第3話 緑の初挑戦
俺は入手した力を用いて、ダンジョンに挑むことを決心した。
父が逮捕された以降、他の名家には煙たがられ、疎遠となり、親戚には一族の名を穢したとして俺と母、妹は絶縁ざれ寄る辺はなくなったし、働く者がいないため資産は減っていく一方であった。
父と離れ心が死んだ母は頼りにならないし、妹にきちんとした教育を受けさせるためにも俺が頑張らなきゃいけない。
そう思っていた矢先、ダンジョンに挑むに不足しないスキルを得ることができたのだ。ダンジョンに行き、金を稼ぎ、力を示し、名家や親戚たちを見返すためにも、俺が頑張らなくてはいけない。
その為には、安全など考慮している暇はない。義務教育を受ける中学生という身分である以上、時間的制約は存在する。よって俺は、I級やH級を飛ばして、現状はいることのできる中で最も難易度の高いG級に挑むことにした。一瞬、一番下から挑む必要性がないことを管理者に感謝したが、そもそもダンジョンが出現しなければこんなことにならなかったと思い直し、やめた。
最寄りのG級ダンジョンは、屋敷のある鳥野山の北にある鮮色駅付近にある小鬼ダンジョンだ。F級より上はB級まですぐ近くの鳥野山にあるので、小鬼ダンジョンを踏破した後は、ダンジョンに挑む時間を増やせる。速攻で小鬼ダンジョンを踏破すべく、家にある刀を背負い、稽古の時に身につけていた道着を着て、空を飛んだ。
空を飛ぶという行為は、スキルを得る前にやったことなど当然ないのに、いたって自然にできた。これがスキルの力というものなのだろう。
35分ほど飛び続け、駅に着いた。飛行というのは気持ちがいいが、車より早いということはなかったのは残念だ。早く着けばつくほど攻略にかける時間が増えるというのに。
俺は、小鬼ダンジョンの中に入った。まず感じたことは、思っていたより明るいということだった。洞窟の中にしか見えないのにもかかわらず、晴天の日の昼間ほどの明るさを保っている。洞窟が明るいということに違和感はあるものの、敵が見えなくて不意打ちを食らう、ということはなさそうだった。
数分進むと、最初の分かれ道にたどり着いた。
・・・これは、どちらが正解なのだろうか?G級以下は道が固定なため地図が安く売られているということは知っていたが、侮り、金がもったいないからと買わなかったことが仇となった。これでは、時間もかかるし狩る数も減ってしまうだろう。大損だ。
仕方がないので、1度戻ることにした。
戻る途中、奥に向かう男性2人組に出会いその片方が話しかけてきた。
「こんにちは。ところで君、まったく汚れてないけど、もう帰るのかい?」
「こんにちは。地図を買い忘れてしまって、買いに戻るところなんです。」
「あ、そうだったの?俺ら地図ちゃんと持ってるし一緒に行く?」
この誘いに乗っていいものだろうか。誠実そうに見えるし、初攻略のため力ある冒険者とともにいけるというのは、利点があるが・・・
「すみません、俺、ダンジョン初めてなので迷惑をかけてしまうかもしれません。なので、遠慮させていただきます。」
「俺・・・?あ、いや、初心者とか気にする必要はないよ。誰にだって初めてはあるんだし、こいつも初心者だからな。初心者が1人でも2人でも変わらないさ。初心者だからモンスター狩りたいっていうなら大歓迎だしな」
「・・・では、お言葉に甘えて同行させていただきます。」
先ほど引き返した分かれ道にたどり着いた。
「ここは左だぜ」
なるほど。覚えておこう。頭に入れておけば次回以降も地図なしで挑むことができる。
ゴブリンと戦いつつ歩くこと数分後、また分かれ道に着いた。
「次も左だぜ」
左、左、と。
さらにゴブリンを切り伏せつつ進んでいくと、左に曲がる道が見えた。常に左に行き続けるだけなのだろうか?
「この先が目的地だ。」
「やっとか。待ちわびたぜ。」
目的地?階段のことだろうか。それに、待ちわびたとは一体?10分ほどしか経過していないし、出たモンスターは私がすぐ切り伏せた。
「この先だぜ。開けてみるかい嬢ちゃん」
と初心者ではないほうの男性が扉を指さす。
「よろしいのですか?では」
そう言い、扉を開けようとした瞬間、背中に何かが当たり、ばちっという音とともに俺の意識は飛んだ。
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