第14話 放課後 その1
最後の授業が終わった15時過ぎ、3人はダンジョンに向かうことにした。
「さて、行こうぜ」
「そうですわね」
「いこーいこー」
「ところで、お二人は部活に入っていたりはしませんの?」
「あー・・・俺は元は剣道部に入っていたんだが、去年辞めてな」
「私は最初っから帰宅部!」
「そうでしたの・・・」
「ま、ダンジョンができて、ステータスなんてものが出るようになってからはスポーツなんてのは15歳未満しかまともな試合ができなくって衰退してるからな。」
「そういえば中2が始まる前に呪われて体動かせなくなったって言ってたけど、美咲ちゃんって、中1のころはどこにいたの?うちの中学じゃなかったよね?」
「私は、元は県外の幼稚園から短大まであるところに通っていましたわ。」
「いわゆるお嬢様学校ってやつ?」
「まぁ、そうなるのでしょうか」
「マジモノのお嬢様じゃんか」
「逆に偽物のお嬢様を私は知りませんわ」
「・・・それもそうだな」
ダンジョンの目の前まで移動した3人だったが、藍田がとあることに気が付いた。
「そういえば、私が美咲ちゃんの家にいる理由って、元黒さんが守れるから、だけど、元黒さんなしでダンジョンに挑んでも大丈夫なのかな?」
「そういや、そんなこと言ってたな」
紫崎は少し不思議そうな顔をして、パンパン、と手をたたく。
「元黒」
「はい、ここに」
どこからともなく元黒が現れる。
「うわ!」
「うお!?全く気付かなかったぜ」
「主の傍にいるのが執事ですので」
「うーん、なんか違う気が・・・」
「あら、執事というものはこういうものではありませんの?」
「できるわけないでしょ!感覚が麻痺してるんだよ!ダンジョンができる前を思い出して!」
「・・・できましたわよ?多分。こう、手をパンパン、とやれば来ましたし・・・」
「えぇ、この技術はメイド長に教わったものでして、スキルは使っておりませんよ。執事の基本とのことでしたが・・・」
「え、えぇ?私が間違ってるのかな?」
「いや、そんなわけがないぞ。うちにも去年までは執事がいたが、こんな超人ではなかった。ただ単に紫崎家が特殊なだけだろう」
「だ、だよね!」
「そうでしたの・・・驚きですわ」
「私もです。こういうものだとばかり・・・」
「ま、まぁ、特殊にしても、それで困ることはないしいいんじゃないかな?どういう原理なのかは気になるけど」
「そうですね・・・こう、気配を薄くして空間に溶け込んで意識を向けさせない、という感じでしょうか?“影が薄い”ことの発展形みたいなものです」
「うーん。よくわからないけど、目立たないってことかな?マネできそうにはないや・・・」
「千春、考えるだけ無駄だ。このような謎技術からは目をそらすことが大事だぞ。」
「そ、そうなの?」
「あぁ。スキル由来ではない謎の技術と言い張る特殊能力を持つ者たちは一定数いるからな。」
「そ、そうなんだ。知らなかったよ」
「まぁ、とりあえずダンジョンに行きましょう?」
「そうだな」「そうだね!」「そうですね」




