第20話 脳筋プレー
あれから数時間後、学長が弟子の修行を終え、学長室に転移してきたタイミングで巫女姫により攫われデストロイヤーのクランハウスの一室に来た時点で、橙木が疑問を口にする。
「なんで車椅子を?」
「うん?さっき言っていた世界線では違ったのかい?」
「はい。いたって普通に歩いていましたが・・・」
「ふむ?よくわからないが・・・丸7日あれば自身にかかったこの呪い程度なら解除できるが?」
「ならそうしなよ・・・」
「それがね、駆逐さん。」
「うん?」
「それやっちゃうと1週間くらい神頼みできなくなっちゃうんだわ。不吉な予感がしてたからやらなかったんだよね」
「・・・なるほど、橙木君が知っている世界線のこーあんはこの世界線のこーあんより危険に鈍感なのかな・・・?」
「ま、そうなるかな?」
「話の流れがよくわからないので、説明してもらっていいですか?」
説明に30分ほど費やし、19時30分になった。
「なるほどね。じゃ、その洞窟の場所教えてもらっていい?今から対処してくるから」
「えっ!?できるんですか!?前の世界線では解析に3日はかかるって言っていましたけど・・・」
「うん、かかるね」
「間に合わなくないですか?」
「幸運にも神頼みができるからね。神頼みと、神への貸しの取り立てを駆使すれば時間の操作程度容易いことさ。」
「そういうことですか・・・では、お話しします。」
「お、解決しそう?」
「あー、はい。解決しますので宴会に参加してきてくださいな。これは俺の仕事範疇なんで」
「じゃ、よろしく~」
その日の夜、23時。学長は洞窟の前に一人佇んでいた。
「さて、思いのほか触媒の準備に手間取ったが、どうにか間に合ったな。
『大いなる時の神よ
生きとし生けるモノ達に制限をかけし神よ
感情に揺らぎて変わりし曖昧なる神よ
我が用意せし供物と引き換えに
この空間の時の流れを変え給え』
【スロゥ・ワールド】
さて、これで制限時間の問題は解決、と。次は解析と解除・・・うっわ、めんどくさ・・・んー・・・力ずくで消し飛ばして問題ないな・・・?うん、大丈夫そうだね。
『火の神よ 水の神よ 風の神よ 土の神よ
世界の改変のしわ寄せを受け我に助けを求めた多くの属性を司りし神々よ
今その貸しを返し力を轟かせよ』
【エレメント・ロア】」
学長が2つ目の神術を発動すると、招来のために用意されていた魔方陣に13本の光の柱が生じ、消し飛ばす。
この時を持って、アザトース招来事件は防がれたのである。




