第10話 紫崎 美咲、クランデストロイヤーへ
4月12日、朝
「お嬢様。少々よろしいでしょうか」
「なぁに?」
「自力で動けるようになりましたし、あの時の方々にお礼を言いに行く、というのはいかがでしょう?」
「・・・そうね。そうすべきだわ」
そういうわけで、美咲と元黒はクランデストロイヤーのクランハウスに向かうこととなったのである。
「ひ、広いのね。うちより倍くらいあるんじゃないかしら?」
「そうですね。ですが、中にいる人数が違いますので」
「お?黒じゃねぇか。今日は女連れかい?」
若い男性が話しかけてきた
「あら?元黒の知り合いの方かしら?ごきげんよう。私、彼、元黒の主である紫崎 美咲と申します。よろしくお願いしますわ」
「おぉ?黒の主さん?動けるようになったのかい?」
「元黒はそんなことまで話したのですか?飛行スキルと念動スキルを得て、普通に体を動かせる人と同じような生活が送れるようになりましたわ」
「そうかい!そりゃぁよかった。あんたの親の紫崎博士たちが必死で解呪法探してたが、スキル得て動けるようになるほうが覚醒者の呪い解くよりも早いわな。そりゃそうだ。俺ら全員思いつかなかったぜ。やだねぇ、頭が固いってのは。」
「えっと・・・お父様の知り合いですの?」
「んー・・・そろそろか」
「はい?」
「失礼します。そこのお嬢様とお連れの方、クランマスターが話があると言っているのですが、ご同行願えますでしょうか?」
「ふぇ?」
「!行きましょうお嬢様」
「え、えぇ、わかりましたわ。では、ごきげんよう、ってあら?さっきの男性がいらっしゃいませんわ?」
声をかけてきた女性に案内され、クランマスターの部屋の扉の前まで案内され、「ここでお待ちください」と言われた。
こんこんっと扉を受付嬢が叩くと、「はーいどうぞー」という若い声が聞こえた。
「失礼します。先ほど呼んで来いと命じられた方を連れてまいりました」
「いらっしゃ~い。俺がデストロイヤークランマスターの駆逐だ」
「ご、ごきげんよう。紫崎 美咲と申します」
「あぁ、知ってる知ってる。神名さんと黄泉さんからあの時も話聞いたしね。そっちが黒宮 礼二、いや、今は元黒 幕汰だったかな?いつもBOSSの討伐依頼ご苦労様」
「むしろ俺こそ、あの時はご迷惑をおかけしました。」
「ん?あー、いーよいーよ。あれがきっかけで神名さんがうちに来ることになったしね。むしろ感謝したいくらいだよ」
「は、はぁ」
「ところで、呼んだ理由というのは・・・?私、直接助けていただいた二人にお礼を言いたいのですが・・・」
「あぁ、理由ね。あと、あの二人は今両方留守なんだよね。」
「あ、そうなのですね」
「で、理由だけど、二人とも、デストロイヤーに入らない?ってこと。お嬢様はレベル上げなきゃだし、そうなると黒の今まで仮入クランだった理由はなくなるでしょ?」
「私はよろこんで入らせていただきますわ!」
「ふむ、俺も入って問題があるわけではない。お嬢様が入るというのであれば、入らせてもらう」
「よしよし。あ、それと美咲さん」
「はい?」
「知ってるって言った理由ね、もう1個あるんだわ」
「えぇと?」
「「俺は同一人物なのさ」」
「あっ!先ほどの!そういうことでしたのね!」
「それと、年齢的に次中3だろ?3年からでも中学に入ったらどうだい?」
「えっと・・・その気持ちもなくはないのですが・・・もう4月ですし・・・」
「ん?あぁ、鮮色中学の校長は知り合いでね。ちょーっと無理を言うくらいはできるのさ。だから安心するといい」
「では、よろしくお願いします」
二人は退出していく。
駆逐はスマホを取り出し、鮮色中学の校長に電話をする。
「あ、もしもし、こーあん?あのさ、いまから中3に1人入れてほしいんだけど?」
「え?今何月だと思ってるんだ、って?4月だよ?」
「こーあんならいけるいける。」
「そういうことでよろしく。あ!自分で歩けないしペンも持てない娘だから、スキルで飛んで移動するしペンもスキル使うけど問題ないよね。」
ピッ
「・・・ちょろいな」




