会に旅立っていったさ。で、残ってるのは独身の男ばかり、ってね。ははは・・・はぁ・・・あの当時、私は思いを寄せていた女性が本人の意思にそぐわない結婚をする、という話をきいて古臭い慣習を変えたっていうのに、あの人は私の思いに気付かず」
「学長!私が悪かったですから!そんな暗い顔をして延々と昔話を始めるのはやめてください!」
元黒が話を遮ると、学長はハッと何かに気付いたかのように顔を上げ、謝罪する。
「すまんね、元黒君。ついうっかり。ま、まぁ、そんなわけで私の知り合いの魔力を紡げる女性は3人しかいないってわけだ。」
「その、先ほど3人と聞いた時も不思議に思ったのですが、四変王の中の女性のもう一人である根っこ様は魔力を紡げないので・・・?」
「ん?紡げるよ?」
「3人ではなく4人ではないですか?」
「怒らせちゃって顔合わせたらぶん殴られるから怒りが静まるまで知り合いから一時的に外れてるのさ。」
「・・・また怒らせたんですか?私と会った宴会の時も怒らせてませんでしたっけ?」
「性格的な相性がきっとよくないんだね。ついうっかりぽろっと本音を言っちゃう私の性格が嫌いなようだよ。」
「まぁ、学長はそういうところありますからね。」
「否定してくれてもよくない?」
「事実ですから。」
「10歳から長やってるからしかたないんですー。」
「あー、はいはい、そうですね」
「そうだよこーあん、わかってるんだし治そうとしましょ?」
「やです。」
「まったく・・・ま、私のやるべきことは終わったし、帰るね?術教えるの頑張ってね~」
そういうと巫女姫は空間を繋げて帰ろうとする。
「「ありがとうございました!」」
「私の代わりをお願いしてしまい、お手数おかけいたしました。」
「ありがとね~・・・って、ん?何か忘れてる気が・・・」




