第7話 化け物の正体は?
私の言葉を聞き、駆逐さんは頷き、そして首をかしげる。
「なるほど・・・では、ミソロジースキルを持っている理由は?遡行してもレベルは保持されないはずだが・・・」
「それは私もわかりません。今までこのようなことはなかったので・・・」
「なるほど。巫女姫に未来が見えない、そして時間遡行・・・ふむ、先ほどの話に信憑性が・・・」
「さっきの話?」
「えーすさんが勝てない化け物がこの区に現れるっていう話をされたのだがね・・・未来が分かるからあり得ない、と言おうとしたタイミングで君が来たのさ。」
「ふぇ?」
「もしかして、他の未来視能力者が現れたから世界にお役御免されたんじゃないですか?あまりにもポンコツ過ぎて」
「はぁ!?ポンコツじゃないし!」
こういう関係性、いいなぁ・・・って、そんなことを言っている場合じゃない。
「すみません、ディルが、今どこにいるかわかりますか?」
「うん?今は午前11時で、ディル・・・というと、この間この区で暴れたあいつかい?あいつなら死んだよ?」
あの化け物以外が殺すのは不可能なのではないか、そう思うほどの存在が死んでいる?で、あれば召喚される理由がないはずだけど・・・
「その、あの化け物を召喚したのが、今までの世界線では必ずディルだったんです。でも、もう死んでいるのなら、未来が見えない原因は今回の件とは関係ないのかも・・・」
「ふむ、ちょっと待ってね。詳しい人に連絡を取る。」
プルルル、という音がしばらく鳴り、ピ!という音とともに何か会話をしているようだ。
「あ、元黒君、駆逐だけど、今良い?ありがと。その、思い出したくないかもしれないけど、ディルが信奉していた存在が何なのかわかる?”シュブ=ニグラス”・・・なるほど。ありがとう。え?なに?シュブ=ニグラスの親である”闇”、そしてその親や兄弟である”アザトース”、”無名の霧”、無名の霧の子である”ヨグ=ソトース”も信奉していた?ありがとう。助かったよ。」
ピ!という音とともに、電話が終わる。
「どうやら、ディルが信奉していた存在は”シュブ=ニグラス””闇””アザトース”、”無名の霧””ヨグ=ソトース”の5柱のクトゥルフ神話の存在らしい。そこに、触手、大きな口、短い足が生えた肉塊ってなると・・・」
「シュブ=ニグラス、ということになりますが、そうなるとどうしようもありませんね」
「うん?深海さん何か知ってるのかい?」
「えぇ、まぁ・・・本当にその存在が神話のままのシュブ=ニグラスであるのであれば、他の存在に比べれば比較的安全と言えるかもしれませんが、人間が戦える相手ではないでしょう。たとええーすさんといえども、瞬殺の可能性すらあります。」




