第15話 どうする?やっぱりそうするしかない?
数時間後、外部の覚醒者がそろったので、橙木についてなどの前提条件を説明し、駆逐が今回の敵についてどうすべきか話し始める。
「さて、ところでクトゥルフ神話のシュブ=ニグラスについて知ってることは?」
「何も知らないし。」
「たしか、クトゥルフ神話の神々の中で最も広く、数多くの信仰を集める神で、酷い場合は惑星ごと滅ぼしてしまう外なる神々の中で比較的、安心して召喚できる存在だったはず。対話可能で人間に好意的に接してくれるとされているから、問答無用で戦闘になるとは考えづらいのだけれど・・・」
「あれやろ?ティンダロスの猟犬の親やろ?」
「クトゥルフ神話とはまた、中二的な敵が・・・」
「また灰原だよ。真っ向から戦えば勝てるのに、こういう絡めてばかり・・・全く困った・・・」
「せやな・・・この間の本部襲撃の時もあの空間には自分たち以外を弱体化する術がかかっていたらしいし・・・」
「あ、そうだったのかし?道理で黄泉ちゃんがあんなのに負けかけたわけだし。」
「気付かないレベルで隠蔽されていたのが一番の問題だね。しかも本人は外国にいて根絶が難しい。」
「んー、まぁ、今回みたいな出来事が続けば、遠距離で呪い届かせれないこともないで?」
「んじゃ、今後はあいつを仕留めるために頑張ろう・・・」
「で、シュブ=ニグラスへの対処、どうするん?」
「うーん。案1、送還。案2、対話して帰ってもらう。案3、力ずくでたたき返す。案4、招来させない。このくらいかな?」
「1はできるあてあるん?」
「しんさん」
「俺!?無理無理!」
駆逐はやっぱりか、という表情を浮かべる。
「んじゃ案1は没、と。」
「そもそも対話できる状態ならさっき聞いたような惨状にはならないんじゃないかし?」
それもそうだ、と納得した。
「案2も没、と。」
「招来の原理わからないのに阻止できるん?」
確かに1日とそこらで解析できるわけがない、と残念そうな表情を浮かべる。
「案4も没、と・・・」
「ようするに、力ずくでどうにかするっていういつも通りの結論やな?」
結局そうなるのか、そう思った駆逐はため息を1つつき、力なく宣言する。
「まぁ、そうなるね・・・今日の内に英気を養って明日仕留めるぞ・・・」
「これ、マジで俺らもやらなきゃだめ?」
「いくら戦力がいても困らないので。楽勝だったら宴会再開ですから、協力お願いしますよ粕窪さん」
「しゃーないなぁ・・・」
ため息をつきながらそういう粕窪に、白髪の老人が言う。
「前回取り逃がしていますし、今回はきちんと働かなければなりませんね。前回の移動開始時に巻き上がった砂で役所の方々が砂まみれになった始末書の借りは私も返したいですし。」
「翡さん・・・ごめんて・・・」
「あはは、そんなことがあったのー?」
「電話で頼んできたのは駆逐さんですからね・・・」
そう言われ矛先が向きそうになった駆逐は、雑にごまかすことにした。
「ひゅ、ひゅっひゅひゅっひゅひゅ~」
「全く・・・」
「やれやれ・・・」




