第5話 大幹部 遼河・ヨルムンガンド
「桐山・ヒュミル 霜の巨人、ヨトゥンの力を宿す覚醒者にして、快楽殺人者。解放連盟には2016年5月から所属。判明する前にいた屋敷の地下には、氷漬けにされた、ダンジョン内で行方不明となっていたはずの女性が全裸の死体で多数あった。このようなことをしでかしておいて、やりたくてやっているわけではない、などという台詞が通用するわけがないだろう?神話ではヨルムンガンドという蛇に出会い海に投げ捨てられたヒュミルの力を宿した貴様が、ユグドラシルをかじる大蛇たるニーズホッグの力を宿す私に出会い、戦い、死ぬ。これもまた運命というものだろう?」
「くっ!凍てつけ!永氷魔法Lv7 エターナルアイスジャベリン!」
「砕け、大鎌」
桐山が不意打ち気味にはなった渾身の魔法を黄泉はどこからともなく取り出した大鎌で消し去る。
「は、はは!なんだそれは!魔法として、あり得ない!」
「・・・冥土の土産だ。教えてやろう。これは、深淵、猛毒、死、溶鉄の4つの魔法の極致たる特殊魔法、大天使のサンクチュアリに相当する奥義を魔力操作で束ねたものだ。」
「な・・・格が、違うというのか・・・」
「切り裂け、大鎌」
黄泉が大鎌を振るった後には、桐山がいたという痕跡すらなくなっていた。
「さて、この空間の認識阻害を解除し、幻影を見せ、何もなかったように見せかけ、本部への道を開けてもらわなければ」
そういうと黄泉はまた闇に溶け込み、円卓に桐山が何事もなく座っているように見える。戦いの痕跡は何一つ残っていなかった。
数時間後
わいわいがやがやとしゃべりながら大男とその部下たちが部屋に入ってきて、大男が円卓にある4つの椅子の一つに座り、その後ろに部下たちが広がる。
その後、美佐が部下を引き連れ静かに入ってきて、円卓に座り、部下たちが綺麗に並ぶ。
太った男性が部下たちを引き連れて部屋に入ってきて、桐山の後ろに整列する。
時間が経ってもそろわない幹部たちにしびれを切らしたのか大男が桐山に尋ねる。
「おい、桐山、あいつはまだか?」
桐山はいつもどおりひょうひょうとした態度で
「あいつの命令違反なんぞ、いつものことだろう。気にするだけ無駄だ」
「そうよ、琳派。あんなの気にする必要はないわ」
そんな会話をしていると、円卓の中心に闇があふれ、男が現れる。琳派が目を爛々とさせながら話しかけた。
「おぉ!ヨルムンガンド様!あなた様がおいでくださったのですね!」
「おぉ、琳派か。久しいな。して、ヒュミルよ、我の呼びかけに答えぬとは、どういう了見だ?返答次第では・・・」




