閑話⑧ 学長の過去
それを聞き、逃がすまいとディルが結界を殴って壊そうとするが、破れない。それに怒ったのか、魔法を発動する。
「ふん!なかなか固い結界ではないか!だが、物理結界では魔法は防げまい!業火魔法Lv3、フレイムアロー!」
ディルが放った矢が学長が張った結界にあたるが、まったく傷つかない。
「ど、どうなっている!?」
「ま、この結界は、黄泉さんにすら破れない結界だ。君ごときに破れるはずがないだろう?おとなしく引いた方がいいと思うよ?」
「くそ!なめるな!」
怒り心頭のディルだったが、とあることに気付く。
「この結界は、1面にしかないではないか!ふふ、どうやらこれは1枚しか張れないようだな。それに、形も変えれぬのか?はん!回り込めばいい話ではないか!」
「っち、気付かれたか。だが、まぁいい。逃げる時間は稼げただろ。」
「な!?しまった!覚醒者共が出払っている今が絶好のチャンスだというのに!貴様、許さんぞ!」
「許してもらう必要はないさ。それに、他の覚醒者が出払っている間の防衛を一任されているのだから、こうなることは必然だったのさ。」
結界を回り込んだディルが、学長に怒りをぶつける。
「ふん!このロキ様から授かりし神器で今すぐに貴様を殺し、任務を遂行してくれるわ!いでよ!神器・吸血の剣!」
そう言い、剣を振りかぶり、学長に切りかかる。
「魔術のことをかけらも知らされていない、ロキの阿呆の部下如きが、私に勝つ?笑わせるな!防げ、神器・絶対なる盾!」
ディルの剣が学長に迫るその瞬間、光り輝く盾が出現し、ガキンッ!という音を立てて弾く。
「っく!貴様も神器使いか!」
「あ?当然だろう。私を誰だと思っているんだ?」
「貴様のことなど知らぬわ!」
それを聞き、すこし落ち込みながら学長は言う。
「っく・・・この我に精神攻撃を仕掛けるとは、なかなかやるではないか!我こそは!在りし日に聖光大帝と呼ばれし強者にして過去にロキを従えし者なり!ロキ以下の貴様に負ける筋合いはない!」
それを聞き、ディルは驚き、思わず言葉をこぼす。
「なっ!?では貴様が、方針が合わずにロキ様が抜けたという、ダンジョンを民間に開放しようとした聖光教団のトップだったというのか!」
「うっ・・・聞いてるのかよ。私の黒歴史を聞いてるなら生かしちゃ置けないな!」
「なっ!?今貴様、名乗ったではないか!」
「あ?そんなん、カマかけに決まってんだろ。あいつめ、私を裏切るどころか、黒歴史を拡散するとは・・・やはり仕留めておくべきだったか。」




