第2話 女装男子、良し悪しは本人ではなく他者が決めるのはなぜだろうか
怒鳴られた藍田は、それでもナニカの顔を正面から見、言う。
「だって、学長、女装したらかわいいと思ったんですもん!いいじゃないですか!それに思った通りとってもかわいいです!」
「良いわけあるか!私は男だぞ!それに、自分では脱げないんだぞ!服をすり替えておくとか、ふざけるなよ!?」
その声とともに、暗い部屋、もとい学長の自室の電気が点灯し、車椅子に座った女にしか見えない女装した学長と、勝手に女装させたことを叱られている藍田が照らされる。
「だって学長、女の人みたいに体細いんですもん。それに、肌白いし、すべすべだし・・・」
それは苦し紛れの言い訳とすらなっていない、責任転嫁のような発言であった。
「はぁ・・・私、呪術師なんだよ?運動の必要なんてなく、常日頃から研究のために暗い部屋に籠ってるから日に焼けないし筋肉なんかつかない。で、色々な術実験してる間に寿命という概念が私からなくなって常に生命力が溢れてるから肌も常時最適な状況を保っているというだけで、一切女性的な見た目になろうとしているわけじゃないんだよ?」
藍田は何かに合点がいったのか、右手を握りしめ、その手で左手をぽん!と叩き、頷きながら言う。
「あ、だから大怪我してたはずなのに次に会った時は治ってたんですね。ずっと疑問だったんですよ!」
学長は、呆れた表情を浮かべる。
「そうだよ。それに何回か死んでも復活するしね。魔術のことを知る者であれば誰でも知りたいと願う不老術について聞いてもその反応をする、それが私の弟子入りする条件の1つとは言え、あっさり流されると、それはそれで寂しいなぁ・・・ほかの人は皆得ようとしたのに・・・」
何か気にかかることがあったのか、藍田が首を傾げ、尋ねる。
「え?弟子入りする条件って、何ですか?私、そんなの知らないですけど・・・」
そういえば言っていなかった、そう思った学長は説明することにした。
「あぁ、いくつかあるんだけどね?私の『弟子入りしない?』っていう質問に『お願いします』って答えた時点で、深層心理に問いかけて、条件を満たしているかどうかを判定する術が発動してるから気にしなくていいよ?」
「え、何ですそれ。不老術よりもそっちが気になるんですけど。」
「ん?まぁ、それはそのうち教えるけど、条件についてね?」
「あ、はい。」
「一つ目、得た知識を悪用しないこと」
「んー、それって、今の段階で聞いて判断着くようなものですかね?力を得てから調子に乗るかもしれませんよ?」
「あぁ、大丈夫、判定する術が結構複雑な上にとある大きな力を持つ存在の力を借りているからね。で、二つ目、何らかの悪意をもって弟子入りを望まないこと。これは、私から何か盗んでやろう、とか私の知り合いの誰かとのつながりを利用してやろう、とか、不老術を得て金持ちに売り払ってやろう、とか思ってる人を弾くためのものだね。」
「あぁ、確かに大丈夫そうですね。」
「まぁそもそも私から声をかけたんだから、関係ない話だけどね。で、三つ目」




