邪神降臨
めにーくるしみます あんはっぴーにゅーいやー……
今年の更新はこれが最後かな……
その瞬間、世界が変質した。
熊さんの宿(こう言うとなんかファンシー)で夕食を取っていた時の事だ。どこか遠くで爆発音が聞こえ、その直後、何か波のようなものが体の中を通り抜ける感覚と共に全身に鳥肌が立った。不安……いや不快? 何とも言えない感覚に襲われる。
辺りを見回すと、他の客や熊さんも何かを感じとったのか不安そうにしている。
……神様? 何が起きたか解かりますか?
『……まさか……あれがここに……』
うん? なんか思わせ振り? なんかオラ嫌な予感がしてきたぞ。
──ゥォォォォ──
遠くから何やら人とも獣とも判別つかない声が聞こえる。明らかに爆発音のした方角からだよなアレ。
『嘘でしょ! 眷属じゃなくて分体が降臨したって言うの!』
眷属? 降臨? あの明らかに神様関係のワード使われてるんですが?
『……邪神の分体が降臨、受肉したわ……』
…………What? Why?
『言語バグってるわよ…… どうやら邪神がらみの神器がバルトにあって何者かが封印を解いたみたいね』
マジかよ……
俺は残った食事をかっ込むと熊さんに代金を投げつけ、店の外へと走り出る。既に日は沈み辺りは暗闇に……
「……なんじゃこりゃ?」
辺りは暗闇に包まれていた。だがどういう訳か明かりの付いた表通りはもちろん、裏路地の中にすら視線が通っている。暗いのは分かる、なのに暗くて本来見えない筈の場所がまるで昼間の様に視線が通るのだ。いや便利だよ? 便利だけど明らかにおかしくない?
『法則侵食ね。邪神は存在するだけで世界を蝕み、理を変質させる……まあいきなり重力とか摩擦係数とかが変化してたら詰んでたから運は良い方ね……』
……それ人類にはどうにもならないヤツでは?
『まあ世界の根幹に関わる法則は、プロテクトも固いし侵食されるのにも時間掛かる筈だから滅多にそんなことは起きないし……』
たまには起きるんですねわかります。後、ほっといて時間が経過するとヤバいんですね?
『……ま、まあその前に神界が対応する筈だから! 大奇跡で(町ごと)ぶっ飛ばしたり、(周りの人間ごと)封印したり、降臨して滅ぼしたりする筈だから!(なお戦場となった周辺10kmは更地と化します)』
……神様? 前々から言おうと思ってたんですけど念話の時たまに隠そうとしてる内容が副音声みたいに聞こえてますからね? 思念漏れてますからね?
『え、マジ? やだ女の子の秘密覗くなんてエッチ!』
覗いてねーよ。そっちが漏らしたんだろーが。後、女の子と言うには年r……
『あ゛あ゛?』
何でもありませーん。
そんな事より被害少なく邪神どうにかする方法は無いんですか!? 巻き添えとかごめんですよ!
『んー、分体だし殺すのは無理でもダメージ与えとけば奇跡の規模は落とせるかな? 「蒼牙」なら特効入るから行けるかも? 後は戦闘に参加する冒険者の戦力がどの程度かだねー。一応神託で緊急クエスト発行しといたから参加すれば貢献度に応じた経験値が報酬で加算されるよ』
なるほど、討伐不可能なボスだけど一定ダメージを与えるとイベントで無力化できると。
つーかやらないと邪神もろとも滅ぼされるから実質強制クエストだよなぁ……
『あ、やば……リンクが……ザザー……まず……ザザザー』
! 神様! 今度はなんですか!
『……こちら運命神分御霊No.4、現在、本体とのリンクが断絶しています。本来よりもサポート力及びボケと突っ込み力が低下していますのでご了承下さい』
なんかいきなりしゃべり方が無感情になったな! えーと何が起きてんの?
『おそらく邪神の法則侵食によって神界との情報のやり取りに制限がかかったものと思われます。私は運命神の分御霊……劣化コピーされた分身のようなものだと思って下さい。しゃべり方については処理能力の関係上、感情の再現まで手が回らない為です』
……むしろ神様本体より優秀に見える不思議。後、なんか某スライムさんのスキルっぽい感じ。
『解。そのような事実はありません』
ネタに乗るんかーい! やっぱこれ神様の一部だわ。最初にボケと突っ込み力とか言ってる時点で察するべきだったわ。サポートは……神様知識が得られないのはちょっと痛いかな?
『現在、神ペディアにアクセス出来ません。また、小奇跡を使用した場合、リソースの供給が不可能な為、私の存在の維持が出来なくなる恐れがあります』
神 ペ デ ィ ア
神様、そんなもんで調べてたのね……
とりあえずさっき爆発音の聞こえた方に向かって走り出す。……何か悲鳴と奇声が聞こえてくるから場所分かり易いな。こりゃもう結構な数の犠牲者が出ちゃってるかな……
俺がそんな珍しくシリアスな気分で現場に駆け付けると、そこでは惨劇が繰り広げられていた。
──ち゛ち゛し゛り゛ふ゛と゛も゛も゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ!!──
「きゃぁぁぁーっ! なにこのエロ触手!」
──う゛へ゛へ゛、か゛あ゛い゛い゛な゛ー、あ゛っ゛た゛か゛い゛な゛ー、や゛わ゛ら゛か゛い゛な゛ー──
「いやぁぁぁっ! 変なとこ触るなぁぁぁっ!」
惨劇(乙女の尊厳的な意味で)。
シリアスさんは速攻退場してしまったのだった……
エロと言えばと真っ先に思い付いたのが某ゴーストスイーパー助手。(次点で新宿の種馬なもっこり男)
え? 知らない? そーいやアレ、バブルの頃に始まった漫画だったわ……連載終わったのが1999年!? もう20年以上経ってるのか……新卒の新人とか生まれてすらいねぇわ。




