第7話 その後
「知らない天井だ。」
オタクの性か、見知らぬ部屋で目覚めた藍田が思わず口からそう零す。
「あっはっは!目覚めてすぐネタに走れるなら大丈夫そうだし!元気そうで何よりだし!」
ベッドの横には、ちくわと黒髪の年齢不詳の男性がいた。
「えっと・・・これ、どういう状況です?」
「あぁ、それは俺、デストロイヤーのクランマスターである駆逐から話させてもらう。」
「うぇ!?デストロイヤーのクランマスター!?」
デストロイヤーと言えば、この国の民間最大最強クランである。そのクランマスターが目の前にいるというのだから、寝ている場合じゃない。
藍田は飛び起き、正座をして駆逐の方を向く。
「あはは、そんなかしこまらなくていいよ。ただ単に、君はダンジョン解放連盟に狙われる状況にあるから、本部を壊滅させるまでの間はうちの庇護下にいてもらう、っていうだけの話だからさ。」
「えっと、それはつまり、デストロイヤーに入れてもらえる、ということですか?」
「ん?そうだね。丁度人数も合うし・・・よし、君が希望するなら正式なクランメンバーとして迎え入れようじゃないか!」
「ありがとうございます!ところで、私はどのくらい寝ていたんでしょうか?今、何時ですか?」
「安心するし!逃げつかれて気絶してから5時間くらいしかたってないし!」
「そうですか。よかったです。その、あの時闇に潜っていった少女は、大丈夫でしたか?」
その質問にちくわと駆逐は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしてお互いに見合わせ、プッと吹き出し、笑い出した。
「ひー!ひー!黄泉ちゃんの心配をする、だなんて新鮮な反応過ぎて笑えるし!」
「あっはっは!いやぁ、でもそうか。名前は知られていてもメディア露出は少ないからな・・・顔を知られていなくても不思議じゃないか。今後・・・ダンジョン解放連盟の本部焼き討ち後は、テレビ出演でもしてもらおうかねぇ」
その会話を聞き、藍田はあの少女が日本最強と名高い黄泉であることを知り、外見が自身と変わらぬ年齢に見える少女であったことに驚いた。
「ま、とりあえず今日はここで休みなさい。親御さんには俺・・・よりちくわのほうがいいか。ちくわからさせておく。明日、パーティーメンバーを紹介するよ。」
「うぇ!?私がするのかし?黄泉ちゃんじゃだめかし?」
「黄泉さんはヴィドさんに説教されてるからね。ここ最近はずっということ聞いて、いい子になったという話をしている最中に起こった報告も何もない独断行動だから、珍しく激おこだよ。」
「あらら・・・冥福を祈るし・・・」




