第8話 卸さない
「そのダンジョン災害、普通にダンジョンが運営されていれば起こることはなかったんだ。」
「そんな馬鹿な!ではなぜ!」
「ロキとその一味がダンジョンの外で冒険者の突入を妨害した結果、2016年1月14日にダンジョン氾濫が発生、死者が多数出る大事件となった。当時管理していた者たちは皆マーラの魅了で操られ、自意識を失っていたそうだ。そして、その件について動いた付近の県のトップクラン、ランスを壊滅させた。これが、この国で唯一発生したダンジョン氾濫であり、再発させないために俺らはダンジョン解放連盟を襲撃したのさ」
「では、我らは、仇と言うべき存在に仕え、命すらかけていたというのか!」
「その通り。さて、どうする?うちのクランに来るんであれば、歓迎するよ?」
スレイブニルはショックだったのか、俯き、何かぶつぶつと小さな声で呟きだす。
「うん?どうしたんだい?」
「・・・な、わけない。」
「んーと?」
「そんな、わけないだろう!あのお方は、我らの恩人であり、我が仕えるべきお方だ!死ぬがいい!我を惑わす悪しきものよ!穿て、神器・分裂する槍!」
スレイブニルは受け入れることができなかったのか、槍を呼び出し、駆逐に向けて放つ。
「はぁ、そうかい。それが君の選択か。落とせ、神器・無限の剣」
そう言い駆逐が呼び出した黒き剣が伸び、空中で分裂した無数の槍をすべて地に落とす。
「ど、どういうことだ!貴様の神器はエクスカリバーのはず!」
「うん?別に、1人で複数の神器を持てないって決まっているわけでもないし、何らおかしくなくないかな?僕は複数の剣型神器を持っているというだけの話さ。」
「ばかな!神器を手に入れることも、神器に選ばれるということもそうそうないのにもかかわらず、複数の神器など、ありえん!」
「うん?現にここに存在してるんだからさ。現実は受け入れないとだめだと思うよ?さて、切り裂け、神器・鬼を切る刀、抜刀術Lv10、複飛翔斬」
駆逐は腰に出現した日本刀を抜刀、複数の斬撃が飛び、スレイブニルを切り裂く。
「ぐはっ!」
「さて、最後の勧告だ。うちのクランに来る気は?」
「あるわけ、ないだろう!」
「・・・残念だよ。これで終わらせてあげるよ。神器・全てを薙ぎ払う剣」
駆逐が呼び出した剣を振るうと、その直線上には何もなくなっていた。
「さて、黄泉さんのお手伝いでもしに行きますかね。並列で見てるとはいえ、この状況はちょっと不味いな・・・あれ?そういえば、並列存在を鮮色区に残しておけばわざわざ粕窪さん呼ぶ必要なかったんじゃ・・・それに一時的にこーあん1人体制になることも・・・ま、まぁ、あれだ、本気で戦闘をするためのリソース確保だよ。うん。」




