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自称管理者の同族作成記?  作者: Lis
第1章 赤
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第6話 臨時集会と買い物

7月14日朝・体育館


「えー、誠に残念ながら、わが校の3年2組、斎藤、佐藤、村井、伊藤の4名が冒険者としての

能力をもちいた犯罪行為を行ったとして無条件捕縛、

少年院に送られることとなったため、退学となりました。

ほかの生徒諸君はこのような人の道に反した行為をしないようにしつつ、

学生生活を謳歌してほしい。」



臨時集会が終わり、生徒たちは教室に戻っていった



静葉は、目の下に隈を作り、眠そうな顔をしながらも、授業を受けていた。


(あの人と、き、キスしちゃったって考えたら、

一睡もできなかった・・・私を助けるためってわかってるけど・・・えへへ・・・)


集中できていたかは、言うまでもない。


昼休み、教室のドアが音を立てて開き、アゲハが静葉のもとに走ってくる。


「静葉ちゃん!週末はどこのダンジョンに行く?・・・顔色悪いけど大丈夫?」


「え、あ、うん。ちょっと眠れなかっただけだから。」


「そーお?ならいいや!で、どこのダンジョンに行く?」


「んー・・・じゃぁ、駅前のH級ダンジョン、小鬼ダンジョンでいいんじゃないかな?」


「この間のG級の近くのところだね!わかった!迎えに行くね?」


「んー・・・私、飛べるし、現地集合でいいんじゃない?明後日の9時で」


「ん?明日じゃないの?」


「明日は、スキルにあった道具と、服を買いに行きたいから。」


「わかった!明後日の9時ね!」


その日静葉は帰宅後、宿題を済ませ、夕食を食べ、入浴をした後、

睡眠不足の影響であっという間に眠りについた。


7月15日、静葉は7時に起床し、鮮色駅付近のダンジョン街に買い物に行った。


武器屋にて


「太刀・・・高い・・・直刀・・・も高い・・・

お年玉とお母さんにもらった軍資金合わせても脇差か短刀しか買えない・・・うーん・・・

脇差にしようかな?調べた限りでは確か、抜刀術に2本刀使う技が高レベルで出るらしいし、

無駄にならないよね・・・」


結局この日静葉が購入したのは、抜刀術用の脇差と飛行用のショートパンツである。

本来は太刀や直刀を買いたかったのだが、値段が高く、手が出なかったのである。

スキルをもちいた太刀による抜刀は最大級の威力を誇るといわれているため、ダンジョンで稼いだら

太刀を買うと心に決め、翌日に備えることにした。




7月16日、日曜日。快晴。ダンジョン日和である

ダンジョンは異空間である以上、どのような天気であっても戦闘に影響はないのだが、

ダンジョンに行くまでの気分が変わり、より戦闘がうまくいくといわれているのである。


早速昨日買った飛行用のショートパンツをはき、集合時間の5分前である8時55分に

鮮色駅近くの小鬼ダンジョン(H級)までやってきた静葉は、驚きの光景を目にすることとなった。



いつも必ず遅れてくるアゲハが、先についているのである。5分も前なのに、である。



静葉はまず、飛行中に目にゴミが入ったわけではないかぬぐい、

次に駅の時計と腕時計を見比べ自らの時計がずれているわけではないことを確かめ、

最後に自らの頬をつねり、幻覚を食らったわけではないことを実証し、

ようやく目の前の信じがたい光景を現実であると認識できた。


幼稚園時代から集合時刻から5分10分遅れてくるのが当然で、

小学生になれば約束をしたこと自体を忘れて翌日謝罪されることがままあり、

中学に至っては始業式にすら遅刻してきたアゲハが、である。


静葉はアゲハに「おはよう」と言った後、自らの装備を再確認し、

緊急時用の赤いポーションと青いマジックポーション、黄色いスキルポーション

がすぐ取り出せる場所にあるかを確認し、靴紐が切れる兆候はないか、

緊急時用の発煙筒、最低限の水分、糖分、塩分補給用アイテムがあるかを確認し、

バッグにほつれや弱い部分がないかを確認し、

ダンジョン犯罪者集団の象徴的なマスクをかぶった集団がいないかを確認した上で、

「ごめんね、ちょっと不安になっちゃって。もう大丈夫。さぁ行きましょう。」

と声をかけた。


戸惑ったアゲハが、

「う、うん。いきなりどうしたの?」

と静葉に問いかけたが、静葉はアゲハの両頬をつかみ、伸ばし、

「うん、この触り心地は本人ね。特に何でもないわよ」

と言い、ダンジョンに歩を進めた。

アゲハは何があったのかと考えたものの、まぁいいかと思い直し、

「まってよ!先に一人で行かないでよね!」

と言いながら駆け出した。


結論から言えば、この日は無事スライムを魔法をもちいて120匹ほど狩り、

小鬼ダンジョンと呼ばれる所以となったBOSSであるインプに対して脇差の試し切りも果たし、

3400円ほどの収入を得て幸せなランチを取り、

補給のためダンジョン街を訪れていた、有名なSランクパーティYggdrasillに去年4月に参入した

黄泉にサインを書いてもらい、幸せな気分でその日のダンジョンチャレンジを終え、

翌日はG級の小鬼ダンジョンに挑むため9時に集合することをアゲハと約束し、各々帰宅した。

そして夕食を食べながら母親に黄泉のサインをもらったことを自慢し、入浴などを済ませ、

部屋の一番目立つところに額縁に入れて飾り、明日のために早く眠ることにした。

感想大歓迎です。

☆やいいねをよろしくお願いします。特に☆は1でもいいので何卒・・・

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