第6話 駆逐対スレイブニル
ただ平らな床と空気だけがある空間に、2人の男性が現れた。
「・・・貴様は空間魔法を使う非戦闘員ではなかったのか?」
「うん?どうしてそうおもったんだい?」
「いやなに、我ら幹部だけで6か所、他のものも含めれば13か所の空間を維持しているのだ。それ相応のMPを消費しているはず。にもかかわらず、幹部たる私と1対1で戦うという選択をとったことが不思議でな。」
「あぁ、そういうことね。簡単な話さ。あの程度の消耗ごときで君との戦闘に支障をきたさない、ただそれだけの事。」
「ほう。そこまで自信があるのであれば、受けてみるがいい、我が槍を!神器・分裂する槍!」
スレイプニルが右手を斜め右下に振ると、その手に煌めく槍が現れる。
「おや?神器持ちか・・・なるほど、では、俺も相応の対応をしなければならないな。神器・絶対なる剣」
駆逐が呼ぶと、腰に煌びやかな装飾がされた鞘に収まっている剣が現れる。
「・・・エクスカリバー、実在したのか。」
「うん?あぁ、そっか。所持者に勝利をもたらすとされているエクスカリバーはすべてのものが探し求めている秘宝の一つである、その話を信じているのかい?」
「そうだ。もし、その話が本当であれば私に勝ち目がないことになるからな。」
「安心したまえ。鑑定によれば、残念ながら、この剣はただ光るだけの堅い剣さ。まぁ、俺はこの剣を使って負けたことはないがね。」
「なるほど。では、私が初の敗北を刻み、噂は噂であると証明してやろう。」
スレイブニルはそういうと槍を構えながら駆逐に向かって駆ける。
「ふっ!」
スレイブニルは勢いよく駆逐を突き刺そうとするが、駆逐が鞘から剣を抜く動作で左上にはじかれる。
「ぬん!」
その勢いを生かし、弧を描くような軌道で左下から駆逐を切り捨てようとするも、駆逐が剣を振り下ろすだけで防がれ、槍は地と剣に挟まれ、封じられる。
そのままでは危険だと判断したのか、スレイブニルは距離を取るべく槍を手放し、後ろに飛ぶ。
「こい、神器・分裂する槍!」
スレイブニルが槍を呼ぶと地と駆逐の剣に挟まれていた槍は消失し、再びスレイブニルの手に収まる。
「どうしたんだい?敗北を刻むんじゃなかったっけ?」
「・・・これはあまり使いたくなかったが、仕方あるまい。穿て、神器・分裂する槍!」
そういうとスレイブニルは槍を駆逐に向けて投げる。槍は空中で分裂し、すべてが駆逐に向かって降り注ぐ。
「な!?」
駆逐は何本かの槍を剣で弾くも、防ぎきれず串刺しになり、息絶えた。
神器:A級以上のダンジョン内でまれに見つかる、何かしらの伝承・伝説・逸話に基づく特殊な能力を持つ武具。
神器に選ばれた者のみが身につけることができ、所有者が死亡すると神器は消滅する。
同時期に同じ神器が2つ以上存在することはないが、異なる伝承・伝説・逸話由来の同じ名称の神器は存在しうる。
例:ゲイボルグであれば、分裂する槍、必中の槍、雷速の槍など




