第20話 憎まれっ子世に憚る
「うっそだろぉぉぉ!?誰もうけとめてくれないのぉぉぉ!?」
「くっそ!これあんまり使いたくないんだけどなぁ!白面金毛九尾の狐よ!力の一端を返そう!だから止めて!」
「むむ!?であれば仕方あるまい。前払いじゃぞ!」
「わかったよ!封・解」
そういうと落ちて来る学長の懐から飛び出した札から金色の光の玉が金狐に向かって飛び、当たると金狐が輝きだした。
そして輝きが収まったころには、小学生低学年から小学生高学年程度まで成長した、金色の狐耳を持つ、尻尾が二本生えている幼女がいた。
「ちっ。この程度か。まぁ、仕方あるまい。契約は契約じゃ。ほれ」
そういうと尻尾を振るい、風を引き起こし、学長の落下速度を弱める。
無事勢いが殺され、残り1mほどしかない程度まで降ろされた後、ふっと力は消え、学長は落ちる。
「ぐえっ!痛ぇ・・・」
「おいおいこーあん、なまってるんじゃないか?」
「学長生活が長すぎて腑抜けたのかし?」
「・・・さすがにそこまで鈍っているのはどうかと思う」
「こーあん、訓練に参加するか?」
「ん?お前もしかして・・・」
「そうだ、こーあん。操糸術のこと聞いてなかったから死にかけた。」
「大丈夫か?」
「あわわ・・・そのまま落ちてたら大変なことになったんじゃ・・・」
「ぬ?お主、妙なことになっておるのぉ・・・」
その反応を聞き、学長が文句を言う。
「なまってるんじゃないわ!まともに心配するのが神名さんだけってどうなっとるんじゃい!そして操糸術なんか知らんわ!しんさんはよく見ればわかるだろう!そして白面、妙とはなんだ妙とは!」
「知らんって・・・」
「あ、呪われてるのか。え?誰に?」
「白面というでない!我には神名殿がつけてくれた金狐という名があるのじゃ!」
「いくつ術があると思ってるんだ!で、誰かっていうと、傀儡通したロキ。行動不能の呪いだ。・・・そして、名付けたってことはきっちり契約できたようで何よりです」
「む、それもそう・・・仕方ない、許してあげる」
「うげ、ロキかよ。んじゃ俺が解呪して・・・んん?なんだこれ、どうなってるんだ?」
「契約?そんなのした覚えは・・・」
「む?人が妖怪に名をつけ、妖怪が受け入れればそれは契約成立じゃよ?神名殿。それにしんとやら。その男にかかっている呪いは術者が死ぬか解除するまで解けない面倒な呪いじゃよ。代償が大きいだろうに・・・」
「えっ?・・・契約して問題ない・・・のか・・・?」
「傀儡に代償だけを肩代わりさせてるんだよ。トリガーはロキだからロキが死なないと解けないが。まぁ、今粕窪さんのパーティーが行ってくれてるからね。きっと大丈夫・・・それと契約に人間側の不利益はないから安心して?」
「そ、そうか」
そんな楽し気な雰囲気であったが、粕窪がロキを逃してしまい、阿鼻叫喚となるのはこの数時間後の話である・・・




