閑話④ 謎技術改め魔術
ステータスを見て生じた疑問が解決した紫崎は、ふと、当初の目的をまだ達成していないことに気付いた。
「その、学長様」
「うん?なんだい?ほかに疑問があるかい?」
「いえ、その、そもそも私たちは元黒が見せてくれた光闇流の技を本来の形で見せていただくために尋ねたのですが・・・」
学長は顔をゆがませ、ため息をつく。
「・・・はぁ・・・やっぱり、誤魔化せてはくれない感じ?」
「えぇと、それはどういう・・・?」
「いやね?あの技たちはね、私が高校生の時に考えた技でね、その、俗にいう中二病時代の黒歴史というやつなのさ。」
「高校生時代に?その、失礼ですが、今の年齢をお聞きしてもよろしいですの?」
「ん?あぁ、そうか。私は今19歳だよ。私はダンジョン区特殊教育法によって『学長』になっているだけであって、教員免許は持っていないし、何かを教えることはないんだ。ただ単に、中学生でダンジョンに潜って高ステータスになった者が学内でよろしくない行動をしたときに取り押さえるためだけにいるからね。」
「そういうことでしたのね。」
「そうだ、私がなぜ学長になったのかの話を」
「光闇流の技を見せてほしいです!お願いします!」
「お、おう、藍田君、随分と食い気味に・・・どうしてだい?」
「私、光魔法も闇魔法も持ってるんです!なので、自分の戦闘に役立てれないかな、と・・・」
「あー・・・そうか。だがね、うーん。そうだ、元黒君」
「なんです?」
「君の隠形術については話したのかい?」
「隠形術・・・?」
「あぁ、紫崎家に仕えるモノ達が習得している技術だよ」
「あぁ、あれですか。話しましたよ」
「では、話してもかまわないかな。実はね、この世界には、スキルが生まれるずっと前から、謎の力が存在しているんだ」
「力、ですか?」「そんなこと聞いたことすらありませんわ・・・」「うん?どこかでそんな話を・・・」
「うん、緑川君の草薙流剣術、それにももちいられているよ。太古の昔より存在し、陰にあり続け、秘匿されていた力が存在するんだ。」
学長は言うべきか躊躇い、告げる。
「そして、その力の具現化と言える存在がいる。日本では妖怪、海外では幻獣・魔物と呼ばれた存在達がね。この力はMPとは異なる力であるにも関わらず、互換性を持っているんだ。」
「互換性、ですか?」
「あぁ。この力を魔力と呼称することに最近各国の闇に生きるモノ達の首領と陰にあった存在の責任者による会議で決まったのだがね。この魔力を練るとMPに、MPを分解すると魔力になることが判明したんだ。私たち陰にあった存在は原理がよくわからないままに体内にあるエネルギーから魔力を紡ぎ、術を行使していたんだよ。」
今日から2話投稿になります




