第7話 そうは問屋が
「・・・伝承に基づく〈必殺〉を用いるのは少々卑怯だが、負けるわけにはいかんのだ。ロキ様への恩を返すまではな。」
駆逐を滅ぼしたスレイブニルであったが、現在、空間内を彷徨っていた。
「むぅ、これは、どういうことだ?術者が死んだのにもかかわらず、この空間は維持されているし、出ることすらかなわない。」
スレイブニルはあたりを見渡し、真っ白な空間しかないことを確認し、ため息をつく。
「まったく、早くここを出てロキ様の手伝いをしなければならないというのに・・・それにしても、どういう原理だ?空間が維持されていることは自身が敗北した際のほかの戦闘のことを考えてかもしれんが、自身が敗北する可能性を考慮したのであれば、内側からどうにかして出る方法があるはずだが・・・それに、出る方法が一切ないのであれば、敵のみを放り込んで終わりのはず・・・」
スレイブニルは考えを口に出し、結論が出たのか、槍を構える。
「まぁいい、これがスキルによる産物というのであれば、槍で貫くことができるだろう。はぁぁぁあ!」
スレイブニルは勢いよく床に槍を叩きつけるが、微塵も傷つかない。
「か、硬いな。どうなっているのだこれは・・・ふむ、もしかすると時間経過で解除されるのやもしれん。待ってみるとするか。」
スレイブニルはそういうと床に座り込み、今回の襲撃に関して考え始める。
「しかし、此度の襲撃は何故起こったのだろうか?我らを拾ってくださった際にロキ様は『あまり人に受け入れられるようなことをするわけではないが、これは人々のためだ』とおっしゃっていたが、襲撃されるほど受け入れられないということなのか?」
そこに不意に人影が現れ、スレイブニルに話しかける。
「おや、君は知らないとでも言うのかい?彼らがやっていることは残虐非道な悪事であり法にも道徳にも反することなんだよ」
「な、何やつ・・・!?貴様、なぜ生きている!確実に殺したはずだ!」
そう、つい先ほどスレイブニルが殺したはずの駆逐が話しかけてきたのだ。
「あぁ、痛かったよ。まぁ、私は並列存在持ちだから1度や2度殺されたって死なないけどね」
「そういうことか。だが、ロキ様が行っているのが犯罪行為だと?そんなはずはない!あのお方は親を亡くした我やパズズを引き取り、育ててくださっている優しきお方だ!」
「あー・・・君から見ればそう見えるかもだけどさ。うーん、これ、言って大丈夫かな?あのね、君たちの親を殺したのはほかでもないロキとその一味なんだよね」
「な!?そんなはずはない!我らの親が死んだのはダンジョン災害のせいだ!」




