第5話 目覚めと化け物について
ふと目が覚めると、カーテンから光が差し込んでいる。
時間は限られているのに、寝すぎてしまった?そう思い、時計を見ようとする。
・・・ん?時計がない?というか、ベッドも違う?・・・部屋自体が違う?
「知らない天井だ」
そう思わずつぶやく
「あはははは!まぁ、知らない部屋というのはあっているけれど、余りにも不用心過ぎないかな?知らない部屋にいるのにのんきだねぇ」
「!?だれ!?」
「ん?あぁ、私はクランデストロイヤーのクランマスター、駆逐だよ。忍びにさらわれ妖怪に追われていた君を確保したのだが、家が分からなかったものでね。クランハウスに寝かせておいたのさ」
そう言い、駆逐は窓を開ける。
驚いたし、信じていいのか不確かであるが、窓から鳥野山と、その下にある屋敷達が見える。角度的に、ここほど高い物件はこの区にデストロイヤーのクランハウスだけだ。デストロイヤーの関係者ということは間違いないだろう。そして、クランの中でクランマスターを騙るなどという阿呆なことをする人はいないだろう。いるとすれば、本人の許可を得ての行動か?で、あれば、あの化け物について話すべきだろうか?
「うん?どうしたんだい?そんなに見つめて。たらしのヴィドさんじゃあるまいし、俺の顔を見ても楽しいことはないだろう?何か言いたいことでもあるのかな?」
「あ・・・えっと・・・その・・・」
言うべき、だろう。
「うん?なんだい?」
「その・・・明日、化け物がこの区に現れるって言ったら、信じてくれますか?」
「うん?化け物?」
「はい。」
「それは、どういう?姿だい?」
「触手のようなモノがいっぱい生えていて、大きな口があって、短い足が生えてる肉塊みたいな存在です」
「うーん・・・ローパー系のモンスターが溢れるっていうことかな?それとも、そういう妖怪か何かが復活するのか・・・まぁ、安心したまえ。今この区には、並大抵の存在であれば容易く、下手すれば神すらも下し得る戦力が集まっている。その化け物がどのような存在なのかはわからないが、どうとでも」
甘く見られては、困る。その慢心のせいでまたやり直しになってしまっては、次この世界線に来るのがいつになるのかわからない。今回でどうにか終わらせたいというのに・・・
「その存在が、えーすさんであろうと敗北する存在だとしても、ですか?」
「うん?それはどういうことだい?うちの”不敗”が敗北する?そんな存在が、私たちの知ることなく存在していて、この地に現れる、と?」
他の世界では”最強”と呼ばれていたえーすさんが、この世界線では”不敗”と呼ばれているのだろうか?
「そういうことになりますね」
「あり得ない。断言しよう。我らには未来が分かる存在がいるんだ。そのような出来事が起こるのであれば、事前に」




