第9話 やっぱりおいしいは正義だよね
静葉は、火を使わずにホーンラビットを狩ると低確率で美味な兎肉をドロップするということを知り、嫌な予感がしつつ薬草を一切落とさなかったウィードのことを調べると、こちらも火を使ってはいけないことがわかり、少々うなだれながらも、肉に目がくらみ・・・いや、レベルアップとダンジョン経験のため、涎・・・ではなく血涙を堪えながらホーンラビットを狩り始めた。
結局その日、18時過ぎまでかけホーンラビットを200ほど狩り、兎肉を5つと兎の尻尾を3つ獲得した。
兎肉のドロップ率が悪く、珍しいはずの兎の尻尾が3つも手に入ったのは、物欲センサーの影響なのかもしれない。
同じ装飾品は1つまでしか装備できないため、2つ兎の尻尾を売ろうとしたが、何か考え直し、1つだけ売ることにした。
その日の夜、少々帰宅が遅くなったことを母親に叱られたが、兎肉を入手してきたことを告げると途端に上機嫌になり、
「今日は兎ステーキね♪明日はシチューを作ってあげるわ」
と言っていた。
静葉は兎ステーキに舌鼓を打ったが、中学生にとっては大金を払って地図を入手したことを思い出し、明日こそは鳥野ダンジョン(F級)を踏破することを決意した。
翌日、静葉は7時に目を覚まし、7時半に家を出、ダンジョンには8時に着き、断腸の思いで4層まで駆け抜ける。
途中で出会ったホーンラビットは狩ったが、兎肉をドロップせず、静葉は少しテンションを下げながら4階層に降り立った。
4層からは森であり、ところどころにゴブリンの集落が存在する。
油断をすると袋叩きにあってしまうため、気を引き締めなければならない。
MP・SPには限りがあるため、基本脇差で切り捨てている静葉にとって、多対一は避けるべきことである。知っての通り、日本刀は多くを切ると切れ味が落ちる。抜刀術スキルの影響で通常の10倍ほどまでは問題ないが、広い1階層にいるモンスターをすべて相手にするとなると軽く1000を超えてしまうため、1度の戦闘でそのすべてを切り伏せるということは不可能であるし、仮にできたとして次の層に挑むことはできなくなってしまう。その為静葉は最短距離ではなく、なるべく木の陰になり見つかりにくい道を通ることにした。
静かに息をひそめつつも、次の階層での予行練習として30匹ほどの集団と戦闘を挟み、次の階層までの道のりの半分ほどを過ぎたころ、遠くから人が叫ぶ声が聞こえてきた。
救援を求めているのであれば助けるのもやぶさかではないと思った静葉は、その声の方向に、ゴブリンに気付かれないよう飛んで上から行ってみることにした。
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