閑話③ 疑問その2その3その4
学長は軽く首を振り、軽いほほえみを浮かべ、紫崎の方を向いていた体を藍田に向ける。
「さて、次は藍田君のこの魔法についての疑問だね」
「は、はい、お願いします。」
学長はまじめな顔をし、説明を始める。
「まず、魔法にはいくつか種類があるんだが、知っているかい?」
「えっと、火・水・風・土の4つと光・闇・無ですか?」
「それ以外にも樹とか氷とか雷とかなかったか?」
「ほかにも、霧・毒・鉄がありますわね」
「そうだね。それらの13種はすべて基礎属性と呼ばれるものだ。」
「えっと、基礎ということは、他にもあるんですか?」
「うん。あるんだ。発展属性って呼ばれるものがね。今判明してるのは、虚無・混沌・極光・深淵・業火・聖水・暴風・大地・濃霧・猛毒・轟雷・溶鉄・大樹・永氷・死・生・邪・聖の18属性さ。いくつかは聞いたことがあるんじゃないかな?」
「あ、そういえば、虚無と混沌は学校で誰かが話していたような・・・」
「その2つは割と有名だからね。で、これらは複数の基礎属性をレベル10にすると生えてくるんだ。その後死んで基礎属性のレベルが下がったとしてもレベル2以降であればなくなることはない。これを魔法の進化と言ったりするね。どれがどの属性で構成されているかを口頭で説明するのは大変だから、元黒のスマホにメールで送ったよ。あとで見るといい。」
「わかりました」「わかりましたわ」「はーい」
「そして、この発展属性の魔法はスキルオーブもスキルルーレットもなしに手に入る魔法だから、ステータス値強化はされないのさ」
「そういうことだったんですね!」
その後、各自軽く水分補給を済ませた後、学長は緑川に体を向ける。
「さて、次は緑川君の、なぜ私がダンジョン解放連盟との戦いに挑まなかったか、その理由だが、この区の防衛のため、だよ。」
「というと、どういうことでしょうか?」
「覚醒者が全員出払ったら、デストロイヤーに恨みを持つ雑多な悪党共が押し寄せてきちゃうからね。その対策として、1人は覚醒者が残らなきゃ、ってなったときに、最善が私だった、ただそれだけのことさ。」
「なるほど、そういうことでしたか。ですが、覚醒者ではない相手であればどうとでもなる人材がいるのでは?元黒さんのような覚醒者一歩手前の人もいるわけですし・・・」
「うん?どうやら、よくわからないみたいだけど、今私が把握しているこの区の強者、レベル400以上は、私と元黒だけだよ?デストロイヤーとこの区所属警官、及びこの区にあるほかのクランのレベル400以上は万が一に備えてダンジョン解放連盟の本拠地がある区に潜伏してるからね。」
「えっ、そうだったのですか?」
「うん、まぁ、私がいれば覚醒者が来ない限りは万の大群であろうともどうにでもなるからねぇ」
「な、なるほど」
学長は自慢げに笑いながら、元黒の方を向く。
「さて、レベルとランクがあっていない、ということについてだがね。」
「はい。私のレベルが436でランクが10です。レベル84の間に4つも格の差があるのがどうしても腑に落ちなく・・・」
「ま、そうだろうね。まずランクだけど、個人差があるとはいえ、大体、1~30が1、31~80が2、81~130が3、131~180が4、181~230が5、231~280が6、281~330が7、331~380が8、381~430が9、431~480が10だから、レベル436でランク10なことに何ら異常はない。この法則で行くと、481~530が11だと思うかもしれんが、それは間違っている、というだけの話さ。」
「というと?」
「レベル500まではその通りなんだが、ミソロジースキルを手に入れると+1されるのさ。だから、レベル分の11にミソロジースキルの数である3を足して14、ってわけ。普通の覚醒者では、631~680の間になって初めて同じ格になるってわけ。ま、これの意味があるのは、格が13になるまでの話だけどね。大体1個の格の差はレベル差分で埋められちゃうから、覚醒者であればレベル530越えた相手では負けないけど、レベル550を超えた相手では負ける可能性があるかな?600超えたら勝てる気がしないよ」
「なるほど、そういうことですか」




