第15話 『術』
ロキが苛立ちながらも、攻撃をやめたので、黄泉は話し始める。
「『我を裏切り愚かな行為に手を染めし灰原よ、貴様は人ならざるモノの力を侮っている。ゆえに、貴様の計画は失敗するであろう』だってさ?まぁ、そんな人ならざるモノが出てくる前に私が仕留めるけど」
それを聞きようやく誰が自身のことをばらしたのか理解したロキは、悪態をつく。
「・・・**か!む?なんだ?名前が・・・これは、あいつめ、名を消したのか?」
「あぁ、事故で消えたらしいよ?本人は、情報規制の必要がなくなったと笑っていたがね。」
「っち。あいつめ、秘められし事柄を他人に軽々しく伝えおって・・・」
そう言いながらも再び剣を生じさせ、今度は喰われぬように大きさを上げ、炎に黄泉が飲まれるような軌道で振り下ろす。
「この大きさはさすがに喰いきれんか。」
そう言い黄泉は飛びのこうとする。
「なっ!?」
その足にはいつの間にか黒く細い糸が絡んでいて、行動を遅らせ、炎による攻撃は直撃した。練り上げられた魔力による炎は黄泉の内部から焼き、一瞬にして満身創痍となる。
「がはっ。はぁ、はぁ・・・貴様の魔術は、傀儡ではなかったのか・・・?」
その黄泉の問いに対し、ロキは不機嫌そうな表情をしながら答える。
「っち、魔力を練った攻撃だというのに、まだ生きていたか。それにしても、そんなことまで話していたとはな。あぁそうさ。私は傀儡術の使い手だ。」
「では、なぜ・・・!」
「そもそも傀儡術は人形術からの派生でであり、人形術は操糸術からの派生だ。傀儡術の使い手である私が糸を操ることなんて、容易いに決まっているだろう?それともなんだ?その程度の話すら知らんのか?冥土の土産に教えてやろう。」
「何を・・・」
「この世界にスキルなどというものが生まれる前からある魔術、それらはすべて1000年前に存在していた魔窟、それを攻略するために生み出された技術なのだ!」
「は・・・?」
「そう、これを聞いたことがあるだろう?このダンジョンとスキル、これはこの星において、初めての出来事ではない!知的生命体が生まれた後、約1000年に1度発生し、また約1000年後には消える、それがダンジョン、過去でいう魔窟だ!その当時の名残が魔術であり、妖怪だ!この世界に1度満ちた魔力は消えることなく、されど薄まり人に宿り、魔窟の存在は人々の記憶から消えていた!そう、人々の記憶からは消えていたのだよ!」
体の内部が焼かれ、意識が朦朧としつつも、逆転の機会を狙っていた黄泉の顔には怪訝な表情が浮かぶ。




