第5話 りゅー対フェンリル
ただ平らな床と空気だけがある空間に、2人の男性が現れた。
「あぁ!?ここはどこだ!出しやがれ!」
「そうするわけにはいかんのや。」
「んだと!?」
「あんたは俺が仕留めるってことだよ」
「あぁ?てめぇが?俺をか?なめすぎじゃねぇか!?えぇ!?」
「むしろ、できないと考えてる時点で、あんたが俺を舐めてるんだよ。」
「ざっけんな!」
フェンリルが勢いよく大地を蹴り、りゅーに殴り掛かるが、りゅーは「飛行」とつぶやき、空に避ける。
「くそが!卑怯だぞ、自分だけ飛びやがって!」
「ん?飛びたい?そうかい、じゃあ、暴風魔法Lv8 サイクロンストーム」
「うごぉ!?」
フェンリルの足元から暴風の嵐が出て、飛んでいるりゅーの高さを超え、軽く50メートルは吹き飛ぶ。
「おまけにこれでも食らうがいい!獄炎魔法Lv7 フレイムジャベリン!」
りゅーの手元から飛び出した炎の槍がフェンリルめがけて飛んでいく。
「うおぉぉ!氷魔法Lv4 アイスシールド!」
フェンリルは目の前に生み出した氷の盾を足蹴にしてりゅーの方へ跳び、炎の槍を回避する。
「っち、おとなしく受け取れや。」
「あぁ!?んなことするわけねぇだ、ろ!」
跳んだ勢いのまま殴りかかるが、容易くかわされ、その背中にりゅーが手を向ける。
「魔力操作:業火魔法Lv7 フレイムジャベリン+暴風魔法Lv7 サイクロンジャベリン 複製=フレイム・サイクロン・ジャベリン・レイン」
りゅーの手元に大量の轟轟と燃え盛る火炎の槍が生じ、フェンリルに向けて飛ぶ。
「ぐぁ!?」
全て当たり、フェンリルは勢いよく地面に叩きつけられる。
「がはっ、てめぇ!そもそも、てめぇらはどこのどいつなんだ!?こんなことをやられる心当たりはねぇぞ!」
「あぁ?なんだ、気付いていないのに戦っていたのか?俺らは国の指示でダンジョン関係刑務執行特殊法に基づきあんたらに刑を執行しに来た警官と警官擬きだよ。」
「んな!?俺らがなにしたってんだ!」
「ダンジョン内外における暴行・恐喝・強盗、並びにダンジョン外での殺人、そしてクランランスを壊滅させたこと、これだけで十分執行理由には事足りるだろう?」
「・・・あぁ?クランランスだぁ?ほかは覚えてるが、それは知らn」
知らない、そう言おうとしたフェンリルの顔をりゅーは蹴とばす。
「あぁ、だろうな。これに関しては、執行には関係ないんだった。単に、俺らの負うべき責任として、背負っているだけのことだったな。だが、知らないとは言わせねぇぞ。去年の1月15日、織部A級ダンジョンで人質を用い、1人を除くクランメンバー全員を呼び込み、あんたらが暴行し、呪いをかけて行動不能にした、あいつらのことを、知らないとは言わせない。」
「あぁ・・・?あぁ、はは!あの、何の関係のない者すら見捨てれない愚かな奴らのことか!ははははは!」
「笑うな!そして、それは愚かではなく、優しいというんだ!・・・刑務を執行する!死魔法Lv10、デス!」
「がはっ!?なんだ、これ、血が」
「即死魔法だ。苦しまずに逝けるだけマシだと思うがいい」
「くそ、が!」
フェンリルは血を勢いよく吐き、倒れた。
「さて、さっさと処理して黄泉ちゃんの手伝いしなくちゃやな。ま、もう終わってるかもしれんけど」




