閑話⑫ 決着
学長の余裕のある態度に、ロキは腹を立て、煽る。
「はん!そうか!では、絶望するがいい!貴様の頼りの綱は、1度この体を殺したことで去ってしまったぞ!」
それを聞いて尚、学長の表情は変わらない。
「あぁ?知っているが、それが絶望する理由にはならんな。」
「なんだと・・・?私がこの体を操れば貴様を殺すことなど容易いのだぞ!」
「はっ。それは無理だな」
「・・・なめるな!」
ロキが怒るが、学長はそれでも表情を変えない。
「おいおい、舐めてないぜ?」
「では、どういうつもりだ!この状況から私に勝つというのか!」
「あ?んなん出来るわけないだろう?」
「では!みじめに命乞いでもしたらどうだ!そうすれば、過去一時的とはいえ私を従えていた頃のよしみで見逃さなくも」
「結構だ。」
学長がロキの発言に被せるように拒絶すると、ロキは一瞬落胆の表情をし、すぐに殺意に満ちた笑みを浮かべる。
「では、死ぬがいい。あの当時の生に執着していた貴様からは考えられぬ最後であったな!」
そう言うとロキは右手を真横に伸ばし、手を開く。
「出でよ、全てを焼く炎の剣」
「おぉ、魔法疑神器か。」
「これを見ても余裕があるというのか!なめるのもいい加減にしろ!」
そう言い、ロキは学長に剣を振るい、学長が燃え尽きる
その寸前、雷により建物はすでに消し飛び見えるようになった空から、黒い何かが降ってきて、その剣をかき消す。
「最速、その名を冠する偉大なる大空の覇者、粕窪参上!こーあん、生きてるか~?」
「粕窪さん、最速の割には遅くないです?全く、私、死にかけですよ。まぁ、最速よりもよく冠してる多忙があるから仕方ないんでしょうが、来る気配を察知して切り札を切ってそれでも着かないから頑張って白兎で引き延ばしてたんですから。」
「すまんて。途中大陸から流れて来る竜種が見えたからちょちょっと仕留めてきたんだ。こーあんなら大丈夫かと思ってな?」
「まぁ、生きてるからいいですがね。」
そんな会話を、粕窪は手に持つ黒い剣でロキの攻撃を防ぎながら行っているのである。ロキが怒るのもある意味当然と言っていいのかもしれない。
「ふざけるな!貴様は何者でどこから現れた!」
「だーかーら、粕窪だって。あ、所属かな?ダンジョン関連特務警官、3大執行官が一人、『最速』の粕窪だ。どこから、と聞かれたら北海道から、かな?」
「貴様!私を馬鹿にしているのか!北海道からここまでどれだけの距離があると思っている!」
「こーあんが危ないからって飛んできたのさ。文字通りね。」
「あぁ・・・あぁ!貴方はいつもそうだ!周りに赦され、馴染む!貴方の将来に災い有れ!」
そういうとロキは本来の物言わぬディルの死体へと戻った。




