第10話 紫崎家の屋敷にて その2
食事を終え、紫崎と藍田は一緒に風呂に入ることになった。
「こっちが大浴場ですわ!いつも一人で入るときは小さい浴場で済ませているから、ここに入るのは久しぶりですわね・・・」
「はぇぇ・・・お風呂が2か所もあるんだ。すごいねぇ・・・」
藍田は普通に手を使って、紫崎は器用に念動を用いて服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
「えいっ」
紫崎がお湯を藍田にかける。
「うわ!美咲ちゃん、びっくりするじゃん!」
「えへへ、こういうことを友人とやってみたいと前から思っていたのですわ」
「全く・・・仕返しだ!えい!」
「きゃ!水はやめてくださいまし!冷たいですわ!」
キャッキャッと騒ぎながらも体を濡らし終えた二人は、髪を洗うことにした。
「これがシャンプーですわ。」
「ん。これね。えい!」
「わっ!」
藍田が手にシャンプーを乗せ、紫崎の髪にかける。
「洗ってあげる。手使わずに髪きれいに洗うのは大変でしょ?」
「う・・・では、お願いしますわ」
洗いながらも、会話は続く
「いつもはやっぱり七海さんにやってもらってるの?」
「いえ、元黒ですわ。七海はほんとに勉強と戦闘以外はポンコツなので、髪を任せたら痛い思いをすること間違いなしですわ。だから本人はあんなに短くしてるのですから」
「あー・・・え?じゃぁ、元黒さんに?」
「え、えぇ。少し恥ずかしいですが、前までと違って髪だけですから、大した問題では・・・えぇ、問題ではありませんわ」
「あぁ、そっかぁ・・・メイドさんとか雇わないの?」
「昔は雇っていたのですけれど、1年ほど前から雇うのをやめたのですわ」
「あ、そうなんだ。はい、シャンプー終わり。私も洗うから体洗って~」
「わかりましたわ。」
しばし無言で藍田は髪を、紫崎はタオルを使って体を洗う。
紫崎が先に洗い終え、
「髪のお礼に体を洗って差し上げますわ」
「うぇ?い、いいよ。だいじょぶだいじょぶ。自分で洗えるから」
「私がやりたいのですわ!さ、遠慮なさらず!」
「う、わかった・・・」
「まずは背中から行きますわね~」
タオルを用いて、優しく背中をこする。
「次は前行きますわよ~」
「ひゃっ、くすぐったい!」
「あら?もうちょっと強く・・・次、下行きますわよ」
「ぁ、ちょ、まって」
「えい、ですわ!」
「ん!」
「うふふ、いい感じですの?」
「ぁ、ふぇ、ぅ」
「返事してくれないとわかりませんわ?先ほどみたいにくすぐったいのであれば、もうちょっと強めがいいのかしら?」
「ん!あぁん!あっ!」
「あ、あら?私、何が間違っていたのかしら。ど、どうしましょう。失禁してしまいましたわ・・・」
「と、とりあえず足洗って、流しましょう・・・」
「ど、どうしましょう・・・失禁してから目を覚ましませんわ・・・」
「はっ!」
「あ、目を覚ましましたわ!その、申し訳ないですわ。加減がよくわからず・・・」
「あ、いや、その、うん。いいよ。ただ明日からは前は自分で洗うよ。」
「そうですの?本当に申し訳ないですわ」
「申し訳ないと思うなら醜態を忘れてくれるのが一番うれしいかな。」
「醜態・・・?」
「んー・・・えっと、わからない感じ?そっかぁ・・・じゃぁ、今日の夜寝るときに何で私があぁなったか教えてあげる」
「は、はぁ・・・わかりましたわ。体が冷える前に湯船につかりましょう?」
「ん。言質摂ったからね」
片方は怪しい光を目に浮かばせていたが、二人は湯船にゆっくりとつかり、体を温め、風呂から上がり、紫崎の葡萄ジュースを分けてもらい、歯を磨き、寝る準備を整えた。




