第9話 衝撃
私が記憶している世界、その言い方に引っかかるものを感じた私は、考えてもわからないので尋ねることにした。
「私が記憶している世界、とは?」
「あぁ、その、ね?あんまり驚かないでくれよ?気を強く持ってね?」
「は、はぁ・・・」
「君多分この世界線に類似した、古くから魔力が存在した世界線にも来たことがあるよ。」
えっ?と驚く私をそのままに、駆逐は話しを続ける。
「記憶が戻ったその瞬間に妖怪に殺されてしまったがゆえに、記憶に残っていないのだろう。多分、レベル的にその回数が499回繰り返し、今回が500回目なのではないかな?となると、記憶している世界線の方が少ないし、魔力が過去からあった世界線が多数派かな?」
「ちょ、ちょっと待ってください!なぜそのような結論に・・・?」
私は困惑したままだが、駆逐は話し続ける。
「今現在、えーすさんより上とされている存在は多少なりとも過去からあった魔力の影響を受けているし、紫崎家も、関係者だ。それらがごっそりいなくなれば、えーすさんが最強であることに何ら違和感はない。むしろ、黄泉さんがおかしいんだ。人間じゃない。人間最強はえーすさんだろうよ。我々魔力関係者が異質なのさ!」
魔力についてよくわからないのだけれど、堂々と宣言した駆逐さんの後ろに紫色の髪の怖い顔をした少女がいることに気付いていないのだろうか?
「駆逐さん?誰が人間じゃないって?」
ギギギギ、そんな音が出ていると感じる動きで、ゆっくりと駆逐さんが後ろを向き、震えた声で少女に話しかける。
「よ、黄泉さん?いったいいつから」
黄泉さん、そう言われた少女・・・え?黄泉さん?この世界線の最強?・・・駆逐さんのご冥福をお祈り申し上げます。
黄泉さんは口は笑顔であるが、目が笑っていない。
「たった今よ?宴会をすると聞いてクランハウスにきてみれば、なにやら不穏な空気がするからこの部屋に来たのだけれど・・・どういう話をしていたら私が人間じゃないってことになるのかしら?」
「それは、あれだよ、その、言葉の綾というか、ね?」
「目が泳いでるわよ。」
そう黄泉さんが言い、腕を振るった瞬間、駆逐さんの首は飛び、物言わぬ死体となっていた。
・・・え?今まであの化け物による死体は見たことはあるが、人間によって、目の前で殺されたのは、初めてで
そんなことを考えていると、黄泉が何もない空間に話しかける。
「ま、いいわ。駆逐さん、何が起こっているのか、話してちょうだい?」
何を言っているのだろうか。たった今、首を跳ねたのに。
「いきなり首跳ねるのはひどくない?ま、話すけどさ」
あれ?駆逐さんがいる?死んだはずなのに?どうして?
「あぁ、そういえばここには知らない人もいたのだったわ。ごめんなさい。簡単に言えば、この人、死んでも死なないのよ。私にとって、駆逐さんの首切りは強めのツッコミのようなものよ。」




