襲撃
一度書いたの1000字くらい消えた(;ω;)
ヴァイス達と別れ、職人区画を目指して歩き始める。魔香「闇の誘い」を調子に乗ってバカスカ使ったから在庫が心許ないのでまた補充しないとな。自動収納のおかげで走りながら雑魚を切り捨ててもアイテムをゲット出来るのは便利……ゴミドロップが貯まってるな、どうせならダンジョンにいた時に捨てときゃ良かった。ゲームならゴミドロップでも店に売れるけど現実では引き取り拒否なんだよなぁ…… 呪いの武器とか神殿で呪い解かなきゃ再利用すらできないし。なんかうっかり熔鉱炉で溶かして再利用しようとすると炉が呪われるとか。
『ん? 今の知力なら指輪の補正込みでギリ「リムーブカース」使えない? 確か聖魔法Ⅱの魔導書もってたよね? まあ、解ける呪いの強度は知力依存だから軽めの呪いだけだけど、中級の雑魚ドロップならそんな強い呪いはないわよ?』
うっ、そう言えば流し読みした魔導書にそんなんがあった気がする。魔導書で魔法習得ってひたすら集中して本と向き合わなきゃいけないんで面倒なんだよなぁ……ま、そのうちにね(絶対やらないやつ)。
そんな事を言っているうちに親方の工房に到着、いつものように店番をしていたヘイグさんに錬金を依頼する。素材持ち込みだから安い。20kgほど頼んだら「何に使うんだこんなもん」と聞かれたので、正直に答えたら大爆笑された。解せぬ。
ちなみに魔香は「闇の誘い」以外にも各属性シリーズが存在しているので、そのうち使うかもしれない。属性に対応したフィールドと中ボスが存在する上級ダンジョン「精霊王の領域」なんてものも在る事だし……まあ攻略推奨位階75以上だから当分先だが。現時点の実力じゃ、んなとこで雑魚に群がられたら死ぬわ。せめて俺やヴァイス含めて全員位階60以上の4次職になるまでは低階層でも挑む気になれん。
さて、消耗品も補充した事だし寝るかね。せっかくだから熊さんの宿でメシでも食って…………索敵に感アリ、あー、お客さんだよめんどくさい。町中でランダムエンカウントとかクソゲーだわ。吸血鬼にNPC殺されてクエスト消失してリセットしたの思い出した……膝に矢を受けた衛兵さん討伐手伝ってー。あいつらこっちが犯罪者になるとわらわら無限に湧いてくるのに吸血鬼相手だと普通の数しか出動しないよな。納得いかねぇ。難易度最低にして魔法ダメージ追加の武器で殴る無双ゲーごっこして衛兵殺しまくったのも、今となってはいい思い出です。まあ、マップ切り替えの度に止まる前作よりはましだがな!
反応からして3次職以上は居ない。数は多いが雑魚ばっかだな。なら片付けておきますか。例によってわざと人気のない路地に入り込む……ぶっちゃけ袋小路でも今の身体能力ならジャンプ一発で屋根に飛び乗れるから逃げ道を確保する必要がないんだよなぁ。位階上昇はチートですわホント。
袋小路に入ると案の定、出口をわらわら湧いてきたチンピラ達が封鎖する。ふむ、ケツ狙いの変態ではなさそうだな。
「へへへっ、久しぶりだなぁクソガキ、いや逃水」
なんか因縁ありそうなセリフを吐くチンピラA。
「? 誰ですか? すいません、俺、動物の個体識別とか出来ないんですよね(訳:人間になって出直してこいバーカ、あとマジで誰っすか?)」
ビキッ、と額に血管を浮かび上がらせるチンピラA。怒りっぽいなー、カルシウム足りてる?
「……くっ、くくく…… 言ってくれんじゃねーか、あれだけ人の事をボコボコにしといて忘れたとは言わせねぇぞ!」
「……すいません、マジで心当たりが……多すぎて分かりません」
俺の言葉にチンピラーズが思わずずっこける。このノリさては貴様ら関西人だな!(この世界に関西はありません)
「心当たり多すぎんのかよ! テメェどんな生活してやがる!」
「うっせぇ! 毎回毎回人のケツ狙って襲って来んな変態ども! ヤリたきゃ仲間同士でヤってろよ!」
『……あれ? ケツ狙いの変態じゃなさそうって言ってなかった?』
ええ神様、たぶん金目当ての連中ですけどあえて誤解したふりをしてみました。……くくく、ホモと間違えられる精神ダメージを受けるがよいわ……
「なっ! ばっ! 馬鹿野郎ちげーよ! 俺はテメェが鍛冶ギルドから大金を手に入れたって聞いて……」
「?…………! あっ! 確か金目当てで襲ってきたけど仲間やられてあっさり逃げ出したチンピラリーダー! 1人目やられたら仲間囮にしてさっさと逃げた奴とか顔見た時間短すぎてそうそう思い出せねぇよ! なんで自信満々で俺に覚えてもらえると思ってんだよ!」
ちなみにデンプシーロール食らわせたチンピラDなら確実に覚えてたんだけどな。A~C? 一瞬で片付けたからたぶん忘れてる。
なんかプルプル震えてるチンピラリーダー。奴を見る他のチンピラの目は厳しい。ま、暴力を飯の種にしてる連中からしてみりゃ襲って返り討ちになるだけでも恥なのに、味方見棄てて逃げたの暴露されてりゃねぇ? こりゃ明日からこいつの立場ねぇな可哀想に(確信犯)。
「ううううるせぇ! 御託はいいんだよさっさと金寄越せやごるぁっ!」
「ざんねーん! 装備の更新に使っちゃいましたー!
上級ダンジョン行くなら装備の更新は大事だよね!」
嘘は言ってない。ただここで重要なのは……
「上級ダンジョン!?」「マジかよ……」「おいコラ! 聞いてないぞ!」
動揺してる動揺してる。うん、手出ししたのがヤバい奴だって知れば動揺するよね。なんならこのまま逃げてもいいのよ?
「は、ハッタリだ! 俺の調べた限りこいつは冒険者登録して1月程度! 上級なんていけるわきゃねぇ!」
「んー、あんた逃水の二つ名知ってたよね。ただの冒険者歴一ヶ月の新人に二つ名が付くと思う? んなわけないよな? あんただって解ってるから頭数揃えて来たんだろ?
大方お仲間けしかけて上手く行くようなら旨い汁吸って、駄目ならまた仲間見棄てて逃げるってとこか? セコいねー」
今後の安全保障の為にも諍いの種は蒔いておこうか。ゴミ同士争ってくれりゃ手間省けるからね! これぞ孔明離間の計!
『いやどっちかって言うと離間の計で有名なのは曹操が馬超と韓遂を……』
そーゆー細かい事を指摘しないで!?
さて、チンピラリーダーだが俺の言葉に追い詰められている模様。ま、あんな事を言われたら先頭きって戦わないと誰も一緒に戦ってくれないよねー。覚悟を決めたのかチンピラリーダーは俺を睨み付けると一歩前に……
スパンッ! ボンッ!
相手が反応出来ない速度で踏み込み、剣を握った右腕の上腕部を蒼牙で斬り付ける。全く手応えを感じる事なく蒼牙は腕を通り抜け、一瞬遅れて斬線が爆発、腕がロケットパンチの如くすっ飛んで行く。位階50の盗賊の敏捷は圧倒的なんですよ? せいぜい位階20ちょっとの奴じゃ回避どころか視認すら怪しい。周りに居たチンピラ達にはただ気付いたら俺が抜刀し、チンピラリーダーの腕がふっ飛んだようにしか見えないだろう。
「んで、次は誰?」
俺はあえてニヤニヤと嫌味に笑いながら蒼牙をちらつかせる。
「う、うわぁぁぁぁっ!!」「お、おい待ってくれ!」「ちくしょう! バケモンじゃねぇか!」「ヒ、ヒィ! 助けてくれぇっ!」
蜘蛛の子を散らすように逃げて行くチンピラーズ……あれ? チンピラリーダーも一緒に走って逃げてったぞ? 腕チョン切れてるのに元気だなアイツ。忘れ物ですよー、大事な腕と剣ここに置いていってますよー。
あ、この剣そこそこ質が良いな。迷惑料に貰っとくか。そうして俺は熊さんの店へと向かうのだった。
ご飯♪︎ご飯♪︎
超頑張った
燃えたよ……
真っ白に……燃えつきた……
真っ白な灰に……
冗談抜きでリアル多忙のため、一時更新停止します。12月中は無理かも……




