第16話 記憶と降臨
黄泉がわけがわからない、そう訴えかける表情をしているのを見て、ロキは上機嫌に話を再開する。
「さて、ではなぜ私が忘れていないのか、疑問であろう?その答えは、私には妖怪の血が流れているからなのさ!古の時代に大妖怪と交わった我が灰原家は、本来人から消える記憶を保ち口伝した。さらに、人より多くの魔力を持つ我らは力を持つ名家の1つとして数えられるようになったのさ。だが、それもお人好しであった私の両親が術すら使えぬ凡才共に財産目当てで襲撃され、死ぬまでの話であった。私は一人生き残り、親戚の家をめぐり、術を使えぬ者どもに迫害された。そして、術すら使えぬ凡才共を術を使える優れた者たちが管理すればいい、その考えへと至ったのだ!何もできない愚者は、優れた我らが管理してやるべきなのだ!」
それを聞いた黄泉は、顔を伏せ、ロキに表情を読み取らせないようにする。
「はは!貴様も理解したか?そうさ。私は正しいのだ!そして、凡才の、何もできない者であるはずの雑魚共が力を得ている今の世は間違っている!想定外ではあったが、今、貴様の死でもって間違った世界の終わりを告げてくれよう!」
そう言い、剣を黄泉にぶつけようとするその刹那
【限界突破】
という声が響くとともに黄泉から漆黒の魔力が噴き出し、ロキは吹き飛ばされる。
「むっ!?なんだ、これは!」
「では、なんだ?私たちは、術を使えないのにもかかわらず力を持っていたが故、見せしめにされた、と?」
「っち。復活したか。そうさ!調子に乗るから」
あのようなことになったのだ、そう言おうとしたロキの顔面に黄泉の拳がめり込む。
「がっ!?どうなっている!確実に、縛っているはずだ!」
「あぁ・・・縛っていた、な。圧倒的な魔力さえあれば術なんて蹴散らせる、そう学長は言っていた。それは事実であったようだ。5分で仕留めてやる。」
勢いよく噴き出した魔力を複数の鎌の形にし、飛ばしてくるがそれを切り払いながらロキは気付く。
「あぁ・・・?そうか、スキルか。しかも、時間制限があるのであろう?」
それを聞かなかったことにして黄泉は攻撃を続けるが、魔法は分解されてどこかに吸われ、自身の物理攻撃が当たる前に避けられ続けた。
そしてついに魔力が尽き、倒れる
その寸前、何もないはずの空間から一人の女性が現れる。
「ドクターストップだ、黄泉ちゃん。ここからは私の」
そう言ったのと同時に、4人の男女が現れる。
「「「「「いや、私たちが代わろう」」」」」




