第6話 氏族集会の参加者
灰色、という単語に藍田君がふと何かに気付いたような顔をして尋ねて来る。
「灰・・・それって・・・」
「あぁ、灰原ことロキの父親さ。絶対あの家が犯人だと思うんだけどなぁ・・・あ、ちなみに桜は巫女姫の氏族ね。ほんと、面倒なことになったんだよ・・・」
巫女姫の氏族の当主が行方不明、ということを理解した二人は、顔を驚愕に染める。
「それって先代巫女姫が行方不明ってことじゃ!?」
「巫女姫様のおかーさんいないの?」
「まぁ、その通りなんだよね。親としての仕事は一切していなかったし、子本人が心の底から糞くらえって言っていたからそっちは気にしなくていいんだけど、国防という観点で、先代巫女姫がいないことは大問題なのさ。防衛の要だからね。まぁ、自称管理者の結界があるから大丈夫っちゃ大丈夫だけども。
まぁ、それをどうにかしようというのが、年に2回ある氏族集会での今の議論対象なんだがね・・・桜・桃・梅という三花、竜・寅・猿・戌の四獣、灰・墨・黒・賦・斬の五忌・・・から二つ抜けて三忌、杉・松・檜・楓・樫・椎の六樹・・・から一つ抜けて五樹これらの元十八氏族、現十五氏族集会がね・・・これまた面倒で・・・灰と黒が消えてから散々だよまったく・・・」
「・・・随分と、消えるのですね・・・」
「灰は追放、黒は自主脱退だがね。紫崎君の従者になってるよ。私も脱退して自由になりたいのに、賦と斬をそのままにはしておけないからねぇ・・・」
「あ、あの人、当主だったんですか・・・?」
「黒宮家の当主は、心臓麻痺で死亡して、黒宮礼二に権利移ったんだけどねぇ・・・彼、私はお嬢様の執事ですので(キリッ)って拒否りやがったんだよねぇ・・・」
「はぇ・・・なるほど・・・ところで、私が修行受けるっていう話だったらしなくてもいいところまで話してる気がするんだけど・・・」
「あぁ、気のせいだよ。そういえば、君には、とある宝を使ってもらう予定だからね。力関係くらい、知らなきゃ、ね?」
「・・・それって、もしかしなくても面倒?」
私は今までにないほどの笑顔を浮かべる。
「面倒だよ!」
藍田君が、いやそうな表情を浮かべて尋ねる。
「・・・話の流れ的に嫌な予感がするのですが。」
正解である。
「はっはっは、気のせいじゃないかな?私はただ単に藍田家が庶民になるときに処分に困って五忌家にばらけさせた家宝の数々を使ってもらおうと計画しているだけだが?何ら問題はないだろう?」
「・・・そんなの、無理じゃないですか?各家の財産ですよね?墨と黒はできるかもしれませんが・・・」




